Michel Fallon / ミシェル・ファロンは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Avizeを本拠とするRM / レコルタン・マニピュラン、いわゆる栽培醸造家の銘柄で、自社でブドウを育て、そのブドウでシャンパンを生産しています。
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目次

Michel Fallon / ミシェル・ファロン

Michel Fallon

ミシェル・ファロン

ミシェル・ファロンは、コート・デ・ブランのグラン・クリュ村アヴィーズで、年間約1,000本だけを仕込む極小規模の造り手です。名門ジャック・セロスで栽培・醸造チームを率いる人物が、自らの名で手がけるシャンパーニュ。シャルドネ100%のブラン・ド・ブランに、白亜土壌の切れ味が凝縮されています。

基本情報

地区Côte des Blancs / コート・デ・ブラン
村51190 Avize / アヴィーズ [Grand Cru]
所在地1 Rue Truffart, 51190 Avize (Google Maps)
公式サイト-
製造業者種別RM
インポーターヴィヴィット
生産者表記Michel Fallon

商品更新情報

特徴・スタイル

ファロンのシャンパーニュは、アヴィーズの白亜土壌が育てたシャルドネだけで造られるブラン・ド・ブランです。樽で発酵・熟成させ、糖分を加えないドサージュ・ゼロで仕上げるため、味わいの輪郭がまっすぐに立ち上がります。 キーワードは「切れ味」と「躍動感」。樽由来のふくらみやほのかな酸化的ニュアンスをまといながら、後味は驚くほど軽やかで、ミネラルを思わせる張りのある酸が余韻を引き締めます。ボリュームで押すのではなく、エネルギーの張りで魅せるタイプ。少量生産ゆえの手仕事の細やかさが、そのまま一杯の緊張感になって表れるシャンパーニュです。

歴史・ブランドストーリー

ミシェル・ファロンのシャンパーニュは、ひとりの職人がアヴィーズで積み上げた20年以上の時間から生まれました。2000年、ファロンはアンセルム・セロスのドメーヌで働き始め、やがて栽培・醸造チームを率いる立場に。セロス流の畑仕事と醸造を最も深く理解する一人と評されるまでになります。 その一方で、彼はアヴィーズに点在するごく小さな区画を、同じ哲学で長年手入れし続けていました。ただし収穫したブドウはすべて地元の協同組合へ。自分の名でシャンパーニュを造る発想は、まだありませんでした。 転機は2000年代半ばから後半にかけて訪れます。セロスから自分用にごくわずかなブドウを取り分ける許可を得て、ファロンは初めて自身の仕込みに着手。2012年、最初の1本「オザンヌ」がわずか約400本という規模でリリースされます。 その後アヴィーズに1haの区画を新たに取得して生産をゆるやかに広げ、2023年には妻の名を冠したセカンドライン「ブリジット・ファロン」をスタート。師の背中を見て育った造り手の物語は、いまも静かに続いています。

詳細

ミシェル・ファロンの畑は、コート・デ・ブランのグラン・クリュ村アヴィーズにあります。主力のブラン・ド・ブランに使われる区画は、村内の5つのリュー・ディ(区画名)に分散した合計0.3812haという、シャンパーニュ地方でも屈指の小ささです。区画が細かく散らばっていることは、一見すると効率の悪さでしかありません。しかし区画ごとに土の状態や日当たりは少しずつ異なり、複数のリュー・ディを組み合わせることで、単一の畑では得られない味わいの層をつくることができます。

土壌はコート・デ・ブランらしい白亜(チョーク)質。保水性と排水性を両立するこの土壌は、シャルドネに硬質でまっすぐな酸をもたらします。樹齢も大きな資産で、5区画のうち4つは平均樹齢約60年、残る1区画は樹齢98年に達する古樹です。深く根を張った古い樹は収量こそ落ちますが、乾燥した年でも安定して実を熟させ、凝縮感のある果実をもたらします。

栽培は、必要最小限の介入にとどめるリュット・レゾネ(lutte raisonnée)を基本としながら、殺虫剤をはじめとする農薬は使わない方針を貫いています。ファロンが参照するのは、日本の福岡正信が提唱した自然農法の考え方で、有機栽培やビオディナミの技法も畑の状態に応じて取り入れる独自のアプローチを採ります。公式な有機認証を取得しているわけではなく、本人も肩書きとして名乗ることはありません。畑で起きていることを見て判断するという現場主義が、そのまま栽培スタイルになっています。

栽培・生産データ
自社畑面積(主力区画)0.3812ha
区画数5リュー・ディ
新規取得畑1ha
品種構成シャルドネ100%
平均樹齢約60年(5区画中4区画)
最古樹の樹齢98年
年間生産量約1,000本
使用樽容量400L・228L
新樽比率20%以下
リザーヴワインソレラ方式・10ヴィンテージ
直近ヴィンテージ比率約60%

醸造方針

ファロンは自宅に醸造設備を持ちません。仕込みから熟成、瓶詰め、デゴルジュマンまでの全工程を、本業の職場でもあるアンセルム・セロスのセラーで行っています。設備を借りるという形は一見不自由に映りますが、日々使い慣れた道具と環境で自分のブドウに向き合えるという点では、きわめて理にかなった選択です。

発酵と熟成は樽で行われます。使用するのは400Lまたは228Lの樽で、新樽比率は20%以下に抑え、木の風味が果実を覆い隠さないよう配慮されています。酵母は培養酵母を加えず土地の天然酵母に委ね、マロラクティック発酵も止めずに自然に進行させます。

特徴的なのが二次発酵の方法です。収穫時に自身のブドウ果汁の一部を発酵させずに冷凍保存しておき、瓶詰めの際にこれを加えて瓶内二次発酵を起こします。糖と酵母を外から持ち込むのではなく、同じ畑の果汁そのものを泡の材料にするという発想で、ブドウの出自を最後まで一貫させる狙いがあります。

リザーヴワインの管理にはソレラ方式を採用し、10ヴィンテージ分を継ぎ足しながら樽に蓄えています。ブレンドに占める直近ヴィンテージの比率は約60%で、残りを長い年月をかけて積み重ねたリザーヴワインが担います。その年の個性を前面に出しつつ、過去の収穫の記憶が土台として味を支える設計といえます。仕上げは糖分を加えないドサージュ・ゼロ、栓はコルクと針金で留められます。

評価と評判

年間生産量が約1,000本という規模にもかかわらず、ファロンのブラン・ド・ブランは早い段階から専門メディアの注目を集めてきました。2012年、ヴィナス(Vinous)のアントニオ・ガローニは、その年の試飲で最もポジティブな驚きをもたらしたワインの一つとして取り上げ、セロスのセラーで仕込まれる極小生産のシャンパーニュとして紹介しました。

評価の言葉として繰り返し登場するのは、純粋さ、ミネラル感と繊細さ、そして表現の明瞭さです。師であるセロスのシャンパーニュが力強く質感豊かだとすれば、ファロンのそれは切れ味と躍動するエネルギーで魅せるタイプだと語られます。2023年には妻の名を冠したセカンドラインも加わり、アヴィーズの小さな造り手の名は少しずつ知られるようになってきました。

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