[1995] グラン・ヴァン・シニャチュール 750mlシャンパーニュ・ジャクソン

Jacquesson Cuvée Grand Vin Signature / ジャクソン グラン・ヴァン・シニャチュールはフランス北東部のシャンパーニュ地方で生産される発泡性のワイン、シャンパンです。生産者はJacquesson/ジャクソン(NM:ネゴシアン・マニピュラン)です。

Jacquesson　ジャクソン 　メミー・ジャクソンが1798年にシャロン・シュルマルヌにシャンパン・ハウスを開いたのは、とてもタイミングが良かった。というのもその頃ナポレオンが偉大な指揮官として華々しい凱旋を繰り返していたからである。東欧への数度の遠征では、ジャクソンのシャンパンを買い入れておくためにシャロ ン村に立ち寄るのが彼のお気に入りのコースだった、と伝えられている。そのシャンパンはアウステルリッツの戦いの前、ただでさえ澄み渡った彼の頭脳をさらに明噺にし勝利に貢献したかもしれない。皇帝の肩入れのおかげで、ハウスは急速に躍進し、シャンパンで最も重要なブランドの仲間入りを果たした。メミーの息子であり才能豊かな創意に満ちた人物であったアドルフ・ジャクソンが会社を継ぐと、ジャクソンは数多くの新技術を開発し、まだ揺藍期にあった19世紀のシャンパン造りを大きく変容させた。ヨハン・ヨーゼフ・クリュッグにブレンドの技を伝授したのもアドルフであり、シャロンの化学者であったジャン・パティスタ・フランセーズに助言をして”糖分濃度の測定法"を定式化させ、壜の破裂率を25から4%に激減させることに成功した。またアドルフはコルク栓を押さえる針金止めを開発したが、それはいまでも世界中のすべてのスパークリング・ワインに用いられている。 　シャンパン界の巨人でありながらも、ジャクソンはデイジーの珠玉であり続け、辛口ノン・ヴィンテージ・キュヴェのブレンドという主流となっているやり方からは一歩離れたところにいる。ジャン ・エルヴェ・シケとその弟で共同経営者のローランは、その理由を、「1990年代の後半に、一定の味を維持していくだけの伝統的なブリュット・ノン・ヴィンテージの手法には限界があり、それはワインを改革していくわれわれの可能性を塞いでしまうことに気づいたんだ」と説明する。この制約から自由になるため、シケ兄弟は2000年の収穫分から、安定した味よりも秀逸さに重点を置く方向に切り替え、ブレンドに主たるヴィンテージを反映させる方向へと舵を切った。それ以降、追及すべき目標は、主たるヴィンテージの特徴を反映させた独特の個性を持ったワインへと変わった。それはまた各ワインに明確なアイデンティティを付与することでもあった。 （シャンパン　マイケル・エドワーズ著　山本博監修　ガイアブックス　より抜粋）

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