Brocard Pierre / ブロカール・ピエールは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Celles-sur-Ourceを本拠とするNM / ネゴシアン・マニピュランの銘柄です。
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目次

Brocard Pierre / ブロカール・ピエール

Brocard Pierre

ブロカール・ピエール

ブロカール・ピエールは、コート・デ・バールのセル=シュル=ウルスで11世紀からブドウ栽培を営んできたと伝わる一族が興し、5代目当主ティボー・ブロカールが受け継ぐ家族経営の小規模メゾン。11区画に分かれる自社畑を丘陵ごとに醸し分け、ブラン・ド・ノワールに情熱を注ぐ。

基本情報

地区Côte des Bar / コート・デ・バール
- Barséquanais / バルセカネ
10110 Celles-sur-Ource / セル=シュル=ウルス
所在地10 Chemin du Bruyant, 10110 Celles-sur-Ource (Google Maps)
公式サイトhttp://www.champagnebrocardpierre.fr/
SNS@champagnepierrebrocard
Tel+33 (0)3 25 38 55 05, +33 (0)3 25 38 55 23(fax)
製造業者種別NM
インポーター有限会社ワイナリー和泉屋
生産者表記SAS Brocard Pierre

商品更新情報

特徴・スタイル

ブロカール・ピエールが目指すのは、単一の丘陵・単一品種で仕込んだミレジムを長期熟成させることで生まれる、ロースト香やブリオッシュ香をまとった奥行きのある味わいだ。同じ畑でも向きや地質が異なれば表情はまるで違う。それぞれの丘陵が持つ個性をあえて混ぜ合わせず、一つずつ丁寧に映し出す姿勢が特徴で、なかでもピノ・ノワールが生み出す複雑な味わいを引き出すブラン・ド・ノワールに強いこだわりを持つ。 認証ラベルには頼らず、畑への敬意を土台にした持続可能な栽培を志向する姿勢も、その哲学を支えている。

歴史・ブランドストーリー

ブロカール家は、アイルランド系ケネディ家の末裔とも伝わる一族で、11世紀からセル=シュル=ウルスの地でブドウ栽培に携わってきたとされる。シャンパン醸造への転機は、公式サイトによれば1932年、母方の曽祖父にあたるジョルジュ・カローが初めて自らシャンパンを醸造したことに始まる(外部の記録では1929年に最初の250本を生産したとも伝わる)。 1940年、ジョルジュの娘レオン・カローがアンリ・ブロカールと結婚し、両家は結ばれた。転機が訪れたのは1971年、ティボーの父ピエール・ブロカールがレコルタン・マニピュランとして自社醸造・自社販売を開始したときで、最初の生産量はわずか2,950本だった。 1998年にはネゴシアン・マニピュランへと統計区分を転換し、規模を広げていく。そして2012年、ブルゴーニュの著名生産者のもとで研鑽を積んだ5代目ティボー・ブロカールが、父ピエールの助言を受けながら家業を継承し、現在に至る。

詳細

家族経営の小規模メゾンであるブロカール・ピエールは、法人としてはS.A.S. BROCARD Pierre(資本金10万ユーロ)の名で運営され、現在は5代目当主ティボー・ブロカールが栽培から醸造までを一貫して統括している。生産者区分はネゴシアン・マニピュラン(NM)で、買いブドウを併用しながらも一貫した栽培・醸造哲学のもとでシャンパンを手掛ける体制をとる。1998年にネゴシアン・マニピュランへと区分を移行した後も、栽培から瓶詰めまでの全工程を自社で管理する姿勢は変わっていない。区画ごとの個性を活かす方針は、レコルタン・マニピュランとして自社元詰めを始めた1971年当時から一貫している。

自社畑はコート・デ・バールのバルセカネ地区、セル=シュル=ウルスに約6.5ha広がり、11の区画に分かれてそれぞれが個別に醸造される。別の資料では自社畑8haに契約栽培者からの買いブドウを加えるとも伝えられており、規模の捉え方にはいくらか幅がある。畑は3つの丘陵(コトー)にまたがっており、南向きで粘土質の丘陵、北向きでキンメリジャン紀の泥灰質の丘陵、南向きでポートランディアン期の断層地形をもつ丘陵という、性格の異なる3つのテロワールを併せ持つのが特徴だ。

性格の異なる丘陵を併せ持つことは、単一の畑だけでは得られない多様性をブロカール・ピエールにもたらしている。南向きの丘陵は日照を受けやすく、果実の成熟を後押しする一方、北向きの丘陵は酸をより多く保持しやすい。断層地形をもつ丘陵ではさらに異なる表情が生まれ、区画ごとに個性の異なるブドウが育つ土台となっている。

土壌の基盤はキンメリジャン紀の粘土石灰岩で、ブルゴーニュ・シャブリの土壌と共通する性格を持つ。栽培品種はピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ブランの3種で、11区画それぞれを個別に醸造することで、丘陵ごとの個性の違いをそのまま表現することを重視している。区画・丘陵単位で醸造を分けるのは手間のかかる方法だが、混醸によって個性が均されてしまうことを避け、それぞれのテロワールが持つ味わいの違いをボトルにそのまま映し出すための選択といえる。

栽培・生産データ
項目内容
所在地セル=シュル=ウルス(コート・デ・バール、バルセカネ地区)
自社畑面積約6.5ha
区画数11区画
主要品種ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ブラン
会社形態S.A.S.(資本金10万ユーロ)
自社醸造開始年(RM登録)1971年
NM区分移行年1998年
現体制継承年2012年

醸造方針

圧搾には伝統的なコカール(Coquard)式の縦型圧搾機を用い、穏やかで均一な圧搾によって色素の過度な抽出を避けている。発酵はすべてステンレスタンクで行い、各丘陵・各品種が持つ個性をそのまま映し出すことを狙う造りだ。亜硫酸の添加は最小限にとどめ、酸化を防ぐために窒素下での作業を徹底している。

単一品種・単一丘陵由来のミレジムを重視し、長期のシュール・ラット(瓶内熟成)を経ることで、ロースト香やブリオッシュ香を引き出すスタイルを志向する。なかでもピノ・ノワールの複雑性を生かしたブラン・ド・ノワールに強いこだわりを持つ一方、ブラン・ド・ブランも手がけている。この方針は、2012年に家業を継いだ5代目ティボー・ブロカールが、ブルゴーニュの著名生産者のもとで積んだ研鑽と、父ピエールからの助言を土台に築き上げてきたものでもある。

持続可能性への姿勢

公式サイトでは、いかなる認証ラベルや憲章にも属していないとしながらも、最大限の敬意と考察をもって責任ある栽培を行うという方針を明記している。認証取得という形をとらず、畑と向き合う姿勢そのものを軸に据えている点も、このメゾンの家族経営らしいスタンスといえるだろう。

ラベルの取得よりも、11区画それぞれの畑と向き合いながら5代にわたって受け継がれてきた栽培の知見を大切にする姿勢が、このメゾンの持続可能性への向き合い方を物語っている。5代を通じて積み重ねてきた家族の哲学が、いまも畑と醸造の随所に息づいている。

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