Joël Michel / ジョエル・ミッシェルは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Braslesを本拠とするRM / レコルタン・マニピュラン、いわゆる栽培醸造家の銘柄で、自社でブドウを育て、そのブドウでシャンパンを生産しています。
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目次

Joël Michel / ジョエル・ミッシェル

Joël Michel

ジョエル・ミッシェル

ジョエル・ミッシェルは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ西部のブラスル村で自社畑のブドウだけを使うRM(レコルタン・マニピュラン)です。1979年から半世紀近くかけて農薬を手放し、補糖も濾過も行わない自然な造りを貫いてきました。現在は創業者の娘がその哲学を受け継いでいます。

基本情報

地区Vallée de la Marne / ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
- Vallée de la Marne Ouest / ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエスト
02400 Brasles / ブラスル
所在地1 Place Brigot, 02400 Brasles (Google Maps)
公式サイト-
Maildomaine@champagnejoelmichel.com
SNS@champagnejoelmichel
Tel+33 (0)3 23 69 01 10, +33 (0)3 23 69 38 18(fax)
製造業者種別RM

商品更新情報

特徴・スタイル

ジョエル・ミッシェルのシャンパーニュは、余計な手を加えないことで生まれる素直な味わいが持ち味です。補糖も補酸も行わず、清澄や濾過、低温処理といった仕上げの工程も踏まないため、ブドウが育った年の姿がそのままグラスに映し出されます。 区画ごとに分けて醸されたワインは、ステンレスタンクと樽を組み合わせて発酵させることで、果実の輪郭と樽由来の奥行きが同居する味わいに向かいます。瓶の内側に酒石酸の結晶が付くことがありますが、これは何も足していない自然なワインである証として、造り手自身が前向きに受け止めています。

歴史・ブランドストーリー

ミッシェル家がシャンパーニュ地方でブドウを育て始めたのは1847年のことで、当初はヴァレ・ド・ラ・マルヌのムーシー村を拠点としていました。一族がマルヌ川右岸のブラスル村へ移り、自らの名を冠したワイン造りを始めたのは1970年です。シャトー=ティエリに隣接するこの村は、産地の西寄りに位置し、南向きの斜面が穏やかな日照をもたらします。 創業者ジョエル・ミッシェルの歩みは、畑から余分なものを一つずつ取り除いていく道のりでした。1979年に防腐剤の使用をやめたのを皮切りに、1983年には草を生やす自然草生栽培を導入し、1992年には殺虫剤と殺ダニ剤を全廃します。2002年以降は軽量の機材で土を耕すことで、除草剤に頼らない畑仕事を実現しました。30年以上をかけて一歩ずつ進められたこの転換は、流行を追ったものではなく、日々の畑仕事の積み重ねから生まれたものです。 その姿勢は次の世代へと引き継がれ、現在は娘のクレール・ミッシェルが運営の中心を担っています。2019年にはシャルドネ世界コンクールで金賞を獲得し、長年の取り組みが国際的な舞台でも評価されました。

詳細

ジョエル・ミッシェルの本拠地ブラスルは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌの西端近く、マルヌ川右岸に位置する村です。シャトー=ティエリの市街に隣接し、ランスやエペルネといった中心地からは離れた、地方色の濃い一帯にあたります。自社畑は村の南向き斜面に広がり、朝から午後にかけて長く日を受けることで、冷涼な西部でもブドウが確実に完熟へ向かう条件が整っています。栽培品種はシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3種で、ピノ・ムニエとシャルドネが主体を占めるこの地区の性格を素直に映した構成です。

土壌は硬質の石灰岩を基盤に、その上を粘土質の重い土が覆う構造をしています。粘土は水を含みすぎると根が酸素を得にくくなる難しさを抱える一方、下層の石灰質が余分な水を逃がしつつ乾燥期には水分を蓄えるため、両者が組み合わさることで天候の振れが大きい年でも樹が安定します。カリウムが少なくマグネシウムに富むという成分の偏りも、この土地ならではの個性としてワインの骨格に影響を与えています。

栽培では、化学的な資材に頼らない道が長い時間をかけて選び取られてきました。1979年の防腐剤撤廃に始まり、1983年の自然草生栽培の導入、1992年の殺虫剤・殺ダニ剤の全廃、2002年以降の軽量機材による中耕へと、段階を追って農薬と除草剤が畑から姿を消していきました。畑に草を生やす手法は表土の流亡を防ぐと同時に、ブドウの根を水と養分を求めて深く伸ばす効果があり、冬季には堆肥由来の腐植質を土に還すことで土壌そのものの力を養っています。認証ラベルを掲げるよりも、日々の畑仕事の中身を積み上げることを選んできた造り手だといえます。

栽培・醸造データ
栽培面積13ha(公式サイト)/12ha(2013年時点)
栽培品種数3品種
澱との接触期間(スタンダード)最低24か月
澱との接触期間(ミレジメ)最低108か月
デゴルジュマン後の熟成最低3か月
ドサージュ8g/L(ブリュット)

醸造方針

収穫されたブドウは区画ごとに分けて醸され、健全に完熟した果実だけが使われます。醸造の考え方は栽培と地続きで、補糖や補酸、脱色、培養酵母の添加、酵素処理、清澄、濾過、低温処理といった工程を一切行いません。発酵はステンレスタンクと樽を併用して行われ、その比率はワインの性格に応じて変わります。果実味を軸にしたものはタンク主体、厚みと複雑さを求めるものは樽の比率を高め、全量を樽で発酵させる造りも用意されています。

瓶内二次発酵を経たワインは、澱とともに長い時間を過ごします。複数年のワインを組み合わせるスタンダードなキュヴェでも澱との接触は最低24か月、収穫年を明記するミレジメでは最低108か月、およそ9年に及びます。デゴルジュマンの後もさらに数か月落ち着かせてから出荷され、泡と味わいがなじんだ状態で届けられます。ドサージュはブリュットで8g/Lと控えめで、長い熟成が生んだ厚みを糖分で補うのではなく、そのまま味わいの中心に据える方針が貫かれています。

熟成中のボトルには酒石酸の結晶が生じることがありますが、これは低温処理を行わないワインに自然に現れるもので、造り手は欠点ではなく無添加の証として位置づけています。

評価とラインナップ

2019年には、世界のシャルドネを対象とする国際コンクール「シャルドネ・デュ・モンド」で金賞を獲得しました。長年にわたる栽培の転換と長期熟成の方針が、国際的な審査の場で形になった成果です。

ラインナップは、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエをブレンドしたスタンダードなブリュットを軸に、甘みを残したドゥミ・セックやドゥー、黒ブドウ主体のロゼ、収穫年を明記したミレジメ、樽発酵によるミレジメ、シャルドネのみで仕立てたブラン・ド・ブランへと広がります。さらにシャンパーニュ以外にも、自社のブドウを蒸留したマール・ド・シャンパーニュ、果汁にオー・ド・ヴィを加えた食前酒ラタフィア、泡を持たないスティルワインのコトー・シャンプノワまで手掛けており、この土地のブドウを余さず生かそうとする姿勢が製品の幅にも表れています。

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