Trichet Didier / トリシェ・ディディエは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Trois-Puitsを本拠とするNM / ネゴシアン・マニピュランの銘柄です。
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目次

Trichet Didier / トリシェ・ディディエ

Trichet Didier

トリシェ・ディディエ

トリシェ・ディディエ(Trichet Didier)は、トロワ=ピュイを本拠地に1970年創業したシャンパーニュメゾン。祖父母の代からの葡萄栽培を礎に、2001年にはネゴシアン資格を取得。丸みと果実味を重視した、記憶に残る味わいを追求してきた。

基本情報

地区Montagne de Reims / モンターニュ・ド・ランス
- Grande Montagne de Reims / グランド・モンターニュ・ド・ランス
村51500 Trois-Puits / トロワ=ピュイ [Premier Cru]
所在地11 rue du Petit-Trois-Puits, 51500 Trois-Puits (Google Maps)
公式サイトhttps://www.champagne-trichet-didier.com/
Mailtrichet-didier@orange.fr
Tel+33 (0)3 26 82 64 10, +33 (0)3 26 97 80 99(fax)
製造業者種別NM
関連銘柄familygroup

商品更新情報

特徴・スタイル

トリシェ・ディディエが目指すのは、繊細なミネラル感よりも、飲んだ瞬間に印象に残る果実味とボリューム感のある味わいだ。トロワ=ピュイを中心に、モンブレやリリー=ラ=モンターニュなど周辺プルミエ・クリュ村、さらにグラン・クリュのヴェルジィから調達する葡萄が、この骨格ある果実味を支えている。地下8mまで掘り込まれた白亜のカーヴで育まれるワインは、丁寧な手作業によるアッサンブラージュを経て、丸みのある口当たりへと仕上げられる。マロラクティック発酵を取り入れることで角を丸め、柔らかな酸とともに果実の甘やかな表情を引き出しているのも特徴だ。

歴史・ブランドストーリー

物語は1945年から1950年ごろ、ピエール・トリシェ氏の祖母アントワネット氏とその夫エドモン氏が、トロワ=ピュイの地に最初の葡萄を植えたことに始まる。その後、ピエール氏の両親にあたるテレーズ・ディディエ氏とルネ・トリシェ氏が1961年に結婚してこの村に定住し、1970年、二人の姓を組み合わせた「トリシェ・ディディエ」ブランドとしてシャンパーニュづくりに着手した。 1970年代末、ルネ氏がカーヴを拡張していた際、1789年、フランス革命の年に遡る古いギャラリーを偶然発見する。最大45,000本ともいわれる貯蔵空間は、以来メゾンの財産となった。 3代目のピエール・トリシェ氏は1984年(一説には1989年)に経営を継承し、自社畑8ha(一部資料では4ha)を受け継ぎながら、2001年にはネゴシアン資格を取得してNM(ネゴシアン・マニピュラン)へと転換。2015年には代々のキュヴェのパッケージを一新し、自身の名を冠した新たなブランドへと歴史をつないでいった。

詳細

トリシェ・ディディエの物語は、1945年から1950年ごろにピエール・トリシェ氏の祖父母が、拠点となるトロワ=ピュイの地に最初の葡萄を植えたことに始まる。トロワ=ピュイはプルミエ・クリュに格付けされた村で、シャンパーニュ地方の格付け制度のなかでも上位に位置づけられる産地のひとつだ。もともとはRM(レコルタン・マニピュラン、自社栽培の葡萄のみで醸造する生産者)としてスタートしたが、2001年にネゴシアン資格を取得し、他の生産者からも葡萄を買い付けて醸造するNM(ネゴシアン・マニピュラン)へと業態を転換している。

自社畑はトロワ=ピュイを中心に、モンブレ、リリー=ラ=モンターニュ、リュード、コルモントライユ、タイシーといった周辺のプルミエ・クリュ村にも区画を保有・調達し、グラン・クリュに格付けされるヴェルジィの区画からも葡萄を仕入れている。複数のクリュ・複数の区画から届く葡萄を組み合わせることで、単一畑にはない厚みのある味わいを実現する体制だ。なお自社畑の面積については、資料により約8ha(プルミエ・クリュ+グラン・クリュ)とする記載と、4haとする記載があり、把握されている数値には幅がある。このように複数村にまたがる調達網を築けたのも、2001年のNM転換によって外部の葡萄を扱えるようになったことが背景にある。

カーヴは地下8mの深さまで白亜(craie)を掘り込んだもので、シャンパーニュ地方に広く分布するこの白亜質の地層は、天然の温度・湿度を保つ性質があり、長期の瓶熟成に適した環境をつくり出す。1970年代末、当主だったルネ・トリシェ氏がカーヴを拡張していた際、1789年、フランス革命の年に遡る古いギャラリーが偶然発見された。このギャラリーは最大45,000本、資料によっては20万本超ともいわれる貯蔵能力を持ち、以来メゾンの財産として活用されている。

基本データ
項目内容
創業年1970年(シャンパーニュ生産開始)
自社畑面積約8ha(一部資料では4ha)
ネゴシアン資格取得2001年
カーヴ深度地下8m
カーヴ収容能力約45,000本〜20万本超(情報源により差あり)

醸造方針

醸造においては、繊細なミネラル感よりも果実味を前面に出す方針を貫いており、目指すのはボリューム感があり、飲んだ瞬間に記憶に残る、丸みのある味わいだ。ブレンドの要となるアッサンブラージュはすべて手作業で行われ、複数のクリュ・複数の区画から届く葡萄がそれぞれ持つ個性を見極めながら、一本のシャンパーニュへと組み立てられていく。

仕込みの過程ではマロラクティック発酵を実施している。これはワイン中のとがった酸味であるリンゴ酸を、まろやかな乳酸へと転化させる工程で、角の取れた柔らかな酸味と、果実由来の甘やかな香りを引き出す効果がある。ミネラル感を前面に出すより、果実の存在感とボリューム感を優先するこの方針は、創業時から一貫してメゾンが大切にしてきた味づくりの軸になっている。祖父母の代から受け継がれてきたこの土地への信頼が、果実味を大切にする現在の醸造哲学の背景にある。こうした哲学こそが、トリシェ・ディディエの一貫した個性となっている。

ブランドの継承

3代目のピエール・トリシェ氏は、1984年(一説には1989年)に経営を継承した。経営継承の時期については資料によって差があるものの、いずれにせよピエール氏は長年にわたって家業を率いてきたことになる。2001年にはネゴシアン資格を取得してメゾン・ド・ネゴス(NM)へと転換し、2015年には代々受け継がれてきたキュヴェのパッケージを一新して、自身の氏名を冠した新しいブランドへと生まれ変わらせた。

これにより、対外的なブランド名は「トリシェ・ディディエ」から新たな名称へと移行している。改称後も、醸造の拠点となる畑とカーヴはトロワ=ピュイのまま受け継がれており、創業以来のテロワールは新しいブランドにも息づいている。

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