目次
Marie Tassin
マリー・タッサン
基本情報
| 地区 | Côte des Bar / コート・デ・バール - Barséquanais / バルセカネ |
| 村 | 10110 Celles-sur-Ource / セル=シュル=ウルス |
| 所在地 | - |
| 公式サイト | https://www.champagnefumeytassin.com/ |
| 製造業者種別 | RM |
商品更新情報
特徴・スタイル
歴史・ブランドストーリー
詳細
マリー・タッサンのブドウは、コート・デ・バール地区セル=シュル=ウルスの畑で育つ。同地は複数の谷が合流する地点に位置し、ウルス川が流れることで多様な微気候が生まれ、区画ごとに異なる表情を見せる。土壌は石灰質・粘土石灰質を基調とし、下層にはキンメリジャン期の地層が広がる。この地質はシャブリのブドウ畑とも共通しており、ミネラル感のある骨格を生む土台となっている。
ドメーヌ全体で栽培する品種はピノ・ノワールと希少なピノ・ブラン・ヴレの2種のみに絞られており、このシンプルな構成そのものがマリー・タッサンの個性を物語る。ピノ・ブラン・ヴレはシャンパーニュではごく限られた生産者しか手がけない伝統品種で、栽培には手間がかかるが、独特の香りと酸のニュアンスを与えてくれる。栽培は2015年以降、除草剤・殺虫剤を使用しない方針へと転換し、2016年にはHVEレベル3とVDC(シャンパーニュにおける持続可能な栽培の認証制度)を取得した。土壌や生態系への負荷を抑えながら、2025年までの完全な有機栽培への移行を目標に掲げ、家族一丸となって取り組みを重ねてきた。
収穫はすべて手摘みで行われ、区画ごとに選果したブドウを低圧でゆっくりと搾る。得られた果汁は沈殿によるデブルバージュを経て、温度管理下でアルコール発酵に入る。畑での丁寧な仕事を、醸造の工程でも崩さずに引き継ぐことが、このドメーヌの一貫した姿勢だ。
栽培の中心を担うピノ・ブラン・ヴレは、シャンパーニュではかつて広く植えられていたものの、現在ではごく一部の生産者にしか残っていない伝統品種だ。マリー・タッサンではこの品種に敬意を払い、代々受け継いだ樹をていねいに手入れしながら守り続けている。同じ畑と醸造設備は家族が営むもう一つのブランドとも共有されており、日々の作業は母と息子、そして次の世代の娘が力を合わせて進めている。世代を超えて受け継がれてきた土地への理解が、栽培のすみずみにまで行き渡っている。
コート・デ・バールはシャンパーニュ地方の南端、ブルゴーニュにほど近い一帯に広がる地区で、伝統的にピノ・ノワールの産地として知られてきた。マリー・タッサンはこの土地の個性を大切にしながらも、ピノ・ノワール一辺倒にとどまらず、希少なもう一つの品種にも光を当てることで、地区の中でも独自の立ち位置を築いている。
畑は9〜10ほどの区画に分かれ、それぞれ向きや傾斜が異なる。谷の合流点という立地がもたらす微気候の違いを生かし、区画ごとの個性を注意深く見極めながら収穫のタイミングを決めている。
| 自社畑面積 | 5ha(ドメーヌ全体) |
|---|---|
| 区画数 | 約9〜10区画 |
| 栽培品種 | ピノ・ノワール、ピノ・ブラン・ヴレの2品種 |
| ピノ・ブラン・ヴレ栽培面積 | 82.70a |
| 環境認証 | HVEレベル3、VDC(2016年取得) |
醸造方針
手摘みで運ばれたブドウは区画ごとに醸造工程へと進む。ロゼについては、果皮を果汁に浸けて色素と香味成分を引き出すロゼ・ド・マセラシオンの製法を採用しており、これは先代から受け継がれてきた家族の技法だ。マロラクティック発酵を経たのち低温安定化とろ過を行い、瓶内二次発酵へと進む。
デゴルジュマン(澱抜き)後は出荷までに最低3〜6ヶ月の熟成期間を設けており、瓶詰め後の落ち着いた状態でグラスに届くよう配慮している。畑での丁寧な仕事ぶりをそのまま醸造にも持ち込む姿勢が、少量生産ならではの完成度につながっている。
仕込みの規模は大きくない。ドメーヌで手がける2つの品種から生まれる限られた量のワインを、家族の目が届く範囲でていねいに管理する。大量生産では難しい細やかな調整を重ねながら、収穫年ごとの個性を生かした仕上がりを目指している。
マリーは家業の伝統を受け継ぎながらも、自らの名を冠したこのブランドに独自の表現を託した。品種選びから醸造の細部に至るまで、彼女らしい選択が随所に息づいている。
ブラン・ド・ブランとロゼという対照的な2つの表情を持つラインナップだが、根底に流れるのは同じ土地への敬意であり、素材の個性を丁寧に引き出す一貫した哲学だ。
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