Marteaux Guillaume / マルトー・ギィヨームは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Bonneilを本拠とするRM / レコルタン・マニピュラン、いわゆる栽培醸造家の銘柄で、自社でブドウを育て、そのブドウでシャンパンを生産しています。
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目次

Marteaux Guillaume / マルトー・ギィヨーム

Marteaux Guillaume

マルトー・ギィヨーム

マルトー・ギィヨームは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ西端のボネイユ村で、円形劇場のような窪地の畑を耕す家族経営の造り手です。ピノ・ムニエを主役に、有機・ビオディナミ栽培と野生酵母による自然な醸造で、酸を軸にした長期熟成型のシャンパーニュを生み出しています。

基本情報

地区Vallée de la Marne / ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
- Vallée de la Marne Ouest / ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエスト
村02400 Bonneil / ボネイユ
所在地71 Grande Rue, 02400 Bonneil (Google Maps)
公式サイトhttps://www.champagne-mg.com/
SNS@champagnemgmarteauxguillaume
製造業者種別RM
生産者表記EARL MARTEAUX GUILLAUME

商品更新情報

特徴・スタイル

マルトー・ギィヨームの味わいの軸は、酸とピノ・ムニエです。マロラクティック発酵をあえて行わないため、果実の甘やかさよりも張りのある酸が骨格をつくり、長い熟成に耐える構造が生まれます。澱とともに4〜8年を過ごすことで、その硬さはゆっくりとほどけ、きめ細かな泡と厚みのある香りに変わっていきます。 20年以上継ぎ足してきたペルペチュエル・リザーブ(réserve perpétuelle)は、年ごとに表情の変わる収穫をつなぐ役割を担い、どのボトルにも一貫した味の芯を与えます。糖分の補いは最小限にとどめられ、畑の輪郭がそのまま残る辛口に仕上がります。

歴史・ブランドストーリー

マルトー・ギィヨームの物語は、祖父マルセル・マルトーから始まります。当初は協同組合にぶどうを出荷していた彼は、やがてシャンパーニュ用の苗木を育てる苗木業者へ転身し、義弟とともに約20年その事業を営みました。この時期に磨いた、優れた樹から穂木を選び抜くセレクション・マサル(sélection massale)の技術は、一族の財産として次の世代へ受け継がれます。 息子のジョエルと妻カトリーヌは長く協同組合に醸造を委ねていましたが、自分の手で造りたいという息子ギィヨームの志に背中を押され、1996年に自家醸造へ踏み出します。そして2003年、醸造学を修めたギィヨーム・マルトーが0.75haの畑を託され、自らの名を冠したメゾンを立ち上げました。一族の5代目にあたる彼は、23歳で醸造施設を自らの手で建て、初めてのアッサンブラージュに挑みます。 畑はやがて8haへと広がり、2018年には慣行栽培から有機栽培への転換、さらにビオディナミにも踏み込みました。3年の移行期間を経て2022年に初のオーガニック収穫を迎え、この年からエコセールの有機認証、翌年の収穫からはデメテール認証を得ています。

詳細

マルトー・ギィヨームの畑は、ヴァレ・ド・ラ・マルヌの西端、ボネイユ村に広がっています。村を取り囲む丘陵は円形劇場のような形を描き、その窪地に畑が抱かれています。標高差は120mに及び、斜面は南から南南東を向いて日照を受けとめながら、卓越風からは丘に守られる位置にあります。この地形が、マルヌ川西部の冷涼な気候のなかでぶどうがゆっくりと成熟する条件を生んでいます。ボネイユはユネスコ世界遺産に登録された地域に含まれ、丘と川がつくる景観そのものが畑の環境になっています。

土壌は粘土質シルトを基調に、粘土質石灰質、泥灰岩、粘土が入り混じります。さらに一つの斜面には砂の脈が走っており、同じ村のなかでも区画ごとに異なる表情を生む要因になっています。栽培されるのは主にピノ・ムニエで、これにピノ・ノワールとシャルドネが続きます。いずれも祖父の代から受け継いだセレクション・マサルによる樹であり、優れた株から穂木を選んで殖やす手法が、畑の遺伝的な多様性を支えています。8haの自社畑で穫れたぶどうだけを自ら醸造するレコルタン・マニピュランとして、畑から瓶詰めまでを一貫して手がけています。

2018年に始まった有機栽培への転換は、その後ビオディナミへと進みました。銅製のダイナマイザーで攪拌した調製剤500・501やマリア・トゥン式の調製、植物のデコクション、ホメオパシー、天然堆肥の施用が畑仕事の柱となり、剪定した枝は粉砕して土に還されます。加えて昆虫ホテルの設置や果樹の植栽によるアグロフォレストリーなど、畑の内側に生き物の居場所をつくる区画も設けられています。

栽培・醸造データ
自社畑面積8ha
創業時の畑面積0.75ha
畑の標高差120m
有機栽培への転換開始2018年
有機認証(エコセール AB)2022年収穫より
ビオディナミ認証(デメテール)2023年収穫より
収穫から圧搾まで4時間以内
澱とともに熟成4〜8年
ペルペチュエル・リザーブ20年以上

醸造方針

収穫されたぶどうは、4時間以内に圧搾されます。果実が持つ繊細さを失わないうちに果汁にすることを重視した判断で、輸送と待機の時間を可能な限り切り詰めています。発酵は畑に由来する野生酵母にゆだねられ、培養酵母や酵素などの投入物は加えません。亜硫酸の使用も必要最小限にとどめられ、ワインを加熱する工程も設けていません。

マロラクティック発酵は行わず、酸をそのまま残す設計です。ワインは澱とともに4〜8年を過ごし、澱由来の旨味を引き出しながらゆっくりと熟成します。ノン・ヴィンテージの各キュヴェをつなぐのは、20年以上にわたって継ぎ足されてきたペルペチュエル・リザーブです。年ごとの収穫のばらつきを吸収しながら、メゾンの味の連続性を支える存在です。瓶詰めは天候の良い日を選び、季節や月齢、気圧の変化も醸造の判断材料とされます。

容器についても試行が続いています。セシル・オークの樽は少しずつ数を増やしていますが、狙いは木の香りをつけることではなく、木材を通じた微量の酸素交換にあります。砂岩製の壺も導入され、一部のキュヴェの熟成に試験的に用いられています。醸造槽の地下を地脈(veine tellurique)が貫いているとされ、その影響を受けるタンクでは酵母が常に懸濁した状態を保つといいます。

循環への取り組みと造り手たち

ぶどう栽培と醸造から出る副産物は、余さず次の用途へ回されます。澱は蒸留や化粧品の原料、燃料として活かされ、搾油したあとのぶどうの種は化粧品用のスクラブに、収穫の余剰分はラタフィアの原料になります。加熱工程を持たない醸造も、エネルギー消費を抑える選択として同じ発想の延長線上にあります。

畑と蔵を支えるのは少人数のチームです。30年にわたって畑仕事を担う担当者、10年近くギィヨームのもとで経験を積んだ造り手、受注とコミュニケーションを受け持つ担当がそれぞれの持ち場を守り、両親のジョエルとカトリーヌも今なお手を貸しています。メゾンはヴィニュロン・アンデパンダンに加盟し、観光ラベル「ヴィニョーブル・エ・デクーヴェルト」にも登録されるなど、ボネイユを訪れる人が畑と蔵に触れられる場を開いています。

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