Benoit Munier / ブノワ・ムニエは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Cuisを本拠とするRC / ブドウ農家の銘柄で、育てたブドウを生産者協同組合にもちこみシャンパンを生産しています。
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Benoit Munier / ブノワ・ムニエ

Benoit Munier

ブノワ・ムニエ

ブノワ・ムニエは、コート・デ・ブランの5つのグラン・クリュ村に散らばる33区画、わずか1ha60の畑からシャルドネのみを醸す家族経営メゾン。曾祖父から4代続く畑仕事の系譜と、認証に頼らずケミカルフリー栽培を貫く当主の哲学が、一本一本に息づいている。

基本情報

地区Côte des Blancs / コート・デ・ブラン
村51530 Cuis / キュイ [Premier Cru]
所在地1 rue Proquot, 51530 Cuis (Google Maps)
公式サイトhttps://www.champagne-grand-cru.fr/
Mailchampagne.munier@gmail.com
SNS@champagne_benoit_munier
Tel+33 (0)3 26 56 92 33
製造業者種別RC

特徴・スタイル

ブノワ・ムニエの真骨頂は、区画ごとの個性をそのまま活かす醸造にある。2015年からはタンクではなく収穫時点で区画ごとにアッサンブラージュを決めるため、配合比率は毎年表情を変える。畑では2014年から化学農薬からの脱却を進め、ブジーの区画では銅・硫黄・エッセンシャルオイルのみで栽培する無農薬に到達、施肥もやめた。当主は「いかなる認証も標榜していない」と語るが、それは看板より実践を選んだ結果だ。全区画シャルドネから生まれるスタイルは、淡い金色に緑がかった照りをまとい、白い花の繊細な香りとフレッシュな柑橘のアタックから、調和のとれた余韻へとつながっていく。

歴史・ブランドストーリー

物語は1930年代、当主の曾祖父コンスタン・ジャンドロンから始まる。アンボネイ出身の農作業員だった彼は、隣村ブジーの一角「ピエール・エーグ(Pierres aigues)」にわずか1a82の土地を購入し、ピノ・ノワールの産地として知られるこの村であえてシャルドネを植えた。息子アンドレとその妻エミリエンヌが畑を継ぎ、1950年代にはクラマンへ移住してシュイィにも区画を追加。1970年代、コンスタンの孫にあたるマリー=クロードがクラマン生粋のパトリス・ムニエと結婚し、夫妻は名門メゾンで働きながら貯めた蓄えをコート・デ・ブラン各地の小区画購入に注ぎ込んだ。 13歳でアヴィーズの醸造学校に進んだ当主ブノワ・ムニエは、見習いを経て畑仕事の請負業を起業。1997年頃にはアヴィーズの協同組合「レ・ヴィティキュルトゥール・ダヴィーズ」に加わり、ブドウを持ち寄る組合員として醸造にも関わるようになる。20歳で家業の1ha15を継承した際、それまでネゴシアンに売っていたブドウを自らボトル詰めする決意を固めた。2011年からは妻セヴリーヌが経営に合流し、着実に歩みを続けている。

詳細

ブノワ・ムニエの登記上の拠点はコート・デ・ブランのキュイ村にあるが、自社畑はキュイ村内には一切なく、クラマン・アヴィーズ・オジェ・シュイィ・ブジーという5つのグラン・クリュ村に分散している。所有面積は1ha60、区画数は33に及び、いずれの区画も品種はシャルドネで統一されている。ピノ・ノワールの産地として知られるブジーの区画にもシャルドネを植えているのは、このメゾンの成り立ちそのものに由来する選択である。

最古の区画は1930年代、当主の曾祖父コンスタン・ジャンドロンがブジーのリュー・ディ「ピエール・エーグ(Pierres aigues)」に購入した1a82の土地にさかのぼる。息子アンドレとその妻エミリエンヌが畑を継ぎ、1950年代にはクラマンへ移住してシュイィのリュー・ディ「マレ(Marais)」にも4aの区画を追加した。

その後もクラマンの「レ・ボーヴ」「レ・バ・ブロン」「ラ・クレイエール」「ル・モワイヤン・デュ・クシャン」、アヴィーズの「レ・ザヴァ・デュ・ルヴァン」「レ・マルヴィヤンヌ」などへと区画は少しずつ広がり、2011年には妻セヴリーヌが経営に合流したのと時を同じくしてオジェにも2区画を取得している。

栽培面では2014年から化学除草剤の段階的な廃止に着手し、2015年にはブジーの区画で除草剤・殺虫剤・殺菌剤を完全にやめ、銅・硫黄・エッセンシャルオイルのみに頼る無農薬栽培へ移行した。現在では畑全体の約3分の1がこの「ケミカルフリー」栽培に切り替わっており、施肥も行っていない。当主は「いかなる認証も標榜していない」と明言しており、そこには制度によって裏付けを得るよりも、日々の栽培実践そのもので語ろうとする姿勢がにじむ。

畑の分散は経営上の制約から生まれたものではなく、コート・デ・ブラン各地の異なる条件を持つ土地を組み合わせることで、シャルドネの表情の幅を確保しようとする意図の表れでもある。1990年代末までに家業の畑は20区画以上へと広がっており、現在の33区画という構成はその蓄積の延長線上にある。現在は当主ブノワ・ムニエが栽培・醸造を、妻セヴリーヌが経営・商業部門を担うという役割分担のもとで、家族経営として運営されている。

栽培・生産データ
自社畑面積1ha60
区画数33区画
品種構成シャルドネ100%
ケミカルフリー栽培面積畑全体の約1/3
年間生産量約1万本(2022年時点)

醸造方針

2015年からは、タンク単位ではなく収穫時点で区画ごとにアッサンブラージュを決める区画別醸造を採用しており、配合比率は毎年の収穫条件によって変わる。区画ごとの個性を消さずに瓶詰めまで届けることを狙った手法である。搾汁にはヴェール=トゥーロン村のヴィニュロンの家にある小型の木製コカール式伝統圧搾機を用いており、この設備は協力者ジョルジュを通じて利用している。樽についても毎年新樽と中古樽への投資を続けており、熟成環境の刷新にも力を入れている。

補糖・清澄・濾過・低温処理はいずれも行わず、低ドサージュ・低亜硫酸を志向したスタイルを貫いている。ドサージュや亜硫酸を抑えることで、区画ごとに引き出した個性をそのまま感じ取れるスタイルを目指している。コトー・シャンプノワ系の極小ロットについては、酵素を使わない自然なデブルバージュと重力による充填を行い、マロラクティック発酵を経たのちドゥミ・ミュイまたは228Lの樽で熟成させている。

2000年代初頭からは協同組合内の試飲・アッサンブラージュ委員会にも参加してきた。「グラン・クリュ・ブラン・ド・ブラン」を友人へ販売するところから商業化を始め、評判は徐々に広がって2004年には品切れによって一時的に販売を抑制するほどの人気を集めた。現在は年間およそ1万本を醸造・瓶詰めしており、キュヴェのラインナップも当初のブラン・ド・ブラン中心から少しずつ広がってきた。地元コート・デ・ブランに根差した小規模メゾンとして、今も着実に歩みを続けている。

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