コート・デ・バール とは

コート・デ・バール / Côte des Bar

シャンパンの生産地区のひとつ。

コート・デ・バールはシャンパーニュの南東に位置し、景観はマルヌの白亜質の平原の中にあって、谷の集まりによって浪状に入り組んだ形になった丘陵が際立っています。平均10度近くの勾配があり、幅数百メートルの広さで、丘陵の頂部は針葉樹に囲まれていてこの産地の風景を特徴づけています。

コート・デ・バールの主要葡萄品種はピノ・ノワールで、栽培面積の8割を占めています。シャルドネも白亜の石灰質の土壌から、高品質なものが生まれます。ピノ・ムニエを栽培している生産者は殆どいないといっていいでしょう。何故なら、ピノ・ムニエは、高級品種のピノ・ノワールやシャルドネが北限のランス、エペルネ一帯で雹の被害や花ぶるいなどリスクを避けるために、格付けのない畑や低斜面で植えられる、いわば保険の葡萄だからです。
コート・デ・バールではムニエよりアルバンヌという土着品種の方が土壌と気候にあっていたようで栽培されていましたが、今では淘汰され激減している品種です。

コート・デ・バールでは、シャンパーニュとコトー・シャンプノワの生産の他に、リセの村のピノ・ノワール種から、ロゼ・デ・リセのアペラシオンで有名な非発泡性のロゼワインが作られている。ロゼ・デ・リセのアペラシオンのようにワインにその由来する村の名前を付け加えるのは、シャンパーニュ地方では例外的にこの産地に見られるだけである。

また、コート・デ・バールは歴史的に見れば非常に波乱に富んだものといえ、ひとつ挙げるとすれば、オーブ県の産地がシャンパーニュのワイン生産に適している事を理解させた1911年の暴動がありました。

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