Villers-Franqueux / ヴィレ=フランキュー

ヴィレ=フランキューは、マッシフ・ド・サン・ティエリーの一角を担うオートル・クリュの小村。チョーク土壌が深く埋没した粘土・砂質地盤のため、霜に強いピノ・ムニエが栽培面積の83%を占める、ムニエ特化型のテロワールだ。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Reims
郵便番号 : 51220
面積 : 3.29 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Loivre, Hermonville, Thil, Pouillon,

「Villers-Franqueux」のぶどう畑

テロワールMontagne de Reims
- Massif de Saint-Thierry
格付け87% Autre Cru [?]
栽培面積13.9 ha
- Chardonnay1.3 ha (9.4%)
- Pinot Noir1.1 ha (7.9%)
- Pinot Meunier11.5 ha (82.7%)
- その他0 ha (0%)

特徴

栽培面積の83%をピノ・ムニエが占める当地のシャンパンは、チョーク土壌の産地にはない丸みとフルーティさが持ち味だ。粘土・砂質の地盤がムニエの果実感を引き出し、早飲みでも楽しめる親しみやすいスタイルを生む。シャルドネ(約9%)とピノ・ノワール(約8%)は少量ながら複雑さのアクセントとなる。食事の前菜や軽い魚料理に合わせやすく、ムニエの個性に興味を持ち始めたシャンパン探求者にとって格好の入口となる産地だ。

テロワール

ヴィレ=フランキューの畑は、モンターニュ・ド・ランスのチョーク丘陵とは地質的に大きく異なる。マッシフ・ド・サン・ティエリー一帯では、チョーク岩盤が地中深くに埋没しており、ブドウの根が到達できる表層にはシャルドネやピノ・ノワールが好む純粋なチョーク層はほぼ存在しない。代わりに、パレオセン〜エオセン期(約3,500万〜6,000万年前)に堆積した砂・粘土・泥灰土(石灰質粘土)が表層を厚く覆っている。 畑は村の南西側に広がり、南のプイヨンの区画と連続している。地形はほぼ平坦で、傾斜はごく緩やか。標高は83〜188 mの範囲にある。粘土質土壌は湿気を保持しやすく、霜リスクが高まりやすい環境を生む。この土壌の性格が、萌芽の遅い耐霜性品種であるピノ・ムニエの圧倒的な優位(83%)を後押しし、当地のテロワールを決定づけている。

詳細

ヴィレ=フランキューは、ランスの北西約15 kmに位置する人口約300人の小村で、モンターニュ・ド・ランスを構成するマッシフ・ド・サン・ティエリーエリアに属する。コミューン面積329 haのうちブドウ畑は13.90 haと小規模で、オートル・クリュ(エシェル・デ・クリュ87%)に格付けされる。南東にティル、南にプイヨン、西から北にかけてエルモンヴィルと接しており、南西の畑地はプイヨンの区画と地続きになっている。村の人口は約300人(2023年)、住民はFrancs-Villageoisと呼ばれる。

テロワール

当地のテロワールをもっとも特徴づけるのは、シャンパーニュの名産地が誇るチョーク土壌とは本質的に異なる地質構成だ。マッシフ・ド・サン・ティエリー一帯ではチョーク岩盤が深く埋没しており、ブドウの根が届く表層にはパレオセン〜エオセン期(約3,500万〜6,000万年前)に堆積した砂・粘土・泥灰土が広がる。モンターニュ・ド・ランス中心部のグラン・クリュ村が誇る白亜質土壌とは根本的に異なるこの地質構成が、当地の品種構成を大きく左右している。粘土・砂質の土壌は湿気を蓄えやすく、春先の霜リスクを高める。その環境への対応として、萌芽期が遅く耐霜性に優れるピノ・ムニエが圧倒的な主力品種(11.50 ha、約83%)となっており、シャルドネ(1.30 ha)とピノ・ノワール(1.10 ha)は補助的な役割に留まる。村の南西に広がる畑は地形がほぼ平坦で傾斜は緩やか。リュー・ディ「Le Clos Gillon」は村の南東に位置する比較的平坦な区画として知られる。標高は83〜188 mの範囲にある。

主要生産者

村に拠点を置くロシエス・ハイベルノー(Rosiez-Hyvernaud)は、RC(Récoltant-Coopérateur:レコルタン・コペラトゥール、収穫したブドウを協同組合に持ち込み醸造・瓶詰めを委託したうえで自名義でシャンパンを販売する生産者形態)として「Rosiez」名義でシャンパンを販売している。

また、隣村プイヨンに本拠を置く協同組合「Coopérative Vinicole Les Six Coteaux」もヴィレ=フランキューのブドウ栽培者を組合員に含む重要な存在だ。1951年設立の同組合は現在130名超の組合員と約154 haの畑を擁し、プイヨン・ヴィレ=フランキュー・ティル・サン=ティエリーなどの生産者が参加する。シャンパンは「Charles Heston(シャルル・エストン)」ブランドで販売され、名称は1920年代の「チャールストン」ダンスに由来する。ヴィンテージキュヴェはシャルドネを主体とし(2013年リリース例:シャルドネ70%、ムニエ26%、ピノ・ノワール4%)、ワインの22%を樽発酵させた複雑な仕上がりが特徴だ。ラタフィア(ブドウ果汁とオー・ド・ヴィを合わせた甘口リキュールワイン)もシャルドネ100%やピノ・ノワール100%で生産している。2006年よりヴィレ=フランキューのD330沿い施設で瓶詰め・出荷を行っており、2014年末からは現地での訪問販売も行っている。

歴史

ヴィレ=フランキューは小規模ながらも波乱に富んだ歴史を持つ。1842年の大火でコミューン内の家屋13棟と教会が焼失するという大きな災禍を経験した。さらに第一次世界大戦では教会をはじめ村の広範な建造物が被害を受け、戦時中の記録写真が現在も残されている。こうした歴史的な打撃を経ながらも、村は再建を繰り返してきた。ブドウ栽培においても、粘土質地盤という不利な条件をピノ・ムニエという品種選択で乗り越えてきた当地の農家たちの歩みは、このテロワールの個性と切り離せない。

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「Villers-Franqueux」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報