Nesles-la-Montagne / ネル=ラ=モンターニュ

ネル=ラ=モンターニュは、マルヌ川左岸の高台に広がるオートル・クリュの村。栽培面積約40haのうち7割近くをピノ・ムニエが占め、泥灰岩と粘土質土壌が生む豊かなアロマが特徴だ。シャルドネ・ピノ・ノワールとの区画別醸造を手がけるSimon-Legrandが村を代表する。

基本情報

地域圏(Région)Hauts-de-France
県(Département)Aisne
区(Arrondissement)Château-Thierry
郵便番号 : 02400
面積 : 17.21 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Chierry, Blesmes, Étampes-sur-Marne, Nogentel, Chézy-sur-Marne, Courboin, Montlevon, Essises, Montfaucon, Viffort,

「Nesles-la-Montagne」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Vallée de la Marne Ouest
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積40.1 ha
- Chardonnay4.4 ha (11%)
- Pinot Noir7.7 ha (19.2%)
- Pinot Meunier28 ha (69.8%)
- その他0 ha (0%)

特徴

栽培の約70%を占めるピノ・ムニエが、泥灰岩由来の豊かなミネラルと保温性の高い土壌を背景に、やわらかくアロマティックなスタイルのシャンパンを生む。白い花や熟した果実のニュアンスが前面に出やすく、酸味は穏やかで全体的に丸みのある飲み口が特徴だ。Simon-Legrandはシャルドネ・ピノ・ムニエ・ピノ・ノワールを各3分の1ずつ使ったキュヴェ「EterNesles」を手がけており、3品種の個性が一体になった複雑さを楽しみたい飲み手に向いている。

テロワール

ネル=ラ=モンターニュはヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエスト地区に属し、マルヌ川の左岸(南側)の高地に位置する。標高は最低72mから最高233mと幅があり、ブドウ畑は村の北部にまとまって分布し、隣接するエタンプ=シュル=マルヌの畑と連続している。斜面は主に西から南西向きで傾斜は緩やか、一部の区画は真南を向く。年間日照時間は約1,611時間で、シャンパーニュ全域のなかでも日照が限られる環境にある。 土壌は泥灰岩(marles)の上にシルト質粘土(limoneux-argileux)が重なる構成で、保水性と保温性に優れる。このタイプの土壌はマルヌ渓谷左岸に典型的で、冷涼な気候下でもブドウが熟度を保ちやすくする働きをもつ。右岸の礫質テラス土壌とは異なり、重みのある質感と柔らかな果実味を促す点がこの地ならではの個性につながっている。

詳細

ネル=ラ=モンターニュは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ西部のヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエスト地区に位置するオートル・クリュの村だ。マルヌ川を挟んで北岸の都市シャトー=ティエリの対岸、南側の高台に広がり、村内からはマルヌ渓谷の広大な眺望を一望できる。北にエタンプ=シュル=マルヌ、北東にシエリ、東にブレーム、西にノージャンテル、南西にシェジ=シュル=マルヌが隣接する。コミューン面積は17.21 km²、人口約1,200人ほどの小村で、村はブドウ畑と森に囲まれた静かな農村景観を保っている。

テロワール

ブドウ畑は村の北部に一区画としてまとまり、エタンプ=シュル=マルヌの畑と連続した一体のテロワールを形成している。斜面は主に西から南西向きで、傾斜は緩やか。一部の区画は真南を向き、日射量を最大限に確保する配置になっている。標高は約150m前後で、マルヌ渓谷のなかでは高台に属する。年間日照時間は約1,611時間で、フランス平均(1,900時間)を大きく下回る冷涼な環境だ。

土壌は泥灰岩(marles)の上にシルト質粘土(limoneux-argileux)が重なる二層構成。この組み合わせは保水性と保温性に優れており、気温が上がりにくい西向き斜面であっても、ブドウが安定した熟度に達しやすい環境をつくる。総栽培面積約40haのうち、ピノ・ムニエが約28haと圧倒的な主役を占め、次いでピノ・ノワールが約7.7ha、シャルドネが約4.4haと続く。エシェル・デ・クリュは白黒ともに80%で、エシェル・デ・クリュとしては下位の数値だが、その分ムニエ主体のレコルタンが磨いてきたテロワールの個性がある。

Simon-Legrand(シモン・ルグラン)

シモン・ルグランは当村を代表するレコルタン・マニピュラン(RM)で、ネル=ラ=モンターニュとエタンプ=シュル=マルヌを中心に合計4.5haの畑を管理する。生産スタイルの核心は「区画別醸造(parcellaire vinification)」で、各区画のブドウを別々に仕込み、それぞれのテロワールの個性を引き出す手法をとる。伝統的な木製プレス機を現役で使用しており、機械的な効率よりも質を優先した姿勢が反映されている。農法面ではビオ転換とHVE(高環境価値)認定を取得しており、ヴィティフォレスタリー(農林複合)やウエッサン島の羊を活用した草地管理(エコパチュラージュ)なども実践している。

代表キュヴェ「EterNesles」はシャルドネ・ピノ・ムニエ・ピノ・ノワールを各3分の1ずつブレンドした構成で、ネル=ラ=モンターニュが持つ3品種のポテンシャルを一本に凝縮した作品だ。ムニエの豊かな果実感にシャルドネの繊細さ、ピノ・ノワールの骨格が重なり、単一品種では出せないバランスを表現する。

歴史

ネル=ラ=モンターニュでシャンパーニュ生産が始まった契機は、1913年にさかのぼる。Ernest Simon(1885年生まれ)が農業複合経営の傍らブドウを植えたのが最初で、当初は酪農・畜産が主体でブドウ栽培は副業にすぎなかった。1942年には息子のGeorgesが「le Chaufour」区画へブドウを追加植栽した。収穫したブドウはノージャンテルの搾汁協同組合を経由しパイパー・エドシックに売られており、長らく自社瓶詰めは行われなかった。その後世代を重ねるなかでシャンパーニュ生産へ転換が進み、「Les Pierreries」「Les recettes」などの区画へ栽培が拡大した。1998年に初めてChampagne Simon-Legrand名義のボトルが誕生し、2000年のEARL Simon-Legrand設立をもって自社生産体制が確立した。一世紀以上をかけて農家からレコルタンへと変貌した、この村らしい歩みといえる。

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「Nesles-la-Montagne」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報