Vauciennes / ヴォシエンヌ

ヴォシエンヌはヴァレ・ド・ラ・マルヌ・リヴ・ゴーシュ(マルヌ川左岸)に広がるオートル・クリュの村。総面積の半分以上をピノ・ムニエが占め、エペルネの西わずか10kmという好立地から、マルヌ川流域の豊かな微気候を活かした果実感豊かなシャンパンが生まれる。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Épernay
郵便番号 : 51480
面積 : 5.08 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Épernay, Mardeuil, Damery, Boursault,

「Vauciennes」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Vallée de la Marne Rive Gauche
格付け86% Autre Cru [?]
栽培面積109 ha
- Chardonnay27.9 ha (25.6%)
- Pinot Noir20.9 ha (19.2%)
- Pinot Meunier59.3 ha (54.4%)
- その他0.9 ha (0.8%)

特徴

ピノ・ムニエが全体の約55%を占め、ヴァレ・ド・ラ・マルヌのなかでも特に左岸らしい柔らかさと早熟性が際立つ。北向き斜面で育ったムニエは赤い果実とほんのりしたスパイスを帯び、ノンヴィンテージのブレンドに溶けやすい丸みを提供する。一方、砂岩区画「レ・グレ」のピノ・ノワールはやや骨格があり、粘土石灰岩のシャルドネは繊細な酸を加える。同じ北向き斜面でも区画ごとに表情が変わるため、グロワーが個性を競いやすい土地で、地元の造り手が手がけるムニエ100%のヴィンテージ・キュヴェはこの村の多様なテロワールを端的に示す。

テロワール

ヴォシエンヌはエペルネの西約10kmに位置し、マルドゥイユ、ダムリー、ブルソーと隣接する。畑は主に北向きの緩やかな斜面に展開し、直射日光が抑えられることでブドウがゆっくりと成熟し、果実の凝縮感が増す。標高は67mから247mと変化に富み、同じ左岸地区でもエペルネ周辺の平坦な区画とは異なる複雑な地形を持つ。 土壌は区画ごとに多様で、斜面中腹には粘土石灰岩(アルジロ・カルケール)が広がり、「レ・グレ」と呼ばれる区画では石灰質砂岩(グレ)が顔を出す。斜面下部から平地にかけては砂質粘土石灰岩が分布し、「レンクロ」と呼ばれる区画ではマール(泥灰岩)と粘土石灰岩が混在する。こうした土壌の多様性が、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの三品種それぞれに異なる個性を与え、単一区画キュヴェに向いた複数のテロワールを村内に生み出している。

詳細

ヴォシエンヌはマルヌ川左岸(南岸)の丘陵に抱かれた村で、エペルネの北西約10kmに位置する。行政上はエペルネ郡のペイザージュ・ド・ラ・シャンパーニュ共同体に属し、コミューン全体の面積は約508ha。主集落はスロープ上部に置かれ、北部のD3街道沿いのハムレット「ラ・ショセ・ド・ダムリー」をはじめ、ラ・バール、ル・カモワ、ラ・シャポット、レ・リモンといった小集落が点在する。GR14ハイキングルートがコミューンを縦断し、12世紀建立とされるサン=レジェ教会を周回するルートとして地域のランドマークにもなっている。

村の名は980年の文書に「Velcianæ」として初めて登場し、以後「Vouciennes」(1222年)、「Vauciennes」(1685年)と変遷してきた。シャンパーニュの村々のなかでも比較的早い時期から記録に現れる村で、歴史的にもマルヌ川流域の農業地帯の一角を担ってきた。

栽培面積109haのうちピノ・ムニエが約60haを占め、その比率(約55%)はヴァレ・ド・ラ・マルヌ・リヴ・ゴーシュのなかでも際立って高い。畑は北向き斜面が中心で、粘土石灰岩・石灰質砂岩・砂質粘土石灰岩・マール混合土壌と、区画ごとに異なる土層が重なる。この地質の多様性が希少品種の栽培を可能にしており、アルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・ブランといったシャンパーニュの古来品種が今も一部の生産者によって維持されている。

村を代表する生産者のひとりがCastelgerで、ヴィニュロン・アンデパンダン加盟のレコルタン・マニピュランとして約9haを管理する(ピノ・ムニエ45%・シャルドネ45%・ピノ・ノワール10%)。ブラン・ド・ブランのほか、ムニエ100%のヴィンテージ・キュヴェ「キュヴェ・ガブリエル」を手がけ、ヴォシエンヌのムニエが単一キュヴェとして独立した個性を持てることを示している。

もう一軒の注目生産者であるLiébart-Régnierは7代続く家族経営のレコルタン・マニピュランで、マルヌ川両岸にまたがる計11haを管理する(ヴォシエンヌ左岸+バズリュー・スー・シャティヨン右岸)。2023年に有機農業認証を取得し、ヴォシエンヌの複数の単一区画からキュヴェをリリースしている。シャルドネ100%の「ブラン・ド・ブランシュ」、ピノ・ノワール70%の「エクセリア」、砂岩区画「レ・グレ」のピノ・ノワール100%「ルビー・デ・グレ」、そして「レンクロ」からプティ・メリエ100%のキュヴェなど、村の多彩な土壌をそれぞれ独立したキュヴェで表現する。アルバンヌ・プティ・メリエ・ピノ・ブランの希少品種を栽培する数少ない造り手でもある。

  • Castelger(レコルタン・マニピュラン):約9haを管理。ヴィニュロン・アンデパンダン加盟。ブラン・ド・ブランとムニエ100%の「キュヴェ・ガブリエル」(ヴィンテージ)を軸にラインアップを展開する。
  • Legras-Batonnet(レコルタン・マニピュラン):ヴォシエンヌを含むマルドゥイユ・ブルソー・ウイィの計7haを管理。ピノ・ムニエ60%・シャルドネ30%・ピノ・ノワール10%の構成で、左岸らしい柔らかいスタイルのキュヴェを手がける。
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「Vauciennes」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報