Baye / ベイユ

ベイユは、コート・デ・ブランの均質な白亜土壌とは一線を画す、鉄分豊かな粘土質土壌を持つヴァル・デュ・プティ・モランの村。栽培面積の約8割をピノ・ムニエが占め、その豊潤さは土壌の個性をまっすぐに映し出す。一度味わえば、コート・デ・ブランとは異なるシャンパーニュの顔に出会えるはずです。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Épernay
郵便番号 : 51270
面積 : 17.98 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Champaubert, Congy, Villevenard, Fromentières, Talus-Saint-Prix, Bannay,

「Baye」のぶどう畑

テロワールVal du Petit Morin
格付け85% Autre Cru [?]
栽培面積49.9 ha
- Chardonnay1.8 ha (3.6%)
- Pinot Noir7.7 ha (15.4%)
- Pinot Meunier40.4 ha (81%)
- その他0 ha (0%)

特徴

ベイユのシャンパーニュを語るうえで欠かせないのが、栽培面積の約8割を占めるピノ・ムニエ。鉄分を含む粘土質土壌に育まれたムニエは、土壌の豊かさをそのまま映したリッチで凝縮感のある味わいになりやすい。残り約15%を占めるピノ・ノワールがコクを支え、わずか約3%のシャルドネは、コート・デ・ブランの端正なスタイルとは対照的に、エキゾチックでバロック的な個性を見せるという。Yves Jacquesの樽醸造キュヴェなど、土地の力強さを前面に出した造りも多く、軽やかな食前酒というより、しっかりとした料理に寄り添う一本を探している人にこそ試してほしいスタイルだ。

テロワール

ベイユのブドウ畑は、村を取り囲むように緩やかな斜面が複数の方角へ連なる地形に広がる。標高は141〜232mとヴァル・デュ・プティ・モランの中でも起伏があり、コート・デ・ブランで知られる均質な白亜(白チョーク)土壌とは異なり、粘土質を主体とした複雑な土壌構成を持つ。なかでも鉄分を多く含む点が際立った特徴で、地元生産者のMaison Lefébureは、この土壌の鉄分含有量を、燧石(シレックス)以上に重要な要素として位置づけている。隣接するVillevenard方向には黒燧石を含む土壌も見られ、同じヴァル・デュ・プティ・モラン内でも村ごとの土壌差が存在する。気候は温帯海洋性気候(ケッペン分類Cfb)に属し、年平均気温は約11℃、年間降水量は約701mmとほぼ年間を通じて均一に降る。この鉄分豊かな粘土質土壌は、ブドウに官能的でリッチな香りの土台を与え、ベイユらしい厚みのある味わいを育んでいる。

詳細

ベイユは、マルヌ県南西部、コート・デ・ブランのサブリージョンに数えられる「ヴァル・デュ・プティ・モラン」に属する村で、その名のとおりプティ・モラン川のすぐ北に位置する。エペルネから南へ約28km、エペルネとセザンヌを結ぶ旧国道RD951が村を縦断する立地にあり、行政上の格付けはAutre Cru(オートル・クリュ)に分類される。周辺コミューンは、東にCongy、南東にVillevenard、南南西にタリュ=サン=プリ、西にBannay、北西にFromentières、北東にChampaubertと、ヴァル・デュ・プティ・モラン内の村々に囲まれている。村域は1,798ヘクタールに及び、標高は141〜232mと起伏に富む。

テロワールの最大の特徴は、コート・デ・ブランに広がる均質な白亜(白チョーク)土壌とは一線を画す、粘土質を主体とした土壌構成にある。ブドウ畑は村の周囲のさまざまな方角の緩やかな斜面に分散しており、単一の斜面方位に依存しない多様な区画構成を持つ。特筆すべきは鉄分(フェリックス)の含有量で、地元生産者からは「燧石(シレックス)以上に重要な要素」として語られるほど、このテロワールを特徴づける核となっている。実際、隣村のヴィルヴナール方向には黒燧石を含む土壌も見られ、同じ地域内でも村ごとの個性が分かれる。気候面では温帯海洋性気候(ケッペン分類Cfb)に属し、年平均気温は約11℃、年間降水量は約701mmとパリ盆地北東部らしい比較的均一な降水パターンを示す。栽培品種の構成はピノ・ムニエが圧倒的多数を占め(約81%)、ピノ・ノワールが約15%、シャルドネはわずか約3%にとどまる。この品種構成自体が、コート・デ・ブランの白亜・シャルドネ中心のスタイルとは対照的な、ベイユならではのアイデンティティを形づくっている。

主要生産者

Daniel Collinはネゴシアン・マニピュラン(NM)として、シャルドネ、ムニエ、 ピノ・ノワールを均等にブレンドしたキュヴェ「エスプリ・シラー」で知られる造り手。品種名に反してシラーは使用せず、ベイユの土壌を反映した骨格あるブレンドを志向している。

Yves Jacquesはレコルタン・マニピュラン(RM)として17ヘクタールを所有する、ベイユでは規模の大きい自社元詰め生産者。ヴィンテージ表示のシャルドネ「キュヴェ・セレクション・レゼルブ」、ピノ・ノワールとシャルドネをブレンドした「キュヴェ・ジゼル」、樽醸造による「キュヴェ・エポニム」など、複数のキュヴェを展開し、ベイユの土壌の幅広さを表現している。

Maison Lefébureは夫婦で営む少量生産の造り手で、オーガニック志向の栽培を実践する。ベイユの粘土・鉄分テロワールを活かした造りを志向し、「この土地の鉄分は燧石以上に重要で、リッチで官能的な香りをもたらす」という当主の言葉どおり、土地の個性を素直に表現するスタイルで近年注目を集めている。

歴史・由来

ベイユという地名は、古ラテン語の「badia(aqua)」、すなわち「褐色の水(流れ)」を意味する言葉に由来するとされる。記録に残る最古の表記は850年の「Cella Baiæ」で、その後1104年に「Baia」、1131年に「Baya」と表記が変遷した。伝承では、5世紀にシャロン司教を務め、フン族のアッティラの侵攻に対する精神的支柱となった聖アルパンの出生地とされ、バイユ男爵領はシャンパーニュ伯爵領のなかでも最も強力な封建領地のひとつに数えられた。

1131年には、モレームのベネディクト会修道士がコミューン東部のアンデシー渓谷に修道院を創設。建物は18世紀に再建され、現在も女性修道院として存続している。1903年には鉄道(エペルネ—モンミライユ線)がモルラン集落に到達し駅が建設されたが、旅客輸送は1932年、貨物輸送は1933年に廃止され路線は完全に閉鎖、今は廃駅のみがその歴史を伝える。また1999年の暴風雨で村のサン=ピエール=エ=サン=ポール教会の屋根が大きく損傷したが、2018年から2023年にかけて修復工事が行われ、現在は当時の姿を取り戻している。

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「Baye」を拠点とするシャンパン銘柄

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