La Bulle Libre / ラ・ビュル・リーブルは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Aÿを本拠とするRM / レコルタン・マニピュラン、いわゆる栽培醸造家の銘柄で、自社でブドウを育て、そのブドウでシャンパンを生産しています。
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目次

La Bulle Libre / ラ・ビュル・リーブル

La Bulle Libre

ラ・ビュル・リーブル

ラ・ビュル・リーブルは、グラン・クリュのアイに拠点を置く自然派の家族経営メゾンです。4代続くヴィニュロン一家に生まれた兄弟が、有機・ビオディナミで育てたブドウだけを使い、酸化防止剤も糖分の補いも加えずに仕上げます。ブランド名が示すのは、造り手が手にした「自由」です。

基本情報

地区Vallée de la Marne / ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
- Grande Vallée de Marne / グランド・ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
Aÿ-Champagne / アイ=シャンパーニュ
- 51160 Aÿ / アイ [Grand Cru]
所在地22 rue Jules Lobet, 51160 Aÿ (Google Maps)
公式サイト-
製造業者種別RM
生産者表記SCEV PASCAL HENIN
関連銘柄Romain Henin

商品更新情報

特徴・スタイル

ラ・ビュル・リーブルのシャンパーニュは、すべてがドサージュ0g/Lのブリュット・ナチュール。仕上げの糖分を一切加えず、清澄も濾過も酸化防止剤の添加も行いません。二次発酵に使う糖分さえ、翌年に収穫したブドウの果汁が持つ天然の糖に頼るという徹底ぶりです。 とはいえ、めざすのは自然派ワインらしい奇抜さではありません。曾祖父の代から使う縦型圧搾機で重力だけを頼りに搾った果汁を、古樽のなかで野生酵母に委ねる。その先に現れるのは、深みとエネルギーを備えながら、するりと飲み進められる素直な味わいです。

歴史・ブランドストーリー

アイの4代続くヴィニュロン一家に生まれたロマン・エナンは、アヴィーズの醸造学校で学んだのち、同じアイの名門メゾンでカーヴの責任者を2年間務め、有機栽培とビオディナミに強く惹かれていきました。2013年、父パスカルが営む家族のドメーヌに合流しますが、より自然に配慮した栽培への転換をめぐって両親と意見が合わず、2015年にいったん袂を分かちました。 2016年、ビオディナミを先駆けた造り手の助言を受けながら、借り受けた1.2haの畑で自身のプロジェクトを立ち上げます。べと病や遅霜に見舞われながらも翌年には有機栽培への転換を正式に開始し、2018年にはギリシャ・サモス島での収穫に加わったことで、何も足さない醸造への確信を深めました。 そして2021年、33歳でロマンは父からドメーヌ全体を継承しました。栽培も醸造も全面的に刷新し、「自然と調和した本物のシャンパーニュを生み出す自由」を象徴する名として、ブランドをラ・ビュル・リーブルと改めます。まもなく製薬業界で化学エンジニアを務めていた弟トマが合流し、現在は兄弟による共同経営。ロマンが畑での直感を、トマがセラーの精密な管理を担っています。

詳細

ラ・ビュル・リーブルの畑は、グラン・クリュに格付けされるアイを中心に、コート・デ・ブランのグラン・クリュであるシュイィ、そしてヴァレ・ド・ラ・マルヌのマレイユ=ル=ポールへと広がります。合計約7.5haの区画はすべてエナン兄弟が自ら管理する自社畑で、ブドウや原酒を外部から買い付けることはありません。自社畑のブドウだけで造るレコルタン・マニピュランとして、畑から瓶詰めまでを一貫して手がけています。

ピノ・ムニエを単独で瓶詰めしたキュヴェと、ピノ・ムニエを主体にピノ・ノワールとシャルドネを合わせたキュヴェの双方が造られており、この品種への傾倒がドメーヌの個性を形づくっています。ピノ・ノワールの銘醸地として名高いアイにあって、あえてムニエに重心を置く構えは、格付けよりも区画そのものと向き合おうとする姿勢の表れといえます。アイには樹齢50年を超えるムニエの古木が残る区画もあり、そこから単一区画のキュヴェが生まれています。

栽培はAB(有機農業)とデメテール(ビオディナミ)の両認証を取得しています。ロマン・エナンが自ら借り受けた区画では2017年から、父から継承した家族の区画では2021年から転換を進め、除草剤や化学合成資材は一切使いません。畑の手当てには、自家製のスギナ・ノコギリソウ・イラクサ・タンポポの浸出液を用いるフィトテラピーを取り入れ、作業の計画は月齢暦を参照して組み立てます。

さらに畑には1ha当たり100本を超える果樹を植え、ブドウ以外の植生を積極的に呼び込むアグロフォレストリーを実践しています。仕立てはトラクターを入れずに済む「オート仕立て(installation haute)」を採用し、通常より高い位置で枝を保つことで葉の面積を確保し、樹勢の先端を傷めません。手間も時間も通常の何倍もかかる方法ですが、経済効率より果実の質を優先するという判断がそこにあります。

栽培・生産データ
自社畑面積約7.5ha
畑作業の従事者4名
果樹の植栽密度1ha当たり100本超
環境認証AB(有機農業)、デメテール(ビオディナミ)
認証取得年2021年
圧搾機4000kg 縦型圧搾機 1基
樽熟成期間(澱の上)約1年
ドサージュ0g/L
収穫時の潜在アルコール度数11〜13%

醸造方針

収穫はすべて手摘みで行われます。搾りに使うのは曾祖父の代から受け継いだ4000kgの縦型圧搾機ただ一台で、ポンプに頼らず重力だけで果汁を導きます。最初に流れ出るフリーラン、続くキュヴェ、初期圧搾のタイユ・レトルースといった画分を丁寧に分け、それぞれ別の樽で仕込みます。基準に届かなかった果汁はヴィネガーやラタフィアに仕立てるか、セラーを清掃するためのアルコールへと回され、無駄になるものはほとんどありません。

発酵は培養酵母を加えず、畑と蔵に棲みつく野生酵母に任せます。容器は使い込んだオーク樽で、澱とともに約1年寝かせてから瓶詰めへ。清澄も濾過も行わないため、ワインは搾りたての果汁が持っていた要素をそのまま抱えたまま瓶の中へ移ります。

二次発酵の仕込みにも独自の工夫があります。一般的な糖分と酵母を溶かしたリキュール・ド・ティラージュを使わず、翌年に収穫したブドウの果汁が持つ天然の糖分で泡を起こします。仕上げのドサージュも全キュヴェで0g/L、酸化防止剤も無添加です。この完全な無添加は2018年産から試みが始まり、2022年産以降で完全に定着しました。収穫時の潜在アルコール度数は現在11〜13%に達しますが、先代が畑を預かっていた時代は9%ほどだったといい、気候の変化がそのまま果実の熟し方に表れています。

ドメーヌのもうひとつの表情

兄弟の関心はシャンパーニュだけにとどまりません。ノルマンディー産の有機リンゴとドンフロン産の洋梨を取り寄せ、シードルとポワレ(洋梨の発泡酒)も仕込んでいます。ここでも添加物に頼らず、オーク樽で熟成させるという姿勢は変わりません。同じドメーヌの中では、畑もチームも哲学も共有したうえで、別の名を冠したもうひとつのシャンパーニュのラインも並行して展開されています。

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