Beaumont-sur-Vesle / ボーモン=シュル=ヴェル

ボーモン=シュル=ヴェルは、グラン・クリュ17村の中でも存在感が際立つ個性派。わずか28haという小規模な畑にピノ・ノワールが83.8%を占め、隣接するヴェルジィの斜面と地続きのテロワールを共有する。村の本体はブドウ畑から離れた場所に立ち、グラン・クリュらしからぬ「静けさ」が漂う——だからこそ、ここのシャンパンには語り草になるほど個性がある。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Reims
郵便番号 : 51360
面積 : 5.69 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Prunay, Verzy, Val-de-Vesle, Verzenay,

「Beaumont-sur-Vesle」のぶどう畑

テロワールMontagne de Reims
- Grande Montagne de Reims
格付け100% Grand Cru [?]
栽培面積28.3 ha
- Chardonnay4.3 ha (15.2%)
- Pinot Noir23.7 ha (83.7%)
- Pinot Meunier0.3 ha (1.1%)
- その他0 ha (0%)

特徴

ボーモン=シュル=ヴェルのシャンパンは、ピノ・ノワール83.8%という構成が示す通り、赤系果実の凝縮感と骨格のしっかりした飲み口が特徴だ。しかし隣のヴェルズネイのような野太さとは異なり、ヴェスル川流域の冷涼な環境が酸を引き締め、余韻にすっきりとした清潔感をもたらす。 Clos Virgileはこの村を語るうえで外せない区画で、Paul-Sadiがシャルドネ67%・ピノ・ノワール33%で仕込む珍しいブレンド。1993年に果樹園から転換されたという異色の経歴を持ち、若い樹でありながら白亜土壌の純粋なミネラルが際立つ。肉料理はもちろん、脂ののった魚や発酵バターを使った料理にも合わせてみたいシャンパンだ。

テロワール

ボーモン=シュル=ヴェルのブドウ畑は、コミューン南西部に集中している。地理的にはグランド・モンターニュ・ド・ランスの東端に位置し、グラン・クリュのヴェルジィと連続する斜面の延長上にある。この連続性は格付けにも反映されており、エシェル・デ・クリュは白・黒ともに最高値の100%を獲得している。 特筆すべきは村の立地だ。他のシャンパーニュ・グラン・クリュ村の多くが畑に囲まれるように位置するのに対し、ボーモン=シュル=ヴェルの集落そのものはA4高速道路の向こう側、モンターニュ・ド・ランスの本来の斜面から離れた低地に立つ。ブドウ畑と村が空間的に切り離されたこの構造は、ヴェルズネイやプリュネといった近隣グラン・クリュ村とは大きく異なる点である。 土壌はモンターニュ東部に共通するチョーク(白亜)質を基盤とし、良好な排水性と保水性のバランスを保つ。南西向きの斜面が日照を確保しつつ、ヴェスル川流域の冷涼な空気が過度な熟成を抑える。この温度的な引き締め効果が、ピノ・ノワール主体でありながら酸のきれいなシャンパンを生む土台となっている。

詳細

ボーモン=シュル=ヴェルはモンターニュ・ド・ランスのグランド・モンターニュ・ド・ランス地区に属するグラン・クリュ村で、郵便番号51360、コミューン総面積は約569haを数える。行政上はマルヌ県に位置し、人口はおよそ730人(2013年時点)と小さな集落だ。

最も注目すべき地理的特性は、村の集落と畑が空間的に切り離されている点にある。多くのシャンパーニュ村では集落が畑の真ん中や斜面沿いに立地するが、ボーモン=シュル=ヴェルの中心部はA4高速道路の向こう側、モンターニュ・ド・ランスの斜面から距離をおいた低地に位置する。ブドウ畑そのものはコミューン南西部に集まり、南側のヴェルジィと北西側のヴェルズネイに挟まれるかたちで広がっている。北西にはシルリィ(Sillery、グラン・クリュ)、東側にはヴァル=ド=ヴェルが隣接する。

テロワール詳細

ブドウ畑はヴェルジィから連続する南西向きの斜面上に展開し、白亜(チョーク)質土壌が基盤を形成する。エシェル・デ・クリュは白・黒ともに最高値100%で、格付けの連続性はヴェルジィと地続きのテロワールを反映したものといえる。総栽培面積は28.30haと、グラン・クリュ17村のなかでも最小クラスにとどまる。品種構成はピノ・ノワール23.70ha(83.8%)が大勢を占め、シャルドネ4.30ha(15.2%)、ピノ・ムニエ0.30ha(1.1%)と続く。この構成比はヴェルズネイやヴェルジィと近似しており、モンターニュ東部のピノ・ノワール主体という地域的性格を共有している。なおヴェスル川流域に近い低地側から冷涼な空気が流れ込む地形的条件が、酸の引き締めに寄与するとされる。

主要生産者

ボーモン=シュル=ヴェルを本拠とする最重要生産者がPaul-Sadi(ポール・サディ)だ。NMに区分される小規模メゾンで、ボーモン=シュル=ヴェル、ヴェルジィ、ヴィレール=マルムリィに畑を持つ。社名の「Paul」はポール・ポルティエ、「Sadi」はサディ・マロにちなむ命名で、ポルティエ家とマロ家による家族的経営が特徴。一部キュヴェにはオーク樽熟成を採り入れており、最注目区画のClos Virgileはシャルドネ67%・ピノ・ノワール33%という構成で仕込まれる。

RMのVirgile Portier(ヴィルジル・ポルティエ)は1924年創業、3代にわたって続く栽培家兼醸造家で、2000年代初頭のデータで約8haを管理する。Paul-Sadiとは家族的つながりを持ち、Clos VigileはポルティエはPortier家が所有する0.24haの壁囲い区画(クロ)で、1993年に果樹園から転換して植樹された珍しい経歴を持つ。

  • ペリュス・モンス(Bellus Mons)— ボーモン=シュル=ヴェルを本拠とする生産者。
  • ヴォーティエ(Vautier)— 同じく村内本拠の生産者。

歴史・由来

Beaumont-sur-Vesleの地名は「美しい山(Bellus Mons)」を意味するラテン語に由来し、村内生産者のBellus Monsはこの語源にちなんで命名されている。ヴェスル川沿いの交通路に近いこの地は、歴史的にランスとの結びつきが強く、大聖堂都市ランスへの物資供給拠点のひとつとして機能してきた。シャンパーニュ産業の近代化以前から、モンターニュ・ド・ランス東端のブドウ栽培地帯として名を知られていた。 Clos Virgileは1993年に果樹園から転換されてブドウが植えられた区画で、わずか0.24haの小区画ながら壁で囲まれたクロとして管理される。果樹園から始まったという異色の経歴は、シャンパーニュの畑の歴史においても稀有な事例のひとつだ。グラン・クリュ17村のなかで地味な存在として扱われることも多いボーモン=シュル=ヴェルだが、この小さなクロはワイン愛好家の間で村の個性を語るうえで欠かせない話題となっている。

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「Beaumont-sur-Vesle」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報