René Collard / ルネ・コラールは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Reuilを本拠とするRM / レコルタン・マニピュラン、いわゆる栽培醸造家の銘柄で、自社でブドウを育て、そのブドウでシャンパンを生産しています。
本サイト「シャンパンが好き! - シャンパン専門サイト」は、複数の企業と提携しており、記事内・商品一覧内のリンクを経由してご購入いただいた場合、運営者に報酬が支払われることがあります。読者の方の購入金額に追加負担は生じません。 ※運営者情報・サイトポリシーはこちら

目次

René Collard / ルネ・コラール

René Collard

ルネ・コラール別名:ルネ・コラード

ルネ・コラールは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌのルイユに畑を構え、ピノ・ムニエ100%のシャンパーニュを造り続けた家族経営の造り手です。10年以上熟成させてから世に出すという信条を貫き、1943年から1995年までに仕込まれたヴィンテージが今も静かに出番を待っています。

基本情報

地区Vallée de la Marne / ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
- Vallée de la Marne Rive Droite / ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・リヴ・ドロワ
Cœur-de-la-Vallée / クール=ド=ラ=ヴァレー
- 51480 Reuil / ルイユ
所在地18 Grande Rue, 51480 Reuil (Google Maps)
公式サイト-
Tel+33 (0)3 26 58 32 01
製造業者種別RM
生産者表記René COLLARD NM-169-001
関連銘柄familygroup

商品更新情報

特徴・スタイル

ルネ・コラールのシャンパーニュは、時間そのものを味方につけた造りです。畑はすべてピノ・ムニエで、ふくよかで親しみやすい品種と語られがちなこのブドウが、ここでは驚くほど長く生きます。一次発酵は600Lの大樽で行い、マロラクティック発酵はあえて通しません。酸を残したまま澱とともに6年以上寝かせ、その後もさらに蔵で休ませ、10年以上を経てから世に出します。この積み重ねが、蜂蜜やドライフルーツを思わせる熟成香をまといながらも、芯の酸と骨格が崩れない味わいを生みます。ドサージュはごく少量にとどまり、長い時間が与えた丸みだけで十分だと言わんばかりの潔いスタイルです。

歴史・ブランドストーリー

1921年に生まれたルネ・コラールがワイン造りを始めたのは1943年、戦時下のことでした。手にしていた畑はわずか0.17haの小区画でしたが、そこから少しずつ買い足し、最終的にルイユとダムリーの二つの村にまたがる約6.5haまで広げていきます。植えられていたのはすべてピノ・ムニエで、除草剤も殺虫剤も一度として使いませんでした。本人はそれを特別な思想とは語らず、「自分の世代には化学薬品を使う習慣がなかっただけだ」と振り返っています。 転機は1995年に訪れます。この年の収穫を最後に、コラールは新たな仕込みをやめました。しかしそれはワイン造りの終わりではありません。カーヴには1943年以降に仕込んだ在庫が最盛期で10万本を超えて眠っており、彼はそれらをさらに熟成させながら、時が来たものから少しずつ世に送り出す道を選んだのです。半世紀分の時間を蔵に抱えたその姿から、地元では「シャンパーニュの骨董商」と呼ばれるようになりました。2009年11月、88年の生涯を閉じます。残された古酒は孫娘夫妻が立ち上げた新たなブランドへ一部が受け継がれ、今も愛好家のグラスに届いています。

詳細

ルネ・コラールの畑は、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のルイユと、隣接するダムリーの二つのコミューンに点在していました。総面積は約6.5ha、区画はいずれも小さく分散しており、その一つひとつを当主自身が見て回る規模が、この造り手の仕事のかたちを決めていました。1943年にわずか0.17haの区画から出発し、半世紀近くをかけて少しずつ買い足していった結果としての6.5haであり、はじめから広さを目指した畑ではありません。

植えられているブドウはすべてピノ・ムニエです。マルヌ川沿いの谷筋はこの品種が力を発揮する土地とされ、冷涼で霜のリスクを抱える立地でも安定して熟すことから古くから広く植えられてきました。ルネ・コラールはその土地の主役を他品種に譲らず、100%ピノ・ムニエという構成を最後まで貫きました。ごく一部のヴィンテージでシャルドネを1割ほど補ったことはあるものの、それは例外的な措置にとどまります。区画のなかには樹齢90年を超える古樹も含まれ、植樹が1900年前後にさかのぼる区画の果実が使われた年もありました。

栽培においてもう一つ特筆すべきは、1943年の開始以来、除草剤や殺虫剤をはじめとする化学的な系統剤を一切使わなかったことです。ただしこれは有機認証の取得を前提とした選択ではなく、ABやHVEといった制度上の認証を掲げることはありませんでした。本人にとっては思想の表明ではなく、始めた当初からの当たり前の手順であり、のちに「意図せざる有機」と評されることになる実践が、結果として半世紀にわたって続けられていたことになります。

栽培・醸造データ
自社畑面積約6.5ha
品種構成ピノ・ムニエ 100%
創業時の畑面積0.17ha(1943年)
一次発酵容器600L オーク樽
澱とともに熟成72〜84ヶ月
デゴルジュマン後の休息6ヶ月以上
出荷までの熟成10〜15年以上
ロゼの果皮浸漬18〜24時間
カーヴの深さ地下約25m
醸造年1943年〜1995年

醸造とリリースの方針

一次発酵は600Lのドゥミ・ミュイ(demi-muid)と呼ばれる大型のオーク樽で行われます。ステンレスタンクよりもゆるやかに空気と触れ合うこの容器は、ピノ・ムニエに厚みと複雑さを与えつつ、樽の香りが前面に出すぎない大きさでもあります。マロラクティック発酵は行わず、リンゴ酸をそのまま残すことで、長い熟成のあいだ酒質を支える酸の骨組みを確保しています。

瓶内二次発酵を終えたワインは、澱とともに72〜84ヶ月、およそ6年から7年にわたって寝かされます。デゴルジュマンの後もすぐには出荷せず、最低6ヶ月の休息を置いてから蔵を出すのが決まりでした。ロゼは果皮浸漬を18〜24時間行ってから発酵させる方式で仕込まれ、ドサージュはごく少量か、あるいはまったく加えずにエクストラ・ブリュットに相当する辛口で仕上げられます。

もう一つの原則は、リザーヴワインを使わないことです。複数年をブレンドして味を均すのではなく、各キュヴェは単一の収穫年を主体に組み立てられます。そこに「10年から15年経つまでは市場に出さない」という信条が重なり、ワインは瓶詰めから10年以上、長いものではそれをはるかに超える時間を蔵で過ごしてから初めて世に出ることになりました。1995年の収穫を最後に新規の仕込みが止まったあとも長く出荷が続いたのは、こうした蓄積があったからです。

カーヴと熟成環境

この長期熟成を支えたのが、石灰岩を地下約25mまで掘り抜いた天然のカーヴです。年間を通じて8℃前後の低温が保たれ、外気の変化がほとんど届かないため、瓶はきわめてゆるやかに時間を重ねていきます。最盛期にはこのカーヴに10万本を超える瓶が眠っていたとされ、1943年から1995年までの各年のヴィンテージがそのまま蓄えられていました。現在まで流通が確認できるのは1960年代末から1990年代半ばにかけての白と、1970年代・1980年代のロゼが中心です。

評価

ルネ・コラールの古酒は、ランスの星付きレストラン「レ・クレイエール」が個人生産者としては異例の規模でワインリストに揃えていたことでも知られます。長期熟成を経てもなお酸と骨格が保たれ、過度な老化感に傾かない酒質は、ピノ・ムニエ単一という構成に対する一般的な先入観をくつがえすものとして、熟成シャンパーニュを追う愛好家の間で長く語り継がれてきました。2009年に本人が世を去って以降、新たに仕込まれた瓶が加わることはなく、残された古酒は年を追うごとに希少なものとなっています。

詳細を閉じる

キュヴェ一覧

画像集