Courtagnon / クルターニョン

クルターニョンは、モンターニュ・ド・ランスの山頂部に広がるオートル・クリュの小村。ヴァレ・ド・ラルドルに属し、全栽培面積の約7割をピノ・ムニエが占めるムニエ優位のテロワールだ。唯一の生産者がオーガニック栽培で醸す樽熟成シャンパンに静かな注目が集まる。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Reims
郵便番号 : 51480
面積 : 3.95 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Nanteuil-la-Forêt, Chamery, Sermiers,

「Courtagnon」のぶどう畑

テロワールMontagne de Reims
- Vallée de l'Ardre
格付け82% Autre Cru [?]
栽培面積10.3 ha
- Chardonnay1.5 ha (14.6%)
- Pinot Noir1.6 ha (15.5%)
- Pinot Meunier7.2 ha (69.9%)
- その他0 ha (0%)

特徴

栽培の主役はピノ・ムニエで、その比率の高さがそのままシャンパンのキャラクターに直結する。ムニエ由来の丸みのある果実感と、早くから楽しめる親しみやすいテクスチャーがこの村のスタイルの核にある。 一方、唯一の生産者であるLutunはオーク樽醗酵によるシャルドネ単一の白ブランを手がけており、ピノ・ムニエ一辺倒とは異なる複雑さも体験できる。オーガニック栽培を採用した自然志向の生産スタイルと、樽のもたらすテクスチャーの厚みは、食事との相性を重視する飲み手にとって発見の多い選択肢となる。

テロワール

クルターニョンの畑は、コミューン北部のグロモン(Grosmont)と呼ばれる丘の斜面に集中し、アルドル渓谷へと向かう穏やかな南向きの傾斜地に広がる。標高は156〜263 mと変化に富み、山頂のプラトーに近い高所に位置するのが大きな特徴だ。モンターニュ・ド・ランス山塊の上にありながら渓谷を見下ろすという独特の地形は、純粋な谷底のコミューンとも南斜面の稜線沿いの村とも異なる微気候をもたらす。 地区分類はプティット・モンターニュ・ド・ランスの西端域にあたり、隣接するシャムリープルミエ・クリュ)が持つ格付けとは一線を画すオートル・クリュの位置に収まる。総栽培面積は10.30 haと小規模で、ピノ・ムニエが7.20 haと全体の約7割を占め、ピノ・ノワール1.60 ha、シャルドネ1.50 haと続く。丘の上部に広がる粘土質の土壌はムニエの特性に適しており、果実の豊かさと適度な骨格を引き出す。

詳細

クルターニョンはモンターニュ・ド・ランスの山塊上部に位置し、ヴァレ・ド・ラルドルの最上流域にあたる小村だ。行政上はマルヌ県グラン・テスト地域圏、ランス郡に属し、エペルネから17 km、ランスから21 kmの距離にある。アルドル川はサン=イモジュに源を発し、39 kmを下ってフィスムでヴェスル川に合流するが、クルターニョンはその川沿いの谷底ではなく、山塊頂部の台地近くに立地している点が地理的な特徴だ。モンターニュ・ド・ランス自然地域公園の域内に含まれ、2022年時点の人口は74人と、シャンパーニュ地方でも際立って小さなコミューンのひとつだ。

コミューン面積は395 haで、ブドウ畑はその北部のグロモン(Grosmont、標高260 m超)の斜面に集中し、アルドル渓谷に向かって南に傾斜する。南側低地のグロ・アコ(Gros Accot)は標高202 m前後だが、谷底ではなく山頂プラトーの縁部に近いこの立地は「プティット・モンターニュ・ド・ランスの上に位置する渓谷」という特異な地形をなす。北隣のシャムリープルミエ・クリュの格付けを持ち、東隣のセルミエや南西のナンテュイユ=ラ=フォレとともに西端の農村景観を形成しているが、クルターニョン自身はエシェル・デ・クリュ82%のオートル・クリュに留まる。総栽培面積は10.30 haで、登録生産者数はわずか1軒という極めて小さなスケールの産地だ。

主要生産者

クルターニョンに登録された生産者は現在1軒のみで、それがシャンパーニュ・ルートン(Champagne Lutun)だ。6 haの自社畑を持つRCで、畑の大半がこの村を代表するピノ・ムニエだ。2009年よりオーガニック栽培へ転換し、化学農薬や化学肥料に頼らない畑仕事を一貫して実践している。 ラインナップの中心はピノ・ムニエ主体のノン・ヴィンテージと、年ごとの出来栄えを切り取るヴィンテージ・シャンパーニュだ。なかでも特筆すべきは代表キュヴェ「フルール・ド・ボワ(Fleur de Bois)」で、シャルドネを100%使用し、オーク樽で醗酵させたブラン・ド・ブランのノン・ヴィンテージだ。ピノ・ムニエが卓越するこの土地であえて白ブドウを樽熟成させる選択は、生産者の明確な意志を示すものといえる。果実の豊かさに樽由来のテクスチャーが重なるこのスタイルは、食卓に寄り添う1本を求める飲み手に向けたものであり、軽やかなアペリティフシャンパンとは一線を画す深みを持つ。

歴史

クルターニョンにはかつて城館(シャトー)が存在したが現在は失われ、村内には廃墟となった風車跡と、自然公園のコンセルヴァトワール(保存施設)に転用された教会が遺構として残る。歴史的な記録では「貧しい村」と分類されており、当時の司祭の収入は基準以下(non excedit)と記されていたという。農業を中心とした小さな共同体として長い歴史をたどってきたが、ブドウ栽培においても個人生産者が極めて少数にとどまることが、現代もその規模の小ささに反映されている。 人口は1793年の136人をピークに長期的な減少をたどり、1954年には19人にまで落ち込んだ。その後、緩やかな回復を経て2023年時点では77人を数える。1921年5月30日には、第一次世界大戦の功績により村として戦功十字章(Croix de guerre 1914-1918)を授与されており、小さな村ながらその歴史は決して浅くない。

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「Courtagnon」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報