Bonneil / ボネイユ

ボネイユはピノ・ムニエが栽培面積の約79%を占める、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ西部を代表するムニエの里だ。オートル・クリュ格付けながら、有機農業を実践する小規模生産者が個性的なキュヴェを生み出しており、大産地では出会えない手仕事のシャンパンを探しているなら目が離せない村である。

基本情報

地域圏(Région)Hauts-de-France
県(Département)Aisne
区(Arrondissement)Château-Thierry
郵便番号 : 02400
面積 : 2.11 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Essômes-sur-Marne, Azy-sur-Marne, Romeny-sur-Marne,

「Bonneil」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Vallée de la Marne Ouest
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積76.7 ha
- Chardonnay8.7 ha (11.3%)
- Pinot Noir7.4 ha (9.6%)
- Pinot Meunier60.5 ha (78.9%)
- その他0.1 ha (0.1%)

特徴

ボネイユのシャンパンはピノ・ムニエ主体(約79%)の果実味豊かなスタイルが基本で、赤系果実の甘やかな香りと、なめらかな口当たりが印象的だ。シャルドネは約11%、ピノ・ノワールは約10%と補完的な役割を担い、ブレンドに清潔感とほどよい骨格を加えている。 一方で村内の一部RM生産者は、あえてシャルドネ単一や高比率ブレンドのキュヴェを手がけており、同じ土地からムニエとは対照的なミネラル感と張りのあるテクスチャーが引き出せることを示している。デイリーに楽しめるフルーティーなノン・ヴィンテージから、熟成を経た複雑な限定キュヴェまで幅があり、ムニエの奥行きを掘り下げたい飲み手の好奇心を刺激する村だ。

テロワール

ボネイユはヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエストに属し、マルヌ川右岸(北側)の斜面に畑が広がる。標高は58〜201 mと起伏に富み、村の総面積211 haのうち約38%がブドウ畑として利用されている。畑の多くは南〜南東向きの緩やかな斜面に集中しており、隣村アジー=シュル=マルヌの畑と連続してアンフィテアター(円形劇場)状の地形を形成している点が地理的な特徴だ。 この地形は冷涼な北風を遮りながら日照を確保しやすく、マルヌ川沿いの温暖な空気が斜面を包む。気候は変質した海洋性気候(Köppen分類Cfb)で、年平均気温は10.6℃、年間降水量は約713 mm。降水は年間を通じて比較的均等に分布し、冬季平均気温は約3℃と穏やか。土地利用は畑38%、森林34%、耕作地16%のバランスで、森林が夏の高温を和らげる効果をもたらしている。 こうした地形・気候の条件が、果皮が薄く早熟なピノ・ムニエにとって理想的な環境を形成し、豊かな果実味と柔らかな酸が同居するスタイルを支えている。

詳細

ボネイユはシャンパーニュ最西部に位置するヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエストの一村で、マルヌ川右岸(北側)の丘陵地帯に抱かれている。アジー=シュル=マルヌの北東約1.3 km、シャトー=ティエリの南約8.5 kmに位置し、北にエソーム=シュル=マルヌ、南にロムニー=シュル=マルヌ、東南にアジー=シュル=マルヌと接する。北西の丘陵にはモン・ド・ボネイユと呼ばれるハムレットがあり、村の総面積は211 haに及ぶ。

テロワール

ブドウ畑は主に村の上部と周囲の斜面に集中し、南〜南東向きの緩やかな勾配が日照を効率よく取り込む。隣村アジー=シュル=マルヌの畑と連続して弧状のアンフィテアター地形を描いており、冷涼な北風を遮りながらマルヌ川からの温暖な空気が滞留しやすい地形的優位性がある。標高差は58〜201 mと比較的大きく、斜面の位置によって微気候が異なる。年平均気温10.6℃、年間降水量約713 mmの変質した海洋性気候のもと、76.70 haの畑にピノ・ムニエ60.50 ha(約79%)、シャルドネ8.70 ha(約11%)、ピノ・ノワール7.40 ha(約10%)が栽培されている。土地の約34%を森林が占めており、夏の過熱を抑える緩衝帯として機能している。

主要生産者

Christophe Lefèvreはボネイユを代表するRM生産者で、4.3 haの畑を有機農業(オーガニック認証)で管理している。特筆すべきはムニエが支配的なこの村でシャルドネとピノ・ノワールを積極的に前面に立てたキュヴェを展開している点だ。Sur les vignes d'Aby区画のシャルドネ100%ヴィンテージ「Cuvée Alexandrine」、3品種ブレンドをシュール・リー10年熟成させた「Cuvée Clement」、ピノ・ノワールを新樽発酵し昔ながらの紐がけ栓で仕上げる「Ancestrale」など、いずれもこの土地の多様性を示す意欲作である。

  • Marteaux Guillaume(RM)— 8品種のキュヴェを展開するグロワー。マルトー・ギィヨームの名でボネイユ産ブドウを中心に醸造する。
  • Boucant Thiery(RM)— Emmanuel Boucantが「Le Style EB」ブランドで展開。ヴィニュロン・アンデパンダン会員で7 haの畑にムニエ60%、ピノ・ノワール35%、シャルドネ5%を栽培。
  • Dominique Papelard(RM)— ボネイユのほかアジー=シュル=マルヌ、シェジー=シュル=マルヌ、ノジャンテルにも畑を持つ複数村またぎの生産者。

歴史

村名「Bonneil」はラテン語の _bonum_(良い)と _ó-ialo_(空き地)の合成とされ、834年の文書には _Bonogilum_、1122年には _Bonnel_ の形で記録される。メロヴィング朝時代には王室の別荘地(Villa royale mérovingienne)として機能し、北西の丘にはブルネヒルト女王の城があったと伝わる。616年にはクロタール王がここに高位聖職者を集め、カール・マルテルの時代にはボネイユの領地がシェジー=シュル=マルヌの修道士たちに下賜された。854年には禿頭王シャルルがマルヌの要塞を巡視中に当地に滞在、907年にはオディロンがボネイユの所領をソワソンの聖セバスチャン修道院に寄進するなど、中世を通じて各王権・修道院と深く結びついた地であった。近代では普仏戦争(1870年)のプロイセン軍による略奪、第一次世界大戦の1918年ドイツ軍攻勢での損壊という試練を経ており、現在の穏やかな畑の風景はその復興の先にある。

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