Sainte-Gemme / サント=ジャンム

サント=ジャンムは、栽培面積の92%以上をピノ・ムニエが占めるヴァレ・ド・ラ・マルヌ屈指のムニエ産地。オートル・クリュ格付けながら、クリュッグのグランド・キュヴェにも欠かせない素材として知られる、マール斜面の果実豊かなシャンパーニュが生まれます。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Épernay
郵便番号 : 51700
面積 : 7.25 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Champvoisy, Goussancourt, Villers-Agron-Aiguizy, Passy-Grigny, Ronchères, Cierges,

「Sainte-Gemme」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Vallée de la Marne Rive Droite
格付け84% Autre Cru [?]
栽培面積64.6 ha
- Chardonnay2.2 ha (3.4%)
- Pinot Noir3 ha (4.6%)
- Pinot Meunier59.4 ha (92%)
- その他0 ha (0%)

特徴

栽培の9割以上をピノ・ムニエが占め、ムニエの個性をストレートに引き出せる村です。マールと石灰岩・砂が混在する区画からは赤系フルーツや柑橘、エキゾチックフルーツが混ざり合う新鮮なスタイルが、マール単体の区画からはよりリッチで凝縮感のある味わいが生まれます。暑いヴィンテージほど果実の集中度が増す傾向があり、クリュッグがこの南向き斜面のムニエをグランド・キュヴェのブレンドに継続して採用していることが産地の実力を物語っています。シャルドネやピノ・ノワールもフルボディ寄りの果実味を示し、ブレンドに奥行きを加える素材として機能します。

テロワール

サント=ジャンムの畑はマルヌ川に直接面さず、支流セモワーニュ川の上流域に形成された谷の斜面に広がっています。ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・リヴ・ドロワのサブ地区「ヴァレ・ド・ラ・セモワーニュ」に属し、北西のシャンヴォワジーや南のパッシー=グリニーと畑が連続しています。 マルヌ川合流点から約6km上流という立地のため、谷の下流より新しい地層が優勢です。斜面は下から中期ルテシアン期の砂質〜粘土質石灰岩、オヴェルジアン期のマール(泥灰土)と砂、マリネジアン期のマール・石灰岩・緑色粘土層、最上部にリュディアン期の珪化石灰岩と段階的に重なります。土壌はほぼ100%がマール系で、マール単体(32%)・マールと石灰岩(33.6%)・マールと砂(34.4%)の3タイプに分かれます。 畑は標高115〜220mの南東向き〜南向き斜面に集中し、断層が東西に走ることで非対称な地形を形成しています。このマール主体の土壌が水分をほどよく保ちながらピノ・ムニエに豊かな果実味と骨格を与えています。

詳細

サント=ジャンムはマルヌ(Marne)県の西部、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・リヴ・ドロワに属するコミューンです。マルヌ川本流には直接面さず、支流セモワーニュ川の上流域に沿って畑と集落が広がっています。北西にシャンヴォワジー、南にパッシー=グリニーと隣接し、それぞれの畑は連続してセモワーニュ谷の斜面を覆っています。コミューン面積は725haで、標高は谷底の93mから最高点226mまで変化しますが、ブドウ畑は主に南東向きの115〜220m区間に集中しています。

地質と土壌

サント=ジャンムの地質的個性は「谷の位置」に起因します。マルヌ川との合流点から約6km上流という立地のため、谷の下流(ルーヴリニー方面)よりもルテシアン期以降の新しい地層が優勢です。斜面は下から中期ルテシアン期、オヴェルジアン期、マリネジアン期、リュディアン期と段階的に積み重なる構造になっており、ルーヴリニー斜面の上端地層がそのままサント=ジャンム斜面の下端へ接続するという地質的連続性があります。

土壌はほぼ100%がマール(泥灰土)系で、マール単体(32%)・マールと石灰岩(33.6%)・マールと砂(34.4%)という3タイプに分類されます。斜面中央を東西に走る断層の谷が地形を左右非対称に分断し、不透水粘土層ごとに湧水点が集中するという独特の水文地質を形成しています。この微地形的な変化が区画ごとの土壌タイプの違いを生み出し、凝縮感重視の区画とバランス重視の区画がひとつの村の中に混在する結果につながっています。

サント=ジャンムの栽培面積64.60haのうち、ピノ・ムニエが59.40haを占め、比率にして92%以上に達します。ヴァレ・ド・ラ・マルヌ全体でムニエが主力品種である事実を踏まえても、この集中度は際立っています。シャルドネは2.20ha、ピノ・ノワールは3.00haにとどまり、多品種ブレンドよりもムニエの個性をストレートに表現する村として機能しています。

この産地のムニエを長年調達してきた最も著名な存在がクリュッグです。クリュッグはノン・ヴィンテージ(マルチヴィンテージ)の「グランド・キュヴェ」、クリュッグ・ロゼ、クリュッグ・ヴィンテージのブレンドに、サント=ジャンム産のピノ・ムニエを全体比率の15〜25%程度として定期的に使用しています。南向きの粘土質斜面に由来するブドウは暑いヴィンテージで特に高い品質を示すとされ、クリュッグのキュヴェに果実の凝縮感と骨格を与える素材として位置づけられています。

地元生産者

村内には25の生産者が存在しますが、小規模グロワーが中心です。なかでもテロワールへの取り組みで注目されるのがFrancis Orban(レコルタン・マニピュラン)で、4代にわたってルーヴリニーからサント=ジャンムにかけての畑を管理し、ムニエ主体のシャンパーニュで知られています。Jérôme Robert(Récoltant-Coopérateur)はサント=ジャンムとパッシー=グリニーに畑を持ち、キュヴェ「Cuvée Coup de Foudre」などヴィンテージ・シャンパーニュを手がけています。Petit Père & Fils(Récoltant-Coopérateur)は約4haを所有し、「Alain Petit」名でも販売するヴィンテージ・キュヴェでシャルドネとピノ・ノワールも組み込んだブレンドを発表しています。村内にはCoopérative Vinicole l'Union(別名Coopérative Vinicole Vignon、コーペラティヴ・ド・マニピュラシオン)も所在し、地域の生産者を支えています。

歴史

「Sainte-Gemme」という村名は、西暦106年に殉教したとされるポルトガル出身の聖人に由来するという伝承に基づきます。文献上の初出は1096年で、スワソン司教がパリのサン=マルタン=デ=シャン修道院の修道士に聖壇を下賜した記録があり、12世紀初頭には教皇ウルバヌス2世の文書にも「Villa Sainte-Gemme」として言及されています。現在のコミューンは「Sainte-Gemme」と「Neuville-sous-Sainte-Gemme」の2集落の統合によって形成されました。第一次世界大戦中の第二次マルヌの戦い(1918年)では戦場となり、同年5月末にドイツ軍に占領された後、7月27日に解放されました。現在もコミューン経済はシャンパーニュ生産に特化しており、AOCシャンパーニュおよびコトー・シャンプノワの両生産地域に含まれています。

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「Sainte-Gemme」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報