Antonin Pehu / アントナン・ペウは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Verzenayを本拠とするRM / レコルタン・マニピュラン、いわゆる栽培醸造家の銘柄で、自社でブドウを育て、そのブドウでシャンパンを生産しています。
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目次

Antonin Pehu / アントナン・ペウ

Antonin Pehu

アントナン・ペウ

アントナン・ペウは、グラン・クリュ格付けの村ヴェルズネイで4代続く家族の、先代当主の名を冠したシャンパーニュです。羊や馬とともに手をかけた畑からピノ・ノワールを主体に造られ、木樽熟成が生む密度感と、重さを感じさせない伸びやかな酸を併せ持ちます。

基本情報

地区Montagne de Reims / モンターニュ・ド・ランス
- Grande Montagne de Reims / グランド・モンターニュ・ド・ランス
51360 Verzenay / ヴェルズネイ [Grand Cru]
所在地7 rue de la gare, 51360 Verzenay (Google Maps)
公式サイト-
製造業者種別RM

商品更新情報

特徴・スタイル

アントナン・ペウの味わいを形づくっているのは、ピノ・ノワール主体のアッサンブラージュと、木樽での熟成です。畑のあるヴェルズネイはグラン・クリュに格付けされた村で、そのピノ・ノワールが持つ厚みに、樽が静かな奥行きを重ねていきます。 とはいえ、樽の風味が前に出るタイプではありません。新樽の使用を抑え、テロワールの個性を損なわない造りが選ばれているためです。密度がありながら重くならず、口の中を軽やかに流れていく。そんなバランスが、このシャンパーニュの持ち味です。

歴史・ブランドストーリー

アントナン・ペウの物語は、1900年代初頭のヴェルズネイに始まります。一族の第一世代にあたる未亡人ペウが、この村でブドウを育て、自ら醸造し、販売するところから歩みが動き出しました。その仕事を受け継いだのが、第二世代のアントナン・ペウです。ブランド名に掲げられているのは、この人物の名前にほかなりません。 1970年代初頭、アントナンの子シャルル・ペウが、ヴィレ=マルムリーにも自家畑を持つ家系に生まれたマリー=クレール・シモネと結婚します。ふたつの家の名を組み合わせた新しいラベルが誕生したのはこのときで、一族のシャンパーニュづくりは村を越えた広がりを得ました。 1988年には第四世代のデイヴィッド・ペウが経営に加わり、2023年時点で36回目のヴィンテージを手掛けるまでになりました。羊や馬を畑に迎え入れ、樹木を植える取り組みを重ねてきたのも彼の代で、いまでは18歳になる息子とともに毎年アグロフォレストリーの植栽を続けています。

詳細

アントナン・ペウが拠点とするヴェルズネイは、モンターニュ・ド・ランスに位置するグラン・クリュ格付けの村です。この村で4代にわたって畑を守ってきた一族が受け継ぐのは、約7.5haのブドウ畑です。アントナン・ペウのシャンパーニュも、この一族のドメーヌが共有する畑と設備から生まれています。

畑に植えられているブドウは、ピノ・ノワールが8割、シャルドネが2割という構成です。黒ブドウを主役に据えたこの比率が、アントナン・ペウの骨格をつくる土台になっています。

畑仕事の主役は、機械だけではありません。下草の管理には羊が使われ、冬のあいだは畑で放牧されます。土を耕すのは馬で、重い機械が土壌を踏み固めることを避けています。ブドウ以外の植物や動物が畑に入り込む余地を残すことで、土と樹の力を引き出そうという考え方です。4代にわたって同じ村の畑と向き合ってきた家族だからこそ選べる、時間のかかるやり方です。

アグロフォレストリーの取り組みは10年来続いています。畑の境界には低木を植え、区画のなかには果樹を植え込むことで、ブドウ以外の樹木が畑の景色に混ざり合っていきます。果樹や低木が加わることで、ブドウだけが並ぶ単一の風景ではなくなり、畑そのものが少しずつ姿を変えてきました。現当主デイヴィッド・ペウは、この植栽を18歳の息子とともに毎年続けています。

栽培・醸造データ
自社畑面積約7.5ha
格付けグラン・クリュ(ヴェルズネイ)
品種構成ピノ・ノワール80%/シャルドネ20%
熟成容器の比率木樽60%/ステンレスタンク40%
主な樽容量228L(一部ドゥミ・ミュイ)
経営世代4代目

醸造方針

醸造では、ヴィンテージが許す限り天然酵母による発酵が選ばれます。補糖は必要な場合に限って行われ、マロラクティック発酵も全量ではなく部分的にとどめられています。手を加える工程をできるだけ絞り、その年のブドウが持っている性格をそのまま瓶に移そうとする姿勢が一貫しています。

熟成の器は、木樽が6割、ステンレスタンクが4割という比率です。木樽は228Lのものが中心で、一部にはより容量の大きいドゥミ・ミュイ(demi-muid)も使われます。ただし新樽の比率は低く抑えられており、樽の香りでテロワールの個性を覆ってしまわないことが優先されています。

リザーヴワインには、毎年の原酒を継ぎ足しながら育てていくペルペチュエル・リザーヴ(réserve perpétuelle)が一部で用いられ、複数年の蓄積が味わいの厚みを支えます。毎年少しずつ入れ替わりながら過去の収穫年が層になって残るこの方式は、ヴィンテージごとの差を埋め、ブランドの味わいに一貫性をもたらします。木樽を多く使う造りだからこそ、酸化に対する目配りも欠かせません。醸造の各段階で酸化のコントロールに注意が払われ、亜硫酸の添加量は少なめに抑えられています。

ブランドの成り立ち

アントナン・ペウという名は、この一族の第二世代にあたる人物、現当主から見て曽祖父にあたる造り手の名前です。一族は同じヴェルズネイの拠点から別のラベルも並行して手掛けており、アントナン・ペウはそのなかで、家の歴史を最も古くまでさかのぼる名を掲げるブランドという位置づけになります。

1900年代初頭に始まった栽培から数えて、一族が同じ村でシャンパーニュを造り続けてきた時間は1世紀を超えます。現当主が1988年から手掛けてきたヴィンテージも、2023年で36回を数えました。アントナン・ペウのラベルは、その積み重ねのなかで受け継がれてきた名前です。

評価

評価の面では、一族のドメーヌ全体に対して、フランスのワインガイド、ベタンヌ・エ・ドゥソーヴが5段階中3つ星を与えています。同ガイドはこのドメーヌのスタイルを「重さのない、密度感とトニックさ」と表現しており、木樽由来の密度と、飲み手を疲れさせない軽やかさが同居している点が評価されています。ピノ・ノワールの力強さを持ちながら重たくならないという、ヴェルズネイのグラン・クリュらしい姿がここに表れています。

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