Clément & Fils / クレモン・エ・フィスは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Congyを本拠とするRM / レコルタン・マニピュラン、いわゆる栽培醸造家の銘柄で、自社でブドウを育て、そのブドウでシャンパンを生産しています。
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目次

Clément & Fils / クレモン・エ・フィス

Clément & Fils

クレモン・エ・フィス

クレモン・エ・フィス(Clément & Fils)は、コンジー村で自社畑の栽培から醸造まで一貫して手掛けるレコルタン・マニピュラン(栽培醸造家)。畑に息づく野生植物の名をキュヴェに刻み、土壌の個性をそのまま瓶に映し出す、四代目が受け継ぐ造り手である。

基本情報

地区Val du Petit Morin / ヴァル・デュ・プティ・モラン
51270 Congy / コンジー
所在地15 Rue des Prés, 51270 Congy (Google Maps)
公式サイトhttps://champagneclementetfils.com/
SNS@champagneclementetfils
Tel+33 (0)3 26 59 31 19, +33 (0)3 26 59 22 63(fax)
製造業者種別RM
インポーターアドヴィス株式会社

商品更新情報

特徴・スタイル

クレモン・エ・フィスが目指すのは、代々受け継がれてきた自社圧搾機と手作業の動瓶・澱抜きに裏打ちされた、ドメーヌ固有の「goût maison」だ。除草剤や殺虫剤に頼らない栽培を軸に、被覆植物の活用や不耕起など土壌への負荷を抑える試みを重ね、畑には希少な野生植物が戻りつつある。ワスレナグサ(ミオソティス)のように、そこに芽吹く植物の名をキュヴェに冠する姿勢は、土地の記憶をボトルへ映し出そうとするドメーヌの哲学を映している。

歴史・ブランドストーリー

クレモン・エ・フィスの物語は、20世紀初頭のコンジー村で畜産・酪農・農業とブドウ栽培を営んでいた一家に始まる。転機となったのは、51歳にして自社畑のブドウでシャンパン造りを志したアンリ・ブリュルフェールだ。彼は伝統的な圧搾機を備えた建屋を築き、1958年に「シャンパン・アンリ・ブリュルフェール」として商業化を果たした。1975年、事業は3人の娘に引き継がれる。末娘アンヌ・マリーは同じく農家出身のダニエル・クレモンと結婚し、生まれた息子ロベールとセルジュの兄弟が「クレモン・エ・フィス」を興し、ロベールの妻ニコルも経営に加わった。1981年から現在のブランド名で歩みを続けるドメーヌは、2013年にセルジュの息子オレリアンが栽培と醸造を学び始め、2017年に初のヴィンテージを担当。現在は4代目としてドメーヌを率いている。

詳細

クレモン・エ・フィスは、コート・デ・ブランとコート・ド・セザンヌを結ぶヴァル・デュ・プティ・モラン地区のコンジー村を拠点に、4代にわたって歩みを重ねてきた家族経営のドメーヌである。栽培から醸造、瓶詰めまでをすべて自らの手で行うレコルタン・マニピュラン(栽培醸造家)として、現当主オレリアン・クレモンのもとでシャンパーニュ造りを続けている。自社畑はコンジーとコワザール=ジョッシュの2村にまたがるほか、遠く離れたコート・デ・バールのレ・リセにも区画を持ち、異なるテロワールに由来するシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエというシャンパーニュの主要3品種を、すべて自社栽培でまかなう体制を整えている。

畑の土壌は粘土質で、石灰質の母岩の上にフリントを豊富に含んだ層が厚く重なる。粘土がワインに丸みとコクを与え、チョークの母岩がミネラル感と塩味を思わせる輪郭を刻むという、対照的な性格の組み合わせが持ち味だ。ヴァル・デュ・プティ・モランは、ブリー・シャンプノワーズとシャロン台地の高低差が生んだ地形で、プティ・モラン川の水源であるサン・ゴン湿地帯に面している。傾斜は比較的緩やかで、起伏に富んだ田園風景がひろがるこの一帯に、ドメーヌの畑は点在している。この起伏が生む緩やかな傾斜と、フリントを含む水はけのよい土壌が、健全なブドウ栽培を支えている。

コンジーの主要区画レ・コルナンボー(Les Cornambeaux)は1961年に植樹された0.6026haの畑で、樹齢60年を超える古木からシャルドネ100%の果実を得る。単一区画キュヴェの原料となっており、区画ごとの個性を丁寧に見極める姿勢がうかがえる。こうした一区画ごとの丁寧な管理が、ドメーヌ全体の品質基準を支えている。

栽培では除草剤や殺虫剤に頼らず、被覆植物の播種や不耕起といった土壌への負荷を抑える取り組みを続けてきた。被覆植物は土壌の保水力や微生物相を保つ役割を担い、不耕起は土壌構造や既存の生態系を守る狙いがある。その結果、畑には希少な在来の野生植物種が戻りつつあることが確認されており、ワスレナグサ(ミオソティス)やアドニス・アンヌアなど、その一部の種名をキュヴェ名に採用している。こうしたキュヴェ名の付け方は、単なる商品名ではなく、畑の生態系そのものを物語る手段になっている。2020年からは有機栽培への転換を進めており、2023年にはマルヌ県内の畑で、2025年には全体で有機認証を取得したとされる。こうした土づくりの積み重ねが、コンジーの畑ならではの個性をワインに映し出す土台となっている。

栽培・醸造データ
項目データ
自社畑面積6.5ha
ヴァル・デュ・プティ・モラン(コンジー、コワザール=ジョッシュ)5.5ha
レ・リセ(コート・デ・バール)1ha
主要区画レ・コルナンボー面積0.6026ha
主要区画植樹年1961年
自社圧搾機容量4000kg(1マルク)
圧搾サイクル2時間に1回

醸造方針

自社畑のブドウを自ら圧搾できる体制は、レコルタン・マニピュランとして品質を最初の工程から管理できることを意味している。収穫後の瓶詰めからルミュアージュ(動瓶)、デゴルジュマン(澱抜き)、アビヤージュ(ラベリング)まで、瓶周りの全工程を手作業で行っており、一本一本の状態を見極めながら仕上げる姿勢を貫いている。圧搾には1958年にアンリ・ブリュルフェールが導入した伝統的な圧搾機を今も使用しており、容量4000kg、1マルクと呼ばれるシャンパーニュ地方の伝統的な圧搾単位を守りながら、村内で稼働する同世代の圧搾機としては最後の1台となっている。2017年には新たに傾斜盤式の圧搾機を増設し、2時間ごとに1回という圧搾サイクルを実現。収穫直後のブドウ果汁の鮮度を保つ工夫が凝らされている。単一区画キュヴェ「レ・コルナンボー」は、シャンパーニュ地方の伝統的な205Lの樽(ピエス・シャンプノワーズ)で醸造される。こうした手仕事の積み重ねが、伝統に根差しながらも土地の個性を映し出す、クレモン・エ・フィスならではのシャンパーニュを生み出している。

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