Villevenard / ヴィルヴナール

ヴィルヴナールの畑には、シャンパーニュでも希少な黒い燧石「シレックス・ノワール」が点在する。ピノ・ムニエとシャルドネが生む「エキゾチックでバロック的」な個性で、コート・デ・ブランとは別系統のテロワールを探す飲み手の視線が集まるオートル・クリュだ。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Épernay
郵便番号 : 51270
面積 : 13.28 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Courjeonnet, Coizard-Joches, Reuves, Baye, Congy, Oyes, Talus-Saint-Prix,

「Villevenard」のぶどう畑

テロワールVal du Petit Morin
格付け85% Autre Cru [?]
栽培面積123.7 ha
- Chardonnay47.9 ha (38.7%)
- Pinot Noir12.8 ha (10.3%)
- Pinot Meunier62.6 ha (50.6%)
- その他0.4 ha (0.3%)

特徴

主要品種はピノ・ムニエ(栽培面積の53%)で、ふくよかで果実味豊かなスタイルが基本を形成する。シャルドネ(37%)も存在感が大きく、コート・デ・ブランの爽やかなライム感とは異なる「エキゾチックでバロック的」な豊かさを持つと評される。ピノ・ノワール(10%)は少量ながらBlanc de Noirs等にも使用される。Les Bacons産100%シャルドネでRoger BarnierやHubert Noiretが手がけるシングルヴィンヤードものは黒い燧石由来のスモーキーなニュアンスが際立ち、テロワール探求に本腰を入れ始めた飲み手の次なる一本として理想的だ。

テロワール

ヴィルヴナールはコート・デ・ブランの南端から続く渓谷地帯ヴァル・デュ・プティ・モランに属し、エペルネから南東に約24km、標高112mの丘陵地帯に畑が広がる。ブドウ畑は村の東〜北東と西側に分布し、北東のクルジョネや北のコンジーの畑と隣接する。斜面は概ね緩やかで、南向き斜面も含まれる。 コート・デ・ブランの均質なチョーク質土壌とは対照的に、ヴィルヴナールの土壌は粘土の比率が高くチョークの割合が少ない。地区固有の「シレックス・ノワール」と呼ばれる希少な黒い燧石が一帯に点在し、代表リュー・ディLes Baconsではチョーク下層土の上に粘土と黒い燧石が層状に重なる構造が確認されている。 粘土質の高い保水性はプティ・モラン川沿いの微気候と相まって穏やかな熟成環境を生み出す。黒い燧石が与えるスモーキーなミネラル感こそが、このコミューンのシャンパンを隣接エリアと明確に隔てる核心だ。

詳細

ヴィルヴナールはマルヌ県南部、エペルネから南東に約24kmの距離に位置する農業コミューンだ。プティ・モラン川の渓谷に沿う丘陵地帯に畑が広がり、周辺はクルジョネ、コンジー、ベイユ、オイエ、タリュ=サン=プリ、コワザール=ジョッシュなどの村々と接する。ヴァル・デュ・プティ・モランの最南端に位置し、醸造家Olivier Collinが「Coteaux du Petit-Morin」として定義したラインの南端を担う。

標高112mの丘陵に広がるブドウ畑は村の東〜北東と西側に分布し、東側はクルジョネの畑と連続する。土壌はコート・デ・ブランの均質なチョーク質とは対照的に粘土の比率が高く、地区固有の「シレックス・ノワール(Silex Noir)」と呼ばれる希少な黒い燧石が各所に点在する。代表リュー・ディLes Baconsでは、チョーク下層土の上に粘土と黒い燧石が層状に重なる構造が顕著だ。Les Clos、Les Clos Prieur、Le Haut de la Fontaineなどのリュー・ディも知られる。ピノ・ムニエが栽培面積の53%を占める一方、シャルドネが37%を占める点は地区内の他コミューンと比較したヴィルヴナールの特徴だ。

主要生産者

Roger Barnier(RM)はヴィルヴナールを代表するグロワーで、約8haの畑を所有する。100%シャルドネのCuvée BlancheやLes Nuits Blanches(マグナム限定)、シャルドネ主体のCuvée Exquise(シャルドネ70% / ピノ・ノワール25% / ピノ・ムニエ5%)など複数のヴィンテージシャンパンをリリースし、日本市場でも安定した存在感を持つ。

Hubert Noiret(RC)はシングルヴィンヤードへのこだわりで知られる。Cuvée 3 SymbolesはLes Bacons産100%シャルドネで、1969〜1984年植樹のヴィエイユ・ヴィーニュを使用し300Lオーク樽で10〜12ヶ月熟成させる希少なキュヴェだ。2025年に専門メディアで紹介を受け、ヴィルヴナールのテロワール表現の奥深さを世界に示した。

  • Nominé-Renard(RM):Special Club認定生産者。Le Haut de la Fontaine産100%ピノ・ノワールのBlanc de NoirsとSpecial Clubシリーズを展開。計6村に20haの畑を持ち年間約12万本を生産。
  • Renard Barnier(RM):ヴィルヴナールのほかBroyes、Vertusなどにも畑を持つ。

村には「Coopérative Vinicole de Villevenard」を拠点とする協同組合があり、小規模栽培農家の生産を統合している。

歴史的背景と評価の変遷

ヴァル・デュ・プティ・モランは長らくシャンパーニュの主要産地から外れた「傍流」として位置づけられてきたが、地球温暖化による気候変化が産地評価を塗り替えつつある。冷涼すぎると敬遠されがちだったエリアが適正な熟度を得やすくなり、粘土質の保水力が乾燥年のリスクヘッジとして機能し始めている。ヴィルヴナールはOlivier Collinが「Coteaux du Petit-Morin」を定義した際の南端基点であり、オートル・クリュという格付けにとどまりながらもシングルヴィンヤードを追求する生産者が集まり、地区全体の評価底上げをけん引している。

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「Villevenard」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報