Moutard / ムタールは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Buxeuilを本拠とするNM / ネゴシアン・マニピュランの銘柄です。
本サイト「シャンパンが好き! - シャンパン専門サイト」は、複数の企業と提携しており、記事内・商品一覧内のリンクを経由してご購入いただいた場合、運営者に報酬が支払われることがあります。読者の方の購入金額に追加負担は生じません。 ※運営者情報・サイトポリシーはこちら

目次

Moutard / ムタール

Moutard

ムタール

ムタール(Moutard)は、オーブ県コート・デ・バールの村ビュクセイユで、シャンパーニュ地方公認7品種のうち6品種を自社畑で育てる稀有な造り手。1642年から続く一族の伝統と、希少品種まで守り継ぐこだわりが、個性豊かな味わいを生み出している。

基本情報

地区Côte des Bar / コート・デ・バール
- Barséquanais / バルセカネ
村10110 Buxeuil / ビュクセイユ
所在地Rue des Ponts, 10110 Buxeuil (Google Maps)
公式サイトhttps://www.famillemoutard.com/
SNS@famillemoutard
Tel+33 (0)3 25 38 50 73 +33 (0)3 25 38 50 76, +33 (0)3 25 38 57 72(fax)
製造業者種別NM
インポーターイオンリカー株式会社
株式会社フィラディス
株式会社アカデミー・デュ・ヴァン
生産者表記MOUTARD PÈRE ET FILS

商品更新情報

特徴・スタイル

ムタールのシャンパーニュは、ピノ・ノワールを主体としたコート・デ・バールらしい果実味豊かでボリューム感のある味わいが持ち味。畑では鍬を使う手作業「ラクロット」や天然堆肥など、化学に頼らない昔ながらの栽培を大切にしている。 仕込みの多くをブルゴーニュ産の樽で行うため、まろやかで奥行きのある口当たりに仕上がる。さらにアルバンヌやピノ・ブランなど、シャンパーニュ地方でほぼ姿を消した希少品種を使った単一品種キュヴェは、他にはない個性的な香りと味わいを楽しませてくれる。

歴史・ブランドストーリー

ムタールの物語は1642年、ビュクセイユの丘陵地でこの一族の祖先が葡萄栽培を始めたことに遡る。19世紀末にはルイ・ディリジャンが栽培を引き継ぎ、1927年にはその孫フランソワ・ディリジャンが自社畑でシャンパーニュAOC最初のヴィンテージを醸造した。 1958年、フランソワの娘ジョゼットがポリジー出身のリュシアン・ムタールと結婚し、以後「ムタール」の名がこの家系のシャンパーニュを指すようになる。1952年にリュシアンが植えたアルバンヌの古樹は、希少品種を守る同家の姿勢を象徴する存在として、今も現役で使われ続けている。 1980年にはアニェス・ラキュル、ヴェロニック、フランソワの第3世代3兄弟姉妹が経営に加わり、ブランドを大きく育てた。近年は運営会社が経営再建の局面を経験したが、この3名による経営体制は変わらず、事業は通常どおり続けられている。

詳細

ムタールの本拠地は、オーブ県コート・デ・バールに位置する村ビュクセイユ。シャンパーニュ地方で認可された7品種のうち6品種を自社畑で栽培するという、地方全体を見渡しても数少ない造り手である。エペルネやランスからは離れた、シャンパーニュ地方でも南方に位置するオーブ県ならではの気候と土壌が、ムタールの畑を育んでいる。

自社畑の合計面積は約23ha。主力のピノ・ノワールとシャルドネに加え、シャンパーニュ地方全域でほぼ姿を消したアルバンヌ、ピノ・ブラン、プティ・メリエまでを栽培する。これらの希少品種は栽培に手間がかかることなどから多くの生産者が方向転換していったが、ムタールは1952年に植えたアルバンヌの古樹をはじめ栽培を守り続け、単一品種キュヴェとして仕上げることで、他では味わいにくい個性的な香味を今に伝えている。

畑の土壌は、コート・デ・バールに特有のキンメリジャン期の泥灰岩と石灰質泥灰岩が層をなす構成。単一畑シャルドネの原料となる主要区画シャン・ペルサン(Champ Persin)をはじめ、各区画の個性が仕込みに反映される。栽培では「ラクロット(raclote)」と呼ばれる鍬を使った手作業や天然堆肥の施肥、月齢暦に沿った作業など、化学資材に頼らない伝統的で低介入な農法「ヴィティキュルチュール・レゾネ(viticulture raisonnée)」を大切にしている。こうした手間のかかる管理を積み重ねることで、健全な葡萄を育てるという考え方が受け継がれている。同じキンメリジャン土壌はシャブリの畑にも見られ、ミネラル感のあるワインを生む要因とされる。

なお同家は1988年に蒸留酒造りを、2004年にはブルゴーニュのシャブリおよびグラン・オーセロワ(Grand Auxerrois)地区での畑作りを始めており、シャンパーニュ以外の分野にも家族で事業を広げている。

品種ごとの栽培面積は次の通り。

栽培データ
項目数値
総面積約23ha
ピノ・ノワール13.91ha
シャルドネ5.72ha
プティ・メリエ1.11ha
アルバンヌ(若木)1.18ha
アルバンヌ(古木)0.10ha
ピノ・ブラン0.55ha
ピノ・ムニエ0.57ha
自社栽培品種数6/7品種

醸造方針

NVキュヴェはセラーで最低3年間熟成させ、味わいに厚みを持たせている。仕込みの大部分をブルゴーニュ産のオーク樽で行う点も特徴で、まろやかで奥行きのある口当たりを生み出す一因となっている。長期の瓶内熟成とオーク樽での仕込みを組み合わせることで、果実の凝縮感とまろやかさを兼ね備えた味わいに仕上げている。2016年からは、シャンパーニュとブルゴーニュ双方のレンジで亜硫酸無添加(サンスフル)のキュヴェも展開し、より繊細でピュアな果実の個性を伝える造りにも挑戦している。

原料調達とネゴシアン事業の歩み

ムタールのネゴシアン事業は1941年、フランソワ・ディリジャンによって設立された。1973年にはステンレスタンク11基を導入する設備近代化を行い、当時は畑10ha・年産約8万本という規模だった。1982年、フランソワ・ムタールが祖父由来のこの事業を再興し、自社畑の葡萄4割・契約栽培家から買い付ける葡萄6割という構成で商業化を進め、今日の生産規模へと育て上げた。この歩みが、自社栽培と買い葡萄を組み合わせた現在のムタールらしいものづくりの土台となっている。

家族経営の体制

運営会社は「CHAMPAGNE MDL」。フランソワ・ムタール、ヴェロニック・ムタール、アニェス・ラキュルの3名が経営を担う体制で、アニェス・ラキュルが管理・経理・銀行対応を、ヴェロニックが受付・配送・輸出業務を統括するなど役割を分担している。次の世代も畑作業や醸造、輸出などの現場に加わっており、家族経営としての継承が続いている。経営体制は創業家によって一貫して守られており、今後も家族主導でのものづくりが続けられる見通しである。

受賞・評価

フランスの評価誌ゴ・エ・ミヨでも、ムタールの複数のキュヴェが高評価を受けている。希少品種を生かした個性的なキュヴェから伝統的なスタイルまで、幅広いレンジが評価の対象となっている点も特徴である。

詳細を閉じる

キュヴェ一覧

画像集