Voigny / ヴォワニー

ヴォワニーは、コート・デ・バールのバール・シュル・オウボワ地区に属するオートル・クリュの村。総栽培面積103haのうち約70%をピノ・ノワールが占め、南向き斜面から骨格のある赤い果実のシャンパンを生み出す。1911年の歴史的なヴィニュロンの暴動舞台としても知られる個性派テロワールだ。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Aube
区(Arrondissement)Bar-sur-Aube
郵便番号 : 10200
面積 : 7.09 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Bar-sur-Aube, Bayel, Lignol-le-Château, Arrentières, Colombé-le-Sec, Colombé-la-Fosse,

「Voigny」のぶどう畑

テロワールCôte des Bar
- Bar-sur-Aubois
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積103.4 ha
- Chardonnay11.4 ha (11%)
- Pinot Noir72.2 ha (69.8%)
- Pinot Meunier19 ha (18.4%)
- その他0.8 ha (0.8%)

特徴

ヴォワニーのシャンパンは、南向き斜面で熟したピノ・ノワール主体の果実感が軸となる。赤いベリーの風味に骨格のある酸が重なり、コート・デ・バールらしい厚みと輪郭を持つスタイルだ。 ベルナール・ロベールが手がける「ル・レヴォルト・デ・ヴィニュロン」は樽醗酵の100%ピノ・ノワール・ヴィンテージで、1911年の暴動の記憶を宿したような力強い個性を持つ。単一畑「ル・トレジオ」の100%シャルドネ・ヴィンテージは、ピノ・ノワール主体の村にあって際立つ白ブドウのポテンシャルを示す一本。骨格のある赤ワイン的な印象を好む飲み手や、シャンパーニュに物語性を求める人に響くテロワールだ。

テロワール

ヴォワニーのブドウ畑は、アランティエール、コロンベ=ラ=フォセ、コロンベ=ル=セックとの境界をなす森の丘の南側斜面に広がる。標高172〜319m(平均200m)という高低差のある地形で、大部分が南向きに傾斜し、日照を最大限に受ける配置となっている。オーブ川右岸から約3km内陸に位置し、河川の影響を直接受けない丘陵地特有の環境が維持される。 土壌はコート・デ・バール全体に共通するキンメリッジ質石灰岩を基盤とするが、ヴォワニーの畑は南向き傾斜地に絞り込まれた区域に集中しており、単一畑「ル・トレジオ」は村西側に接する南向き区画でシャルドネの生育に適した小気候を形成している。 ピノ・ノワール(72.2ha)、ピノ・ムニエ(19.0ha)、シャルドネ(11.4ha)という品種構成が示すとおり、この地の土壌と気候はとりわけ黒ブドウの充実した成熟を支え、果皮由来の構造と果実感を最大限に引き出す条件が整っている。

詳細

ヴォワニーは、バール=シュル=オーブの西隣に位置するコート・デ・バールの小村で、バール・シュル・オウボワ地区の南東部にあたる。コミューン面積は7.09 km²、2022年時点の人口は141人と小規模だが、103haという比較的まとまった栽培面積を持ち、58軒の生産者が葡萄栽培に携わる農業色の強いコミューンである。北北東にコロンベ=ラ=フォセ、北東にコロンベ=ル=セック、南東にリニョル=ル=シャトー、北北西にアランティエール、東にBayelが隣接する。水文上はフォッセ・デュ・ヴァル=ダルデンヌと呼ばれる水路によって排水され、バイエルでオーブ川に合流する。

ブドウ畑は、北側の森の丘から南へ延びる斜面に集中しており、その傾斜が南向きの日照を確保する主要因となっている。土壌はコート・デ・バールに広がるキンメリッジ質石灰岩を基盤とし、シャブリと同系統の地層構造を持つ。この石灰質土壌は保水と水はけのバランスに優れ、特に乾燥が続く年でもブドウが水分ストレスを受けにくい環境を作り出す。単一畑「ル・トレジオ」は村の西端に接する区画で、シャルドネの生育に適した特性が集約された場所として知られる。1997年から2013年にかけて畑面積が77haから103haへと拡大した背景にも、この斜面の適性が評価された経緯がある。

ヴォワニーで最も注目すべき生産者はベルナール・ロベール(ネゴシアン・マニピュラン)である。バール=シュル=オーブを本拠に、ヴォワニーをはじめ周辺6村に約30haのブドウ畑を保有する。代表キュヴェ「ル・トレジオ」は単一畑のシャルドネ100%ヴィンテージで、この村の白ブドウポテンシャルを純粋に表現した一本だ。「ル・レヴォルト・デ・ヴィニュロン」は100%ピノ・ノワールを樽で醸造したヴィンテージ・キュヴェで、名称は1911年のシャンパーニュ暴動に由来する。「コレクション」は100%ピノ・ノワールのマグナムサイズ限定品で、伝統的な紐締めコルクを採用した個性的なキュヴェである。

  • Bruno Bertrand(レコルタン・マニピュラン):ヴォワニーを代表するRMのひとつ。2001年から2014年まで村長を務めた人物でもあり、地域との結びつきが深い生産者である。
  • Jean-Claude Moniot(レコルタン・マニピュラン):5haの畑を持ち、ピノ・ノワール75%・シャルドネ20%・ピノ・ムニエ5%という構成でヴォワニーの品種比率を忠実に反映したラインナップを手がける。

ヴォワニーの歴史は中世まで遡る。1147年のクレルヴォー修道院の台帳に「Vegniacum」として記録されており、修道院経済の時代から葡萄栽培が行われてきたことが示されている。この村を語るうえで外せない出来事が、1911年のシャンパーニュ暴動(La révolte des vignerons)である。当時、コート・デ・バールの生産者たちはシャンパーニュ・アペラシオンからの排除に抗議して大規模な蜂起を起こし、ヴォワニーもその舞台のひとつとなった。葡萄栽培者にとっての死活問題であったこの暴動は、やがてコート・デ・バール全体のアペラシオン正式認定への道を開くことになる歴史的な転換点でもあった。当時の絵はがきにヴォワニーの名が刻まれており、その記憶は今もベルナール・ロベールのキュヴェ名として生き続けている。過去の村長の多くが葡萄栽培者であったという事実もまた、ヴォワニーが一貫してワイン生産を軸に生きてきたコミューンであることを物語っている。

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「Voigny」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報