William Saintot / ウィリアム・サントは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Avenay-Val-d’Orを本拠とするRM / レコルタン・マニピュラン、いわゆる栽培醸造家の銘柄で、自社でブドウを育て、そのブドウでシャンパンを生産しています。
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目次

William Saintot / ウィリアム・サント

William Saintot

ウィリアム・サント

ウィリアム・サントは、アヴネ=ヴァル=ドールで1918年から4代続く家族経営のレコルタン・マニピュラン(自家栽培・醸造の生産者)。畑ごとに樽やコンクリート製卵型タンクで仕込み分け、天然酵母発酵と低めのドザージュで表情豊かなキュヴェに仕上げる。

基本情報

地区Vallée de la Marne / ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
- Grande Vallée de Marne / グランド・ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
51160 Avenay-Val-d’Or / アヴネ=ヴァル=ドール [Premier Cru]
所在地4 rue Charles de Gaulle, 51160 Avenay-Val-d’Or (Google Maps)
公式サイトhttps://www.champagne-william-saintot.fr/
Mailchampagne-william-saintot@wanadoo.fr
SNS@champagne_william_saintot
Tel+33 (0)3 26 52 32 87, +33 (0)3 26 59 09 04(fax)
製造業者種別RM
生産者表記le SARL Champagne William SAINTOT

商品更新情報

特徴・スタイル

アヴネ=ヴァル=ドール、ビスイユ、ミュティニーと三つの村にまたがる自社畑は、それぞれ土壌の質感が異なり、ワインに違った表情を与える。畑ごとの個性を最大限に引き出すため、収穫したブドウの85%をオーク樽で、残りをコンクリート製卵型タンクやステンレスタンクで区画ごとに仕込み分ける。 天然酵母による発酵は1か月かけてじっくり進め、瓶詰め後もブリュットで30か月以上、ミレジムでは60か月以上とカーヴでの熟成期間を長くとる。ドザージュは控えめで、素材の輪郭がくっきりと感じられる、透明感のある味わいに仕上がる。

歴史・ブランドストーリー

物語は1918年、第一次世界大戦の負傷で兵役を免れたフィルマン・サントが、シャンパーニュ・ルクレール=ブリアン家の依頼でアヴネ=ヴァル=ドールに移り住み、荷馬車引きとして働き始めたことに始まる。 1955年、息子クレマンがヴィニュロンとなり自らのブランドを興した。その長男でブランド名の由来となったウィリアムは、22歳で最初の休耕地を購入。妻ポールと畑を広げながらボランジェ家でも働き、後には接ぎ木苗の生産者として独立し、フィロキセラ対策の苗木を仲間の生産者に供給した。 1995年に子のアンリとナタリーが継承し、2000年にナタリーが搾汁・醸造施設を刷新。2008年にはナタリーの子グウェンとモルガン・トレビュティアンが加わり、モルガンがHVE認証と単一区画ワインを実現した。2016年にグウェンが離れた後は、母ナタリーと息子モルガンの二人三脚でドメーヌを守り続けている。

詳細

経営母体は「SARL Champagne William Saintot」で、ヴィニュロン・アンデパンダンの会員でもある。生産者番号RM-27332-01のレコルタン・マニピュランとして、栽培から瓶詰めまでをすべて自社で手掛ける一貫生産の姿勢を貫いている。四代にわたり家族で受け継がれてきた経営スタイルは、栽培から醸造、瓶詰めまでを一貫して手掛ける小規模生産者ならではのきめ細かさを可能にしている。

自社畑10.27haは、アヴネ=ヴァル=ドール、ビスイユ、ミュティニーのプルミエ・クリュ(村格付けの上位区分)を中心に、オーブ県のシャンピニヨル=レ=モンドヴィルにも一部区画を持つ。中心となるアヴネ=ヴァル=ドールは起伏に富み南東から南西向きの斜面が広がり、表土はシルト質・粘土質で、その下には砕けた白亜層が控える。この白亜層はミネラル分を保持しつつ水はけを良くする性質を持ち、根が深く張ることで安定した果実味につながる。ビスイユは中程度の深さの粘土質土壌に、より緻密な白亜が重なり、ミュティニーのシルト質土壌はワインに軽やかさを添える。品種構成はピノ・ノワールが85〜90%を占め、シャルドネ7〜10%、ピノ・ムニエ3〜4%、希少品種のアルバンヌとプティ・メリエを合わせて1%という布陣で、ピノ・ノワール主体のスタイルを支えている。「ラ・コート・ド・シニョン」(ロゼ用)、「ル・シャン・エラール」(ピノ・ノワール)、「プロール」(シャルドネ)といった単一区画のキュヴェも手がけ、区画ごとの個性を尊重した栽培・醸造を徹底する。単一区画での仕込みは、同じ村内でも微妙に異なる土壌や日照条件をワインの個性としてそのまま表現する試みである。村ごとに異なる特徴を持つ区画を組み合わせることで、単一畑では出せない複雑みも生み出している。ウィリアムが手がけた接ぎ木苗づくりの経験は、現在の畑にも受け継がれ、健全な樹勢を保つ土台となっている。

シャルドネ区画(約1ha)は2022年からビオロジック農法を実践し、2025年ヴィンテージよりビオロジック認証を取得。残る畑もAB基準を満たす管理を行うが、遠方の区画は慣行農法での栽培を委託しているため認証の対象外となっている。近年はドローンを使った生物学的防除にも試験的に取り組んでいる。化学農薬に頼らない防除手段として、生態系への負荷軽減を目指す取り組みである。

栽培・生産データ
項目データ
自社畑面積10.27ha
品種構成ピノ・ノワール85〜90%、シャルドネ7〜10%、ピノ・ムニエ3〜4%、アルバンヌ・プティ・メリエ計1%
年間生産量25,000本
オーガニック栽培面積約1ha
ブリュット熟成期間最低30か月
ミレジム熟成期間最低60か月
デゴルジュマン後出荷までの最低期間6か月以上

醸造方針

収穫はすべて手摘みで行い、区画ごとに選果・圧搾する。搾汁した果汁の85%はオーク樽で、残りはコンクリート製の卵型タンクやステンレスタンクを用いて、区画別に発酵・醸造を行う。発酵には自生の天然酵母のみを使い、1か月にわたって毎日状態を確認しながら、ウイヤージュとバトナージュを2〜3回実施する丁寧な工程を踏む。この地道な管理が、雑味のない澄んだ果実味を引き出す土台となっている。

ブラン・ド・ノワールにはローマ時代のアンフォラを思わせる卵型のコンクリートタンクを使用し、澱が容器内を絶えず循環することで、澱との接触(オートリーズ)を自然に促す。10か月の熟成を経た後は樽やタンクごとに試飲したうえでアッサンブラージュを行い、濾過は一切行わない。瓶詰め後はブリュットで最低30か月、ミレジムでは最低60か月とカーヴでじっくり熟成させ、出荷の最低6か月前にデゴルジュマンを行う。ドザージュは総じて低めに抑えられ、主力はエクストラ・ブリュットが占める。無濾過での瓶詰めは、果実由来の複雑な風味やテクスチャーをそのまま生かすための選択である。長期熟成と控えめなドザージュの組み合わせが、骨格のしっかりした辛口の味わいを生み出している。

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