Thil / ティル

ティルは、ピノ・ムニエが栽培面積の約57%を占めるマッシフ・ド・サン・ティエリーの典型村。オートル・クリュながら、シャンパーニュ最北端の冷涼な風土が育む個性的なムニエの旨みは、飲む人を驚かせる。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Reims
郵便番号 : 51220
面積 : 2.11 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Loivre, Saint-Thierry, Courcy, Pouillon, Villers-Franqueux,

「Thil」のぶどう畑

テロワールMontagne de Reims
- Massif de Saint-Thierry
格付け87% Autre Cru [?]
栽培面積49.1 ha
- Chardonnay14.2 ha (28.9%)
- Pinot Noir7.3 ha (14.9%)
- Pinot Meunier27.6 ha (56.2%)
- その他0 ha (0%)

特徴

栽培の中心はピノ・ムニエ(約57%)で、シャルドネ(約28%)、ピノ・ノワール(約15%)が続く。この構成が生み出すシャンパンは、赤系果実のジューシーさと柔らかい酸が特徴で、飲みはじめから開いた印象を与える。コート・デ・ブランの張り詰めたミネラル感や、グランド・モンターニュの骨格とは異なり、食卓に置いたそばから会話が弾むような、気取りのない親しみやすさが持ち味だ。アペリティフや鶏料理・豚料理との相性が良く、シャンパーニュ入門の一本としても、ムニエの個性を深掘りしたいワイン愛好家にも応えてくれる。

テロワール

ティルの畑は村を囲むように広がり、西隣のプイヨンの畑と連続した一体の景観を形成している。地形はほぼ平坦で傾斜は非常に緩やか。これはモンターニュ・ド・ランスの急斜面コミューンとは対照的な地勢であり、排水よりも保水が優先される土地柄を示している。 マッシフ・ド・サン・ティエリーはシャンパーニュAOC圏内でも最北に位置するエリアで、ランスの北西方向に広がる台地状の丘陵地帯。ティルはその一角を占め、東・北東側は圏外のコミューンと接する辺縁部にある。エリア全体のピノ・ムニエ比率が54.8%に達するように、この地の土壌と気候はムニエの生育に適しており、ティルでも品種構成の57%がムニエとなっている。緩やかな地形ゆえに冷気が滞留しやすく、収穫期の温度差が果実の酸味と香りに複雑性を与える。コート・デ・ブランのような白亜質一辺倒ではなく、粘土質成分を含む土壌が厚みと丸みのあるスタイルに結びついている。

詳細

ティルはランスの北西、シャンパーニュ地方の北西端に近いマルヌ県に位置するコミューンで、総面積211 ha、人口約300人の小村。マッシフ・ド・サン・ティエリーを構成する15村のひとつであり、クールシー=エルモンヴィルとともに「コミュノーテ・ド・コミューン・デ・2・コトー」を形成している。南にはサン=ティエリー、西にはプイヨン、北西にはヴィレ=フランキューが接し、東・北東側はシャンパーニュAOC圏外のコミューンに囲まれる辺縁的な立地にある。

テロワール詳細

ブドウ畑は村周囲に広がり、プイヨンの畑と地続きで連続している。地形はほぼ平坦で傾斜は非常に緩やか。モンターニュ・ド・ランスの急斜面群とは対照的に、冷気が滞留しやすい地勢がピノ・ムニエの特性を引き出す。土壌は粘土質成分を含み、保水性が高い。この条件がムニエ優位の品種構成(約57%)を長年にわたって支えており、マッシフ・ド・サン・ティエリー全体のピノ・ムニエ比率(54.8%)とも符合する。

主要生産者

Labbé(ラベ)は1976年創業のRM(レコルタン・マニピュラン)で、ティルに7.67 haの畑を所有。ピノ・ノワール38%、ピノ・ムニエ33%、シャルドネ29%の構成で、1980年より自社ブランドでのシャンパン生産を開始した。現在は父・息子2人の3名それぞれの名義でシャンパンをリリースするという珍しいスタイルをとっており、年間約45,000本を生産している。

歴史

ティルのブドウ栽培は第一次世界大戦後に大きく衰退し、1960年頃には畑の面積が約12 haにまで縮小した。その後、品質への再評価と生産者たちの努力によって徐々に回復が進み、1989年には46 ha、1997年には47 haに達した。現在は49.10 ha(CIVC 2019年集計)と最大規模近くまで復活を遂げており、マッシフ・ド・サン・ティエリーの中でも積極的な栽培が続くコミューンのひとつとなっている。

詳細を閉じる

「Thil」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報