Chantemerle / シャントメルル

シャントメルルは、オートル・クリュながら栽培面積の約91%をシャルドネが占める、コート・ド・セザンヌ屈指のブラン・ド・ブラン特化村。コート・デ・ブランの著名産地とは異なるまろやかな果実感をもつシャルドネは、知る人ぞ知るセザンヌ地区の個性を体現している。その土地にしかない柔らかさを、ぜひグラスで確かめてほしい。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Épernay
郵便番号 : 51260
面積 : 8.51 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Fontaine-Denis-Nuisy, Potangis, La Celle-sous-Chantemerle, Bethon, La Forestière,

「Chantemerle」のぶどう畑

テロワールCôte de Sézanne
格付け blanc:87%,noir:85% Autre Cru [?]
栽培面積33.3 ha
- Chardonnay30.3 ha (91%)
- Pinot Noir3 ha (9%)
- Pinot Meunier0 ha (0%)
- その他0 ha (0%)

特徴

シャントメルルのシャンパンは、シャルドネ100%または主体のブラン・ド・ブランが主流。コート・デ・ブランの村々が示す緊張感のある酸と鋭いミネラルとは一線を画し、白桃や洋ナシを思わせる丸みのある果実感と、なめらかな口当たりが前面に出るのが特徴だ。石灰粘土質土壌がもたらすほんのりした厚みは、シャンパンに食事との親和性を与える。アペリティフはもちろん、クリームソースを使った魚料理や、柔らかいチーズと合わせると、このコミューンのシャルドネが持つ豊かさが際立つ。「有名産地のブラン・ド・ブランを飲んできた」という方が次に探求すべき、セザンヌ地区の隠れた個性がここにある。

テロワール

シャントメルルのブドウ畑は、コミューン内を東西に走る帯状の区域に集中し、標高98〜208mの起伏ある地形の中で緩やかな南向き斜面に広がる。土壌はセザンヌ地区に共通するチョーク(白亜)質を基調としながら、粘土質成分がやや多い石灰粘土質(argilo-calcaire)が混在する点が特徴的だ。コート・デ・ブラン北部の純白亜質土壌と比べると保水性がやや高く、これがアヴィーズやクラマンなどの急峻な産地とは異なる、シャントメルル独自のまろやかなシャルドネを生む地質的背景となっている。 気候はパリ盆地北東部気候圏に属し、年平均気温10.5°C、年間降水量745mmと冬の寒冷・日照不足が特徴。ブドウが十分に成熟するには南向き斜面の日照確保が不可欠であり、シャントメルルの畑配置はこの条件に最適化されている。旧エシェル・デ・クリュでは白ブドウ用87%・黒ブドウ用85%と白黒で格付けが分かれており、これはセザンヌ地区12村に共通するパターンで、シャルドネにより高い評価が与えられていることを示している。粘土質が加わった土壌と南向き斜面の組み合わせが、このコミューンのシャルドネに独特の果実のやわらかさと丸みをもたらしている。

詳細

シャントメルルは、フランス・シャンパーニュ地方のコート・ド・セザンヌに属するコミューン(村)で、地区の主要都市セザンヌの中心部から南南西へ約12〜13km、旧国道RN51(現RD951)沿いに位置する。総面積851haに対して住民はわずか48人(2023年)という極めて小規模な農村であり、シャンパーニュ観光ルート(Route touristique du champagne)上の村のひとつでもある。

近隣のシャンパーニュAOC内コミューンとの位置関係を見ると、東側にはラ・セル=ス=シャントメルルが、西側にはベトンが接し、北側はフォンテーヌ=ドニ=ニュイジーが位置する。これらの村々もすべてセザンヌ地区に属するオートル・クリュ村であり、シャントメルルはその中でも特にシャルドネへの特化度が高い村として知られている。

ブドウ畑はコミューン内を東西に走る帯状区域に集中し、標高98〜208mの幅広い高低差の中で主に緩やかな南向き斜面に広がる。土壌はチョーク(白亜)質を基調としながら、粘土質成分が加わった石灰粘土質(argilo-calcaire)が混在する。この土壌組成は、より純粋な白亜質土壌で知られるコート・デ・ブラン北部の村々(アヴィーズ、クラマンなど)とシャントメルルを明確に差別化するポイントであり、シャルドネにまろやかさと果実の丸みを与える要因とされている。総栽培面積33.30haのうち、シャルドネが30.30ha(約91%)を占め、残り3.00haをピノ・ノワールが担う。ピノ・ムニエの栽培はない。

主要生産者として、地区内に畑を持つ大手メゾンビルカール・サルモンがシャントメルル内にも一部畑を所有しており、コミューンのシャルドネがメゾンキュヴェのブレンド素材として活用されている。また、ヘッダ掲載の生産者としてネレ・ヴェリィもこの地区に関わりを持つ。

  • Jean-Paul Pachot:RC(Récoltant-coopérateur=協同組合に原料を供出しながら自名義でシャンパーニュを販売する栽培農家)として活動するコミューン内の生産者。
  • Seguin:同じくRC業態で活動するグロワー生産者。

村の歴史は古く、文献上の初出は1062〜1080年ごろの「Cantumerula」にまで遡る。その後「Cantumella」(1128年)、「Chantemerle」(約1222年)と表記を変えながら記録に残っており、村名の語源は農民・林業者の言葉で「土地境界を示すために地上1.5mで切り落とされた木」を意味する古語に由来するとされる。

1180年にはアウグスティノ会の修道院「サン=スラン修道院(Abbaye Saint-Serein de Chantemerle)」が創設されたが、1683年にトロワの「サン=ルー修道院」と統合され現在は跡形もない。中世にはシャンパーニュ伯爵領の所領のひとつに数えられ、1328年に没したフランス王シャルル4世の未亡人ジャンヌ・デヴルー(Jeanne d'Évreux)に恩給領として与えられた歴史を持つ。

現在も村の広場には洗い場(Lavoir)が残り、コミュナル池「ラ・カンテーヌ池(Étang communal de la Quintaine)」も存在する。村内のサン=スラン教会(Église Saint-Serein)は南北方向に建つ珍しい向きの教会で、19世紀製の聖母子木像を所蔵し、フランス歴史的建造物(Monument historique)に指定されている。こうした歴史的・文化的な蓄積が、小さな村シャントメルルに独特の奥行きを与えている。

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「Chantemerle」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報