Jaulgonne / ジョルゴンヌ

ジョルゴンヌはヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエスト最西端エリアに位置するマルヌ川右岸の小村。格付けはオートル・クリュで、栽培面積の86%以上をピノ・ムニエが占める純粋な「ムニエ村」として、渓谷の粘土質土壌が生み出す丸みとスパイス感が個性となっている。

基本情報

地域圏(Région)Hauts-de-France
県(Département)Aisne
区(Arrondissement)Château-Thierry
郵便番号 : 02850
面積 : 1.78 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Chartèves, Courtemont-Varennes, Barzy-sur-Marne, Le Charmel,

「Jaulgonne」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Vallée de la Marne Ouest
格付け83% Autre Cru [?]
栽培面積49.1 ha
- Chardonnay1.4 ha (2.9%)
- Pinot Noir5.4 ha (11%)
- Pinot Meunier42.3 ha (86.2%)
- その他0 ha (0%)

特徴

栽培面積の86%超をピノ・ムニエが占め、シャルドネピノ・ノワールはごく少量の脇役に過ぎない。生まれるシャンパンは赤系ベリーの果実感に加え、白胡椒やシナモンを想わせるスパイスのニュアンスが特徴で、テクスチャーには角のない丸みがある。クリスチャン・ブリアールのヴィンテージ・キュヴェ「アンブル」は、ムニエ主体ながら熟成によって深みとオレンジピール系のニュアンスを帯び、食前酒よりもしっかりした食事—家禽料理や軽い煮込み—との相性が良い。ムニエ単一村のシャンパンを探している飲み手にとって、ジョルゴンヌは選択肢として記憶しておきたい産地だ。

テロワール

ジョルゴンヌの畑は標高62〜211mの幅広い地形の中に点在し、南東向きの緩やかな斜面に複数のブロックとしてまとまっている。村は深く切り込んだ渓谷(vallon encaissé)の出口に開けており、マルヌ川の蛇行が生み出す地形が風の通り道と日照角度に独特のリズムを与えている。土壌は粘土質と石灰質の混合が基本で、マルヌ渓谷右岸のこのエリアに共通する水分保持力の高い性質を持つ。この保水性こそがピノ・ムニエを主役品種とする理由で、乾燥ストレスに対する緩衝力として機能し、安定した果実の熟度をもたらす。総栽培面積は1997年時点の31haから現在の49haへと段階的に拡大しており、村全体として栽培へのコミットメントが増している。東側隣村のシャルテーヴや南側(左岸)のクルトモン=ヴァレンヌと比べ、渓谷への入り込み方がより深く、局所的なマイクロクライメットが形成されやすい地形的条件にある。粘土質が保持する水分と有機物が根系の発達を助け、ムニエ特有の柔軟な味わいの骨格を形成している。

詳細

ジョルゴンヌはフランス北部、オー=ド=フランス地域圏エーヌ県に属するシャトー・ティエリー郡の小村で、人口は約672人(2023年)。ヴァレ・ド・ラ・マルヌの中でも西部エリア「ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエスト」に分類され、マルヌ川右岸(北側)の渓谷出口に位置する。マルヌ川とベル・オーヌ川(ru de la Belle Aulne)が村の地形を規定しており、深く切り込んだ渓谷地形が東西からの風を遮る形で局所的なマイクロクライメットをつくり出している。北に隣接するバルジー=シュル=マルヌとの境界はなだらかで、南の左岸側とはマルヌ川を挟んだ距離感となっている。

テロワール

総栽培面積49haの畑は村周辺にいくつかのブロックに分かれ、主に南東向きの緩やかな斜面に広がる。標高の幅は62〜211mとヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエストの中でも変化が大きく、斜面低位から中位にかけてピノ・ムニエ(42.30ha・全体の約86%)が植わり、少量のピノ・ノワール(5.40ha)とシャルドネ(1.40ha)が補完的に栽培される。土壌は粘土質と石灰質の混合で、右岸特有の保水力を持ち、ムニエが好む安定した水分供給環境を提供している。格付けはオートル・クリュエシェル・デ・クリュ白黒ともに83%)で、隣接するグラン・クリュ村と格付けの差があるものの、ムニエ主体の個性派スタイルを求める生産者が選ぶ産地として独自のポジションを持つ。右岸のこのエリアでは粘土層が表土に比較的厚く堆積していることが多く、ムニエの細根が養分と水分を緩やかに取り込める環境が整っている。

主要生産者

Christian Briardはジョルゴンヌを代表する生産者で、村のテロワールを最も鮮明に体現する存在だ。看板キュヴェ「アンブル(Cuvée Ambre)」はピノ・ムニエ主体(2004・2005年ヴィンテージではムニエ66%)のヴィンテージ・シャンパンで、熟成を経てドライフルーツとオレンジピール系のニュアンスを帯びた複雑な味わいへと発展する。シャンパン以外にも、コトー・シャンプノワ(ピノ・ノワールとピノ・ムニエによるスティル赤ワイン)や、ヴィンテージ日付入りラタフィア(地ブドウ果汁にコニャックを加えた甘口リキュール)を手がけており、シャンパーニュ地方の伝統的な副産物まで視野に収めた造り手だ。生産者数が4軒と少ないジョルゴンヌにおいて、村外のワイン愛好家への情報発信という面でも中心的な役割を果たしている。

歴史

ジョルゴンヌは15世紀には国王の所領(seigneurie du roi)であり、フランス革命まではブイヨン公爵家の管理下に置かれていた歴史を持つ。1870年の普仏戦争ではプロイセン国王とビスマルク宰相がヴェルサイユへ向かう途中この村を通過したことが記録されている。第一次世界大戦では村の95%が破壊されるという甚大な被害を受け、戦後はムーリエール石(pierre meulière)を主な建材として再建された。現在のサン=ジャン=バティスト教会もこの戦後再建の一環として建てられている。村の紋章にはラテン語のモットー「Parva sed formosa(小さいが美しい)」が刻まれており、幾度の戦禍を経ながら村の誇りを保ち続けてきた姿勢が表れている。

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「Jaulgonne」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報