Fallet-Crouzet / ファレ・クローゼは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Avizeを本拠とするRM / レコルタン・マニピュラン、いわゆる栽培醸造家の銘柄で、自社でブドウを育て、そのブドウでシャンパンを生産しています。
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目次

Fallet-Crouzet / ファレ・クローゼ

Fallet-Crouzet

ファレ・クローゼ

ファレ・クローゼは、コート・デ・ブランのグラン・クリュ、アヴィーズ村に根ざす家族経営の造り手です。1957年の自家元詰め開始以来、平均樹齢50年に達するシャルドネの古木と、最低7年におよぶ長い瓶熟成にこだわり、骨格のあるブラン・ド・ブランを静かに造り続けています。

基本情報

地区Côte des Blancs / コート・デ・ブラン
村51190 Avize / アヴィーズ [Grand Cru]
所在地56 rue Pasteur, 51190 Avize (Google Maps)
公式サイト-
製造業者種別RM
生産者表記MARTINE FALLET-CROUZET

商品更新情報

特徴・スタイル

ファレ・クローゼが手がけるのは、アヴィーズのシャルドネだけで仕立てるブラン・ド・ブランです。当年に収穫したブドウに前年のワインを3分の1ほど重ねるアッサンブラージュと、オーク材のフードル(大樽)を用いたマロラクティック発酵によって、線の細さよりも厚みと骨格が前に出る味わいが生まれます。 そこに最低7年の瓶熟成が加わることで、若さの角が取れ、熟成に由来する香ばしさと丸みが加わります。ドザージュはノン・ドゼからブリュットまで数段階を用意し、同じ畑の個性を糖分の違いで映し分けています。

歴史・ブランドストーリー

ファレ・クローゼの物語は、1957年、アヴィーズのファレ夫妻が自家元詰めを始めたところから動き出します。1960年には最初のキュヴェを商業化し、夫は醸造からデゴルジュマン(澱抜き)までを約50年にわたって手作業で担い続けました。瓶熟成に最低7年をかけるという時間を惜しまない方針も、この時代に築かれたものです。 夫の死後は夫人が単独でドメーヌを守り、夫妻亡きあとは次女のマルティーヌ・ファレ・クローゼが姉とともに畑と蔵を引き継ぎました。医師という本業を持つ彼女は、週に1日ほどをドメーヌに充てながら、家族が積み上げてきた造りを絶やさずに続けてきました。 そして2025年、マルティーヌの息子トマ・クローゼが地方紙の記者という職を離れ、栽培・醸造から販売までの実務を受け継ぐためにドメーヌへ戻りました。祖父母が始めた小さな元詰めの営みは、こうして次の世代の手へと受け継がれようとしています。

詳細

ファレ・クローゼの畑は、コート・デ・ブランの中核をなすアヴィーズ村に広がります。アヴィーズはエペルネの南へ連なる丘陵地帯のほぼ中央に位置し、村全体がシャンパーニュの格付けで最高位のグラン・クリュに認定された、白ブドウのシャルドネの銘醸地です。ファレ家が受け継いできた区画は合計5haで、南東に面した緩やかな斜面に位置しています。朝から午前中にかけて日差しを受ける向きは、ブドウをゆっくりと確実に成熟させるうえで有利に働きます。

土壌は、コート・デ・ブランを特徴づける石灰質です。表土の下に厚く横たわる白亜(チョーク)は、水を蓄えつつ余分な水分は排出する性質を持ち、乾燥した年でも樹が水を求めて深く根を伸ばせる環境をつくります。白亜の層はシャンパーニュのなかでもコート・デ・ブランに厚く分布しており、シャルドネの繊細な風味をまっすぐに映し出す土地として評価されてきました。この土地のシャルドネに張りのある酸と引き締まった風味が宿るのは、こうした地質によるところが大きいと考えられています。

植えられているブドウはシャルドネが主体で、平均樹齢は50年に達します。中には約80年を数える古木も残っており、収量こそ多くはないものの、凝縮した果実を実らせます。植え替えを急がず樹を長く使い続ける姿勢は、その年の生産量よりも一房ごとの質を優先する、家族経営ならではの選択といえます。規模の拡大を追わず、5haという広さのなかで手の届く仕事を積み重ねてきたことが、このドメーヌの造りを支えています。

栽培・生産データ
栽培面積5ha
主要品種シャルドネ
平均樹齢50年
最古樹の樹齢約80年
アッサンブラージュ比率当年収穫のワイン3分の2/前年のワイン3分の1
瓶熟成期間最低7年
地下カーヴ3層構造(掘削は300年以上前)

醸造方針

ファレ・クローゼの造りの核にあるのは、当年に収穫したブドウのワイン3分の2と、前年のヴィンテージのワイン3分の1を合わせるアッサンブラージュです。これは、ブレンド用に取り置かれたリザーヴワインにあたる役割です。前年のワインを一定の比率で組み込むことで、収穫年ごとの出来不出来の振れ幅をやわらげ、年が変わっても揺らがない骨格を確保しています。単一年のワインだけで仕上げる場合に比べ、若いワインの粗さが落ち着き、香りにも厚みが加わります。

発酵に使われるのは、オーク材のフードル(大樽)です。ステンレスタンクに比べて温度変化がゆるやかな大樽の中で、酸をやわらげるマロラクティック発酵を通すことで、シャルドネの鋭い酸に丸みが生まれ、木に由来するニュアンスがごく控えめに重なります。強い樽香を付けるためではなく、ワインの質感を整えるために木を用いる、という考え方です。

瓶詰めの後は、最低7年におよぶ長い瓶熟成をとります。法律が定める最低熟成期間を大きく超えるこの方針は、創業世代が最初のキュヴェを世に出した時点で定められ、現在まで変わっていません。瓶の中で澱とともに過ごす時間が長いほど、泡はきめ細かくなり、味わいにも奥行きが生まれるとされています。仕上げのドザージュ(加糖)は、糖分を加えないノン・ドゼからエクストラ・ブリュット、ブリュットまでを揃え、同じ原酒を糖分の違いで飲み比べられる構成になっています。

地下カーヴと熟成環境

アヴィーズの家屋の地下には、300年以上前に白亜の岩盤を掘って造られたカーヴが3層にわたって広がっています。地中深くのカーヴは年間を通じて温度がほとんど変わらず、湿度も安定しているため、長い瓶熟成に理想的な環境が自然に保たれます。最低7年という長期熟成の方針は、こうした蔵の構造があってはじめて現実的なものになります。

動瓶(ルミュアージュ)には、伝統的なピュピートル(A字型の木製棚)と、機械式のジャイロパレットを併用しています。創業世代の夫は、澱を抜くデゴルジュマンの工程を約50年にわたって手作業で担い続けました。設備の一部が現代化された今も、瓶を1本ずつ手で扱う感覚は、この家族の造りに受け継がれています。

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