Raymond Boulard / レイモン・ブラールは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Cauroy-lès-Hermonvilleを本拠とするNM / ネゴシアン・マニピュランの銘柄です。
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目次

Raymond Boulard / レイモン・ブラール

Raymond Boulard

レイモン・ブラール

レイモン・ブラールは、1952年創業から3世代にわたり歩みを重ねてきた家族経営メゾン。マッシフ・ド・サン・ティエリーやヴァレ・ド・ラ・マルヌ、マイィ=シャンパーニュに点在する自社畑でビオディナミ栽培を実践し、区画ごとの個性を映すピュアな味わいのシャンパーニュを生み出している。

基本情報

地区Montagne de Reims / モンターニュ・ド・ランス
- Massif de Saint-Thierry / マッシフ・ド・サン・ティエリー
村51220 Cauroy-lès-Hermonville / コロワ=レ=エルモンヴィル
所在地Route Nationale 44, 51220 Cauroy-lès-Hermonville (Google Maps)
公式サイトhttp://www.champagne-boulard.fr/
Tel+33 (0)3 26 58 12 08 +33 (0)3 26 61 50 54, +33 (0)3 26 61 54 92(fax)
設立1792
製造業者種別NM
生産者表記RAYMOND BOULARD et FILS

商品更新情報

特徴・スタイル

レイモン・ブラールが目指すのは、産地や品種の個性をそのまま映し出すピュアな味わい。区画・品種ごとに搾汁を細かく分け、亜硫酸の添加を最小限に抑えた非介入主義の醸造で、自然な発酵の力を生かす。フードルやドゥミ・ミュイ、古い木樽で澱とともにじっくりと熟成させることで、単なる泡ではなく、土地の記憶を感じさせる奥行きが生まれる。ロゼはセニエ法による繊細な色合いが特徴で、専門家からは「ナチュラルでフローラル、デリカット」と評され、食卓に寄り添う純粋主義的な一本として親しまれている。

歴史・ブランドストーリー

物語は1952年、レイモン・ブラールが自らの手で醸造・瓶詰めを始めたことに始まる。舞台はヴァレ・ド・ラ・マルヌ、家族に伝わる畑を礎に、シャンパーニュづくりの伝統が根付いていった。1973年には息子フランシスと娘が加わり兄弟姉妹で経営を担う体制となり、フランシスは栽培から醸造までを一手に引き受けるようになる。転機は2000年、祖父母の代から伝わる月齢暦の記憶をたどり、フランシスが環境負荷の少ない栽培へと舵を切ったことだった。2003年には娘デルフィーヌが加わり、2004年にはエコセール認証を取得してビオディナミの実践を本格化させる。 2009年、レイモンの子どもたちがそれぞれ別々の道を歩む決断を下し、フランシスと妻ジャンヌ、デルフィーヌの3人が新たに「フランシス・ブラール・エ・フィユ」を設立、畑を受け継いで再出発を果たした。2018年に夫妻が引退した後はデルフィーヌが当主として舵を取り、2019年には息子クァンタンが加わって、レイモンから数えて4世代目の物語が続いている。

詳細

家系をたどれば記録は1792年にまで遡り、6〜7代にわたって受け継がれてきた家族経営がレイモン・ブラールの基盤にある。自社畑は、マッシフ・ド・サン・ティエリー、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、モンターニュ・ド・ランスという性格の異なる3つのエリアに分散し、合計で約3haを所有している。中心となるのはマッシフ・ド・サン・ティエリーのコルミシー村周辺で、珪質石灰岩の土壌に「レ・ミュルテ」「レ・ラシェ」といった歴史ある区画が広がる。主に東北東を向く斜面がゆるやかな冷涼感を畑にもたらし、繊細な酸を保つ果実を育んでいる。

ヴァレ・ド・ラ・マルヌ側では、パラディ村ベヴァル集落やキュシュリー村に畑を構える。歴史的にはレイモン・ブラールが最初に手がけた土地でもあり、こちらは南向きの陽当たりのよい斜面が特徴で、果実がしっかりと熟すのが強みだ。さらにグラン・クリュ格付けを持つモンターニュ・ド・ランスのマイィ=シャンパーニュにも粘土石灰質土壌の区画を保有し、力強さを備えたブドウが得られる。平均樹齢は35年に達し、シャルドネ30%、ピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ40%という構成で、3つの土地の違いがそのままキュヴェの個性へとつながっている。

栽培は2001年、コルミシー村の畑の一部で除草剤や化学合成農薬を使わない取り組みから始まり、2004年にはエコセール認証を取得してビオディナミの実践を本格化させた。プレパラシオンと呼ばれるプレル・柳・イラクサ・ヴァレリアン・シリカなどの調合剤を、月齢暦に合わせて畑に施している。短梢剪定によって自然に収量を抑え、グリーンハーベストはほとんど行わない。畑の約3分の2はクローン苗ではなくマサル・セレクション由来の樹で構成され、遺伝的な多様性に富んだ古い樹々が受け継がれている。土壌を健全に保つため、耕耘も年に4〜6回欠かさず行われている。

栽培・醸造データ
項目データ
自社畑面積約3ha
平均樹齢35年
品種構成シャルドネ30%/ピノ・ノワール30%/ピノ・ムニエ40%
マサル・セレクション由来比率畑の約3分の2
年間耕耘回数4〜6回
認証取得年2004年(エコセール)
使用樽平均樹齢12年
ドサージュ(ブリュット・ナチュール)0g/L

醸造方針

収穫は酸度の数値よりも果実そのものの完熟度を重視したタイミングで行われ、収穫後は速やかに膜圧搾機へと運ばれる。区画・品種ごとに搾汁を細かく分けることで、それぞれの個性を最後まで保ったまま醸造できる体制を整えている。亜硫酸の添加は最小限にとどめる非介入主義的な方針のもと、自生の野生酵母によるアルコール発酵とマロラクティック発酵を経て、澱とともにじっくりと熟成させる。バトナージュは月に1回、月齢暦の「果実の日」や「花の日」に合わせて行われ、ワインの質感に丁寧に向き合う姿勢がうかがえる。こうした一つひとつの選択には、畑ごとの個性を最後まで損なわずに瓶へと届けたいという醸造哲学が貫かれている。

熟成・瓶詰め

発酵・マロラクティック発酵の器には、フードルやドゥミ・ミュイ、平均樹齢12年ほどの古樽(ブルゴーニュ樽やシャンパーニュ・ピエス)が用いられている。単一区画のキュヴェはオーク製フードルで熟成され、瓶内二次発酵の圧力を通常よりも低く抑えることで、繊細な泡立ちを生み出している。ドゥミ・ミュイやフードルは緩やかな酸化熟成をもたらしつつも、樽由来の香りは控えめに抑えられ、あくまで果実と土壌の個性を主役にする狙いがある。瓶詰めとデゴルジュマンはすべて自社で行われ、ブリュット・ナチュール表記のキュヴェはドサージュ0g/Lに設定されている。

評価

権威あるワインガイドでは、レイモン・ブラールのラインナップ全体が高水準で洗練され、複雑さを備えていると評されている。区画や品種を細やかに読み解き、非介入主義を貫く醸造スタイルは、専門家の間でも一貫した評価を得ており、単発のヒット作ではなくレンジ全体の底上げとして評価されている点が特徴だ。派手さよりも土地の個性を丁寧に映し出す姿勢が、毎日の食卓に自然と馴染む懐の深さにつながっている。

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