Broyes / ブロイエ

ブロイエは、コート・ド・セザンヌの丘の上に立つオートル・クリュの村。総面積140haを超える畑の6割以上をシャルドネが占め、南東向きの斜面が生む豊かな熟度と石灰質土壌のミネラルが溶け合う、個性豊かなブラン・ド・ブランの産地として知られる。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Épernay
郵便番号 : 51120
面積 : 15.24 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Sézanne, Péas, Allemant, Lachy, Mondement-Montgivroux, La Villeneuve-lès-Charleville,

「Broyes」のぶどう畑

テロワールCôte de Sézanne
格付け blanc:87%,noir:85% Autre Cru [?]
栽培面積140.1 ha
- Chardonnay89.8 ha (64.1%)
- Pinot Noir30.4 ha (21.7%)
- Pinot Meunier19.8 ha (14.1%)
- その他0.1 ha (0.1%)

特徴

主品種はシャルドネで、全体の約64%を占める。コート・デ・ブランのシャルドネと同じ白亜質土壌から生まれながら、南東斜面の豊富な日照が果実に厚みを与え、グラン・クリュ村のような研ぎ澄まされた緊張感よりも、クリーミーで丸みのある口当たりが前面に出る。柑橘系のノートとミネラルの余韻がきれいに続き、リッチでありながらだれない輪郭を持つ。 このスタイルは、シャルドネ100%のブラン・ド・ブランに最もよく表れる。キレのある酸と重なる豊潤さは、魚介のクリーム系料理やソフトチーズと相性がよく、アペリティフよりも食中に映えるシャンパンを求める飲み手に向いている。

テロワール

ブロイエの畑は村の南西側と東側に帯状に広がり、緩やかな南東向きの斜面に集中する。標高約230mの石灰岩台地の上に位置し、コート・デ・ブランの延長上にあたるセザンヌエリアの一角を担う。コート・デ・ブランの本体とはサン・ゴン湿地帯を挟んで隔てられているが、土壌の骨格は同じ白亜質(チョーク)で、粘土・砂・チュフが混在する石灰質の地盤が水はけと養分保持を両立させている。 気候は穏やかな海洋性で、夏は涼しく乾燥しすぎない。年間降水量は近年700mmを下回る傾向にあり、北部のグラン・クリュ村と比べるとやや乾燥寄りだ。台地上のため風が強く、病害リスクを自然に抑えるぶん、収穫期の天候管理が重要になる。南東向き斜面は生育期を通じた日照時間を長く確保し、コート・デ・ブランの北端・中部村と比べてブドウがより完熟しやすい環境を生む。エシェル・デ・クリュはシャルドネ87%・黒ブドウ85%と、シャルドネがわずかに高く評価されているが、これはセザンヌエリア12村に共通する格付け構造だ。高台と南東向き斜面の組み合わせがブドウに与える完熟ポテンシャルこそが、このテロワール最大の個性を支えている。

詳細

ブロイエはマルヌ県南部、セザンヌの市街地から北東へ約4.7kmに位置するコート・ド・セザンヌの小村だ。コミューン面積15.24 km2、人口約340人(2023年)と規模は小さいが、登録栽培面積は140haを超え、74軒の生産者が畑を持つ。北にモンドゥモン=モンジヴルー、東にアルマン、西にペアが接し、丘の上という地形からも分かるとおり、平坦な農地が広がるマルヌ川流域とは対照的に、やや標高の高い台地上に村が成立している。セザンヌの名が付くエリアとしてまとめられることも多いが、行政上はカントン・ド・セザンヌ=ブリエ=エ=シャンパーニュに属する独立したコミューンだ。

テロワールの根幹は、コート・デ・ブランと共通する白亜質の地盤にある。チョークの上に粘土・砂・チュフが薄く重なる複合的な土壌構造が、排水性と適度な保水力を同時に確保する。コート・デ・ブランの本体とはサン・ゴン湿地帯を隔てているが、地質的な連続性は保たれており、シャルドネがここでも支配的品種となっている根拠の一つだ。標高230mの台地は風通しが良く、湿気がこもりにくいぶん、ピノ・ノワールピノ・ムニエよりもシャルドネの栽培に有利な自然条件を整えている。

ブロイエを代表する生産者として国際的に注目を集めるのがオリヴィエ・コラン(Olivier Collin)だ。所有面積は7haで、シャルドネ60%・ピノ・ノワール35%・ムニエ5%という構成。フラッグシップの「キュヴェ・セリア(Cuvée Célia)」はシャルドネ44%・ムニエ37%・ピノ・ノワール19%のアッサンブラージュで、コート・ド・セザンヌのグロワーとしてこの村の存在を世界の愛好家に伝えてきた。

もう一軒、村の農家シャンパンの歴史を体現するのがイヴ・ヤコプ(Yves Jacopé)だ。1960年代から栽培を始め、1980年代に自社元詰めへと転じた家族経営の蔵で、現在は3代目エルヴェと4代目マリオンが運営する。6haに満たない畑ではシャルドネとピノ・ノワールのみを育て、その組み合わせから「プレスティージュ・ブラン・ド・ブラン」を含む少量生産のキュヴェを手がける。地元セザンヌエリアの生産者グループ「Secraie」のメンバーとしてもこの地域の魅力を発信し続けている。

村の名は813年の記録に「Brias」として登場し、ガリア語の「Briga(高地・要塞)」に由来するとされる。台地の上に村が置かれた地形そのものを反映した地名だ。1580年の宗教戦争(ユグノー戦争)では、プロテスタント軍による村・城・教会の焼き払いという打撃を受け、17世紀に入るとバルバン家の男爵領として復興を遂げた。1834年には落雷火災により教会と家屋29棟が失われるなど、幾度もの受難を経てきた歴史を持つ。19世紀末から20世紀初頭にかけてはフィロキセラの猛威が畑を壊滅させたが、耐性台木の導入で葡萄栽培を復活させ、シャンパーニュAOCの一員として現在に至っている。

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「Broyes」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報