Sézanne / セザンヌ

セザンヌはコート・ド・セザンヌに名前を与えた中心都市。オートル・クリュながらシャルドネ主体(約70%)のブラン・ド・ブランの産地として急速に注目を集めており、コート・デ・ブランに似た白亜質土壌に独特のシレックス(燧石)が混じり、丸みとミネラリティを兼ね備えた個性派シャンパーニュを生む。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Épernay
郵便番号 : 51120
面積 : 22.82 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Péas, Broyes, Saint-Remy-sous-Broyes, Vindey, Mœurs-Verdey, Lachy, Chichey,

「Sézanne」のぶどう畑

テロワールCôte de Sézanne
格付け blanc:87%,noir:85% Autre Cru [?]
栽培面積207.1 ha
- Chardonnay145.5 ha (70.3%)
- Pinot Noir29.7 ha (14.3%)
- Pinot Meunier31.9 ha (15.4%)
- その他0 ha (0%)

特徴

シャルドネが総栽培面積の約70%を占め、ブラン・ド・ブランの産地として評価が急上昇している。コート・デ・ブランの鋭い酸と純粋なミネラル主導とは異なり、温暖な気候がもたらす熟度が桃・アプリコットなどストーンフルーツの丸みを生む。そこにシレックス由来の燻製・火打石的ミネラリティが加わり、一口目からアプローチしやすくも奥行きのあるBdBとなる。モエ・エ・シャンドンやヴーヴ・クリコがNV用ブレンド素材として積極調達することでも知られ、フルーティで丸みのある飲み口は食前酒から鶏・白身魚のクリームソース仕立てまで幅広く合い、シャンパーニュ初心者にも間口の広い一本となっている。

テロワール

セザンヌの畑は標高148〜200mの緩やかな斜面に広がり、主に南〜南東向きに傾斜する。土壌は白亜(チョーク)・泥灰土・粘土・砂・石灰岩の混合で、コート・デ・ブランの地質的延長にあたる一方、チョーク含有率はやや低め。最大の個性はシレックス(燧石・フリント)の存在で、土中に混在するシレックスは熱を蓄積・反射し、ワインに燻製や火打石を思わせるミネラル感を与える。かつてこの地域のフリントは製粉用石臼として採掘された歴史があり、セザネ地区固有の地質的財産として知られる。 気候はコート・デ・ブランよりやや温暖で大陸性が強く、エペルネの南約50kmというより南方の立地が早期の果実成熟を促す。年間降水量は630〜750mmで年平均気温は約10℃。ピノ・ノワールが29.70ha、ピノ・ムニエが31.90haを占めるが、セザネ地区12村の中でもピノ・ムニエの比率がとりわけ高い村でもある。シレックスと温暖な気候という二重の特性が、コート・デ・ブランとは一線を画すセザンヌ独自のテロワールを形成している。

詳細

セザンヌはマルヌ県南西部に位置するコミューン(INSEE: 51535)で、コート・ド・セザンヌの中心都市かつ副産地に名を与えた村である。エペルネの南約50km、コート・デ・ブランのさらに南約30kmに位置し、北東にブロイエ、南にヴァンデが隣接する。コミューン面積は2,282haで、人口約4,576人(2023年)とマルヌ県南西部最大の都市でもある。ブドウ畑はコミューン北側と南側の両方に広がり、南〜南東向きの緩斜面がヴァンデの畑と連続して続く。

土壌はコート・デ・ブランの地質的延長にあたる白亜・泥灰土・粘土・砂・石灰岩の混合層で構成される。コート・デ・ブランとの決定的な違いはシレックス(燧石・フリント)の混在で、これが熱を蓄え日射を反射することでブドウの成熟を助け、ワインに燻製・火打石的なミネラル複雑さをもたらす。歴史的には近隣のタリュ=サン=プリ(Talus-Saint-Prix)産のフリントが製粉用石臼として採掘された記録が残っており、この地域の地質がいかに特徴的かを物語る。気候はコート・デ・ブランよりも大陸性が強く、年平均気温約10℃・年間降水量630〜750mmの環境が南向き〜南東向きの緩斜面と組み合わさり、果実に充分な熟度をもたらす。総栽培面積207.10haのうちシャルドネが145.50haと約70%を占め、残りをピノ・ノワール(29.70ha)とピノ・ムニエ(31.90ha)が分け合う。セザネ地区12村の中でもピノ・ムニエの構成比がとりわけ高い村として知られ、ブラン・ド・ブランの村というイメージとは異なる多様な顔も持つ。

セザンヌを代表するグロワーのひとりがPierre Pinard(レコルタン・マニピュラン)である。14haのブドウ畑でシャルドネ80%・ピノ・ノワール20%を栽培し、ヴィニュロン・アンデパンダンに加盟する自立した生産者として地区内外から注目される。ヴィンテージ・キュヴェ「シテ・デ・メイユ(Cité des Mails)」はシャルドネ60%・ピノ・ノワール40%で構成され、セザンヌのテロワールを正直に反映したスタイルが評価されている。最上位キュヴェ「フュ・ド・シェーヌ(Fût de Chêne)」は樽醸造でピノ・ノワール70%・シャルドネ30%というユニークな比率を採用し、このコミューンにおける黒ブドウの可能性を示す一本として知られる。

もうひとりの注目生産者がMaurice Dugay(レコルタン・マニピュラン)で、「コント・ド・モンギブロー(Comte de Montgivroux)」ブランドの下でもシャンパーニュを展開する。通常キュヴェをMaurice Dugay名義で、ヴィンテージ品をコント・ド・モンギブロー名義でリリースするスタイルが特徴で、ひとつの蔵から二つのブランドでセザンヌのテロワールを伝える個性的な生産者である。

歴史的にセザンヌは中世起源の旧市街を持つ小都市で、サン・ドニ教会・市場のホール・日時計・木陰の並木道(mails)・城壁遺跡など10世紀にわたる歴史的遺産が市内各所に残る。「プティット・シテ・ド・カラクテール(Petites Cités de Caractère)」の認定と「Village étape(旅人の立ち寄り宿場町)」の指定を受け、シャンパーニュ産地の南玄関として観光・文化の両面で地域振興に取り組む。マルヌ県のアロンディスマン・デペルネ(Arrondissement d'Épernay)に属し、カントン名は「セザンヌ=ブリエ・エ・シャンパーニュ(Sézanne-Brie et Champagne)」。長らくコート・デ・ブランなど格上地区の陰に置かれていたが、グロワーシャンパーニュの台頭とともにセザネ地区全体の評価が急上昇し、「隠れた逸品」として国際的な再発見が着実に進んでいる。

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「Sézanne」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報