「リザーヴワイン」とは

Vin de réserve / リザーヴワイン

■ リザーヴワインとは何か 「リザーヴワイン(vin de réserve)」とは、造り手が特に取っておいた原酒(げんしゅ)のことを指す。「reserve」という言葉自体、もともとは出来の良いワインをすぐに市場に出さず蓄えておいたことに由来する。スペインの「Reserva」やイタリアの「Riserva」も語源は同じだが、これらは熟成期間などがワイン法で定められているのに対し、フランスやアメリカでは法的な定義が緩やかで、造り手ごとの運用に委ねられている部分が大きい。 ■ シャンパーニュにおける役割 シャンパーニュ地方はフランスでも北に位置するブドウ産地で、年によって天候や収穫量、糖度にばらつきが出やすい。そこで多くのメゾンは、出来の良かった年のベースワイン(発泡させる前の静止ワイン)の一部をあえて瓶詰めせずタンクや樽に残しておき、翌年以降のアッサンブラージュ(複数のワインをブレンドする工程)に使う。これがリザーヴワインである。特にヴィンテージを表記しないノン・ミレジメ(NV)のシャンパーニュでは、当年のワインに複数年のリザーヴワインを組み合わせることで、天候による品質の差を均し、メゾンごとの一貫した味わいを毎年再現している。 リザーヴワインの比率や管理方法はメゾンの個性が表れる部分でもある。単年のリザーヴワインをタンクで保管する方式もあれば、ソレラシステムのように複数年のワインを継ぎ足しながら循環させ、時間をかけて複雑味を積み重ねる方式を採る造り手もある。木樽で熟成させることで酸化熟成のニュアンスを加える例も見られる。 こうした背景を知っておくと、同じNVシャンパーニュでもメゾンによって印象が異なる理由や、ラベルに「リザーヴ」の名を冠したキュヴェが持つ意味合いが理解しやすくなる。リザーヴワインは、シャンパーニュの「毎年同じ味を届ける」という一貫性を支える、いわば縁の下の力持ちといえる存在である。