「キュヴリー」とは

Cuverie / キュヴリー

■ ワイン全般における位置づけ キュヴリーとは、ブドウのプレシュラージュや発酵など、収穫後の仕込み作業を行う醸造施設を指すフランス語です。フランス語で発酵槽を意味する「キュヴ」(cuve)が語源で、キュヴェという言葉ともルーツを共有しています。瓶を横に寝かせて熟成させる地下貯蔵庫(カーヴ)とは役割が異なり、キュヴリーは主に地上にあり、圧搾機やタンク、樽が並ぶ「工場」に近い機能を担う空間です。 ■ シャンパーニュにおけるキュヴリー シャンパーニュのメゾンは、白亜質の丘陵地下に広がる長大な貯蔵用セラー(カーヴ)を持つことで知られていますが、これは瓶詰め後の熟成を担う空間であり、圧搾や発酵といった仕込み作業そのものはキュヴリーで行われます。近年は、ヴァンダンジュで運び込まれたブドウをできるだけ優しく扱うため、高低差を利用して重力だけでブドウを移動させる「グラビティ・フロー」方式を採用した最新鋭のキュヴリーを新設するメゾンが増えています。伝統的な地下カーヴのイメージが強いシャンパーニュですが、キュヴリーは技術投資や見学ツアーの目玉として、モダンな建築で造られることも多く、産地の「顔」のひとつになっています。 小規模なヴィニュロン・アンデパンダンの場合は、自宅や納屋の一角がそのままキュヴリーを兼ねていることも珍しくなく、規模によってその姿は大きく異なります。いずれにしても、デブルバージュマロラクティック発酵といった、ワインの骨格を決定づける工程が行われる場所として、キュヴリーはシャンパーニュ造りの心臓部といえる存在です。