Hubert Paulet / ユベール・ポレは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Rilly-la-Montagneを本拠とするRM / レコルタン・マニピュラン、いわゆる栽培醸造家の銘柄で、自社でブドウを育て、そのブドウでシャンパンを生産しています。
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目次

Hubert Paulet / ユベール・ポレ

Hubert Paulet

ユベール・ポレ

ユベール・ポレは、モンターニュ・ド・ランスのプルミエ・クリュ、リリー=ラ=モンターニュに8haの畑を持つ家族経営の造り手です。収穫の一部だけを自社で瓶詰めし、年間約25,000本を丁寧に仕上げます。長い熟成が生む深みと控えめなドサージュが、この村のピノ・ムニエの魅力を静かに伝えます。

基本情報

地区Montagne de Reims / モンターニュ・ド・ランス
- Grande Montagne de Reims / グランド・モンターニュ・ド・ランス
村51500 Rilly-la-Montagne / リリー=ラ=モンターニュ [Premier Cru]
所在地55 rue de Chigny, 51500 Rilly-la-Montagne (Google Maps)
公式サイト-
Tel+33 (0)3 26 03 40 68
設立1930
製造業者種別RM

商品更新情報

特徴・スタイル

ユベール・ポレのシャンパーニュを語るうえで欠かせないのが、ピノ・ムニエです。8haの畑のうち半分をこの品種が占め、丸みのある果実味とやわらかな口当たりが、味わいの土台をつくっています。そこにピノ・ノワールの骨格とシャルドネの伸びやかさが重なり、村の畑だけで完結する一体感のある味わいが生まれます。 もう一つの鍵は時間です。標準的なキュヴェでも28ヶ月以上、最上級のものは120ヶ月にわたって澱とともに瓶内で休ませ、ドサージュはブリュットで約7.5g/L、エクストラ・ブリュットでは約3g/Lと控えめに抑えます。糖分に頼らず、熟成そのものが生み出す複雑さで飲み手に向き合う造りです。

歴史・ブランドストーリー

ポレ家がリリー=ラ=モンターニュでブドウを育て始めたのは19世紀末のことでした。以来一族は、モンターニュ・ド・ランスのプルミエ・クリュに格付けされたこの村の畑だけを見つめ、栽培農家として世代を重ねていきます。 その流れを変えたのが、1930年代に自社ブランドとして初めてシャンパーニュを商業化したユベール・ポレです。畑を耕す人が、自分の手で瓶に詰めて名前を刻む。今日レコルタン・マニピュランと呼ばれる造り手のかたちを、村の中で早い時期に選び取った一人でした。 1998年、その孫にあたるオリヴィエ・ポレが経営を引き継ぎます。何代目と数えるかは資料によって異なりますが、一世紀を超えて畑が受け継がれてきたことは間違いありません。オリヴィエは祖父の名を守りながら、より長い熟成とより控えめなドサージュへとスタイルを磨き上げてきました。ゆっくり時間をかけたシャンパーニュだけが持つ奥行きを信じる姿勢は、今も一貫しています。

詳細

ユベール・ポレの畑は、モンターニュ・ド・ランスに位置するリリー=ラ=モンターニュにある約8haです。栽培面積の内訳はピノ・ムニエが4.0ha、ピノ・ノワールが2.4ha、シャルドネが1.6haで、ムニエが全体のちょうど半分を占めます。黒ブドウが全体の8割を占める構成は、力強さよりも果実のふくよかさを軸に据えるこのメゾンの味わいの方向を、畑の段階から決めているといえます。

全区画はエシェル・デ・クリュで94%に格付けされたリリー=ラ=モンターニュの中に収まっており、複数の産地からブドウを集めて調合するのではなく、一つの村のテロワールを掘り下げることに専念しています。ポレ家が19世紀末からこの村で畑を守り続けてきたことを思えば、村の外に新たな畑を求めず8haという規模を保つ選択も自然なものに映ります。

畑仕事の中心にあるのは、土と樹齢への配慮です。除草剤に頼らず土壌を耕すことで、草と共存しながら根が深く伸びる環境を保ち、平均樹齢は22年を超えます。古くなった樹を植え替える際も、外部から苗木を買い入れるのではなく自社の畑で優れた樹を選んで増やすセレクション・マサル(sélection massale)を用い、この村の畑で育ってきた系統を次の世代へつないでいます。こうした取り組みは、シャンパーニュ地方の持続可能栽培認証VDCと、フランスの環境価値重視認証HVEの取得という形でも裏づけられています。

栽培・生産データ
自社畑面積8ha(全区画がリリー=ラ=モンターニュ)
品種構成ピノ・ムニエ4.0ha/ピノ・ノワール2.4ha/シャルドネ1.6ha
平均樹齢22年以上
村の格付けプルミエ・クリュ(エシェル・デ・クリュ94%)
年間生産量約25,000本
瓶内熟成期間28〜72ヶ月(最上級キュヴェは120ヶ月)
リザーヴワイン比率約30%
ドサージュ約3g/L(エクストラ・ブリュット)/約7.5g/L(ブリュット)
環境認証VDC、HVE

醸造方針

収穫されたブドウのうち半分以上は、アイ村のビルカール・サルモンへ販売されます。自社で瓶詰めするのは残りの部分だけで、年間生産量は約25,000本にとどまります。自社名義で世に出す量をあえて絞り込むことが、一本ごとに時間をかける造りを支えています。

醸造にはタイル張りの伝統的な槽とステンレスタンクの双方を使い分け、基本的にはマロラクティック発酵を行って酸をやわらげます。一方で、最も古い区画から生まれるプレスティージュ・キュヴェのように、マロラクティック発酵を行わずフードルやトノーといった木樽で仕込むものもあり、キュヴェの性格に応じて手法を選び分けています。

当主のオリヴィエ・ポレは熟成が生む深みを重視する姿勢で知られ、専門メディアでもシャンパーニュの長期熟成能力について語っています。瓶詰め後の熟成期間はキュヴェによって28ヶ月から72ヶ月にわたり、最上級のものは澱とともに120ヶ月、つまり10年を瓶内で過ごしてから出荷されます。定番のブレンドにはリザーヴワインを約30%配合して味わいの厚みと安定感を確保し、ドサージュはブリュットで約7.5g/L、エクストラ・ブリュットで約3g/Lと控えめに抑えます。長い熟成で得た旨みを糖分で覆い隠さず、そのまま届けるための設計です。

ラインナップは、村の畑をブレンドした定番をブリュット・エクストラ・ブリュット・ドゥミ・セックの3タイプで揃え、作柄に恵まれた年にはヴィンテージものやロゼも手がけます。ロゼはシャルドネを主体に、同じ槽で短時間だけ果皮を漬け込んで色をつける方法をとります。さらに泡のないスティルワイン、コトー・シャンプノワも少量ながら造っており、ピノ・ノワールを主体に木樽で12ヶ月寝かせた赤として仕上げています。

評価

ギド・アシェット・デ・ヴァンでは、2007年版以降の複数の年版にわたってユベール・ポレのシャンパーニュが取り上げられ、星付きの評価を重ねてきました。2008年版では、最も長い熟成を経た最上級のキュヴェが、同ガイドの編集部が特に心を動かされた一本に贈るクー・ド・クール(Coup de Cœur)に選ばれています。特定の一本が突出しているというより、定番からヴィンテージ、ロゼまで幅広く評価が及んでいる点に、8haという小さな造り手の底力が表れています。

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