Alexandre Chaillon / アレクサンドル・シャイヨンは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Aÿを本拠とするRNの銘柄です。
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目次

Alexandre Chaillon / アレクサンドル・シャイヨン

Alexandre Chaillon

アレクサンドル・シャイヨン

アレクサンドル・シャイヨンは、エンジニアから造り手に転身し、2017年にアイ村で自らのドメーヌを立ち上げた新しい世代のヴィニュロンです。母方の一族から受け継いだ畑をビオロジックで耕し、樽で発酵させた、料理に寄り添う「美食のシャンパーニュ」を少量だけ手がけています。

基本情報

地区Vallée de la Marne / ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
- Grande Vallée de Marne / グランド・ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
Aÿ-Champagne / アイ=シャンパーニュ
- 51160 Aÿ / アイ [Grand Cru]
所在地17 Rue Gambetta, 51160 Aÿ (Google Maps)
公式サイト-
SNS@champagne_alexandrechaillon
設立2017
製造業者種別RN
インポーターヴィヴィット
生産者表記EARL Alexandre Chaillon Vollereaux

商品更新情報

特徴・スタイル

アレクサンドル・シャイヨンが目指すのは、食卓の料理に寄り添う「美食のシャンパーニュ」です。ブドウ本来の輪郭を残すため、果汁は樽や卵型の陶製タンクで澱とともに発酵させ、マロラクティック発酵も自然に任せます。清澄も濾過も行わず、亜硫酸は圧搾時にごく少量を加えるだけにとどめます。 造りの工程で足す要素を減らすほど、ピエリーとブリュニー=ヴォダンクールの石灰質がもたらす張りのある酸と、果実のみずみずしさが素直に立ち上がります。純粋で生き生きとした、表現力に富む味わいです。

歴史・ブランドストーリー

アレクサンドル・シャイヨンの物語は、ブドウを売る家から、ブドウを醸す家への転換から始まります。母方のヴォルロー家はアイ村に暮らしながら、コトー・シュッド・デペルネに畑を持ち、その収穫のすべてを売り渡してきました。エンジニアだったアレクサンドルが2017年にその畑を継いだとき、手元にあったのは畑だけで、醸造所もセラーもありませんでした。 1985年生まれの彼は完璧主義で鋭い味覚の持ち主とされ、ゼロからの出発を好機と捉えました。畑は就農と同時にビオロジックへ転換し、醸造はアヴィーズの造り手のもとで研鑽を積みました。デビューとなる2018年(一部は2019年とのアッサンブラージュ)には5種類のキュヴェを生み出し、総生産量はわずか4,800本でした。 2020年にはビオロジックの認証を取得し、2022年までシャンパーニュの若手栽培家が集う団体の会長も務めました。持続可能な農業と除草剤を使わない栽培を掲げるその活動は、彼が畑で選んだ道そのものでもあります。母エリザベスがアイの自宅で長く営んだターブルドット(家庭料理でもてなす宿)の記憶も、料理とともにあるシャンパーニュという理想へ繋がっています。

詳細

アレクサンドル・シャイヨンの醸造所と住まいはグラン・クリュのアイ村にありますが、ブドウを育てる畑はそこから離れたコトー・シュッド・デペルネ地区にあります。畑はピエリーの「レ・ルナール(Les Renards)」と、ブリュニー=ヴォダンクールの「テール・ド・ブルー(Terres de Breux)」という2つのリュー・ディに分かれ、いずれもカンパニアン期からヤプレシアン期にかけての石灰岩・泥灰土・粘土が層をなす土壌です。この2つの区画は、そのままキュヴェの骨格を決める2つの個性として扱われています。自身のブランドは「Domaine d'Aÿeurs(ドメーヌ・ダイユール)」と名付けられ、アイという地名がその綴りに織り込まれています。

畑を継いだ2017年、シャイヨンは迷わずビオロジックへの転換に踏み切り、2020年に認証を取得しました。エンジニアという畑違いの職から転じた彼にとって指針となったのは、先にビオロジックへ踏み出していた同地の造り手たちの姿です。就農したその年のうちに動いたのは、区画ごとの違いを瓶の中で表現するにはまず土そのものを健全に保つ必要があるという判断からでした。

除草剤に頼らないため、毎年剪定の前には畑に羊を放ち、下草を食べさせます。収穫はすべて手摘みで、厳選したヴィエイユ・ヴィーニュから得られる最上のブドウだけを自社のシャンパーニュに充て、それ以外は地元の造り手へ売却するという線引きを守っています。品種構成はシャルドネが6割弱を占め、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエが続きます。

栽培・生産データ
栽培面積(2017年設立時)1.68ha
栽培面積(2020年前後)約3ha
区画数2リュー・ディ
品種構成シャルドネ59%/ピノ・ノワール23%/ピノ・ムニエ18%
年間生産本数(2018年デビュー時)約4,800本
年間生産本数(近年)約8,000本
ビオロジック2017年転換開始/2020年認証取得
発酵容器228L樽・300Lトノー・陶製卵型タンク(2019年導入)

醸造方針

収穫されたブドウはダイレクトプレスで搾られ、軽いデブルバージュ(前清澄)を経たのち、澱を残したまま発酵に入ります。発酵容器は228Lの樽と300Lのトノー、そして2019年以降に導入された陶製の卵型タンクで、いずれも果汁がゆるやかに空気と触れながら自発的に発酵するよう選ばれたものです。マロラクティック発酵も人為的に止めず自然に任せ、ワインはそのまま澱とともに熟成します。

瓶詰めは無清澄・無濾過で行い、瓶の中で二次発酵させます。ルミュアージュは機械に頼らず手で行い、デゴルジュマンはア・ラ・ヴォレで澱を抜きます。亜硫酸は圧搾のときに少量を加えるのみで、その後は添加しません。ドサージュにMCR(濃縮ブドウ果汁)を用いるのも同じ考えの延長で、リキュールでは別の要素が加わってしまうのに対し、MCRはワインへの影響が小さく、味わいが開くのを助けてくれるという判断によるものです。

こうした造りは、いずれも手数を増やすためではなく、畑で得たものを損なわずに瓶へ届けるための選択です。デビューヴィンテージの2018年に5種類のキュヴェを揃えて以来、区画と品種の組み合わせごとに小さく仕込む姿勢は変わらず、一つひとつのロットは限られた本数にとどまります。

若手世代とともに

2020年から2022年にかけて、シャイヨンはシャンパーニュの若手栽培家の利益を代表する団体の会長を務めました。持続可能な農業と除草剤を使わない栽培の普及を掲げる団体であり、自身の畑で選んだ道をそのまま同世代へ広げる役割を担ったことになります。

アイの拠点と目指す味わい

アイの拠点では、母エリザベスが長年ターブルドット(家庭料理でもてなす宿)を営み、現在はゲストハウスとして訪れる人を迎えています。料理とともにあるシャンパーニュという蔵の理想は、こうした家族の営みとも地続きです。ゼロから立ち上げたドメーヌの生産規模はいまも小さく、造られる本数は限られていますが、その一本一本に畑と食卓を結ぶ姿勢が込められています。

シャイヨン自身が掲げるのは、純粋で生き生きとした、みずみずしい構造を備えた美食のシャンパーニュという像です。畑で選び抜いたブドウを、余計な手を加えずに瓶へ収めるという一連の判断は、すべてこの一点に向かっています。

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