Duntze / ダンツェは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄です。
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Duntze / ダンツェ

Duntze別名:G.F. Duntze

ダンツェ別名:G.F.・ダンツェ

ダンツェは、19世紀にドイツからランスへ渡った一族が1913年に興し、2013年に曾孫の手で100年ぶりによみがえらせたシャンパーニュ・メゾンです。産地をまたぐブレンドを行わず、地区ごとに1つのキュヴェを仕立てる造りで、その土地の輪郭をそのまま映し出します。

基本情報

地区Montagne de Reims / モンターニュ・ド・ランス
- Vallée de la Vesle / ヴァレ・ド・ラ・ヴェスル
村51100 Reims / ランス
所在地109 Rue Edmond Rostand, 51726 Reims (Google Maps)
公式サイトhttps://www.duntze.com/
Mailchampagne@duntze.com
SNS@champagneduntze
Tel+33 3 26 86 00 10
設立2013

特徴・スタイル

このメゾンの造りを貫くのは、産地をまたいでブレンドしないという一点です。ひとつのキュヴェに映るのはひとつの地区だけなので、飲み手はグラスの違いから土地の違いをそのまま追えます。地区ごとにパートナーとなる栽培家をひとり選び、醸造の段階から二人三脚で仕上げる体制がそれを支えています。土地が差し出しうる最良のものをゆがめずに映すため、造りでは余分な操作を避け、澱とともに過ごす長い瓶熟成がきめの細かさと香りの奥行きを育てます。気品がありながら、どこか自然発生的な躍動を残す。それがダンツェの描く味の輪郭です。

歴史・ブランドストーリー

一族の物語は、1843年にドイツ・ブレーメンで始まります。トマ・ダンツェが興したビール醸造所は、上面発酵のビールをヨーロッパ各地へ送り出す同市有数の造り手へと育ちました。醸造の血筋がシャンパーニュへ移るのは19世紀後半です。フリードリヒ・ダンツェ(1856-1944)がランスの有力メゾンの経営を託されて渡仏し、生涯の60年をそこに捧げるとともに、クラマンのリュー・ディ「レ・ブリケット」に十数haの畑を開き、圧搾所を建てました。 1913年、その息子ジョルジュ・フレデリックが、最も大切な顧客のために自らの名を冠したシャンパーニュを造ろうと決意し、ランスにメゾンを創業します。ひとつの村のぶどうだけでキュヴェを仕立てる、当時としては大胆な発想です。しかし1939年、経営難によりメゾンは扉を閉じます。 曾孫のヴィクトル・ダンツェは、母方の家系が営む大手メゾンの経営を任されたのち、父とともにぶどうと原酒を仲介するブローカーとして働くなかで、造り手としての情熱を取り戻しました。2010年に法人を設立し、初代の創業からちょうど100年にあたる2013年、ダンツェの名を掲げるメゾンが再び動き出します。

詳細

コート・デ・バールとコート・デ・ブランには、メゾン自身が持つ畑があります。2025年の公式資料はこの自社畑を示し、パートナー栽培家の貢献はそれを補完するものと位置づけられています。面積や区画の内訳は公表されていません。ぶどうの多くはシャンパーニュ各地の栽培家との協働から生まれ、メゾンは彼らを単なる取引先ではなく「真のパートナー」と呼びます。地区ごとにひとりの栽培家を選び、長く質の高い関係を結ぶことを重視しています。

調達の広がりは、シャンパーニュの主要産地をほぼ横断します。中心となるモンターニュ・ド・ランスでは、グラン・クリュのマイィ=シャンパーニュ、ルーヴォワ、ブジーに、プルミエ・クリュのシャムリー、エキュイユ、サシー、トキシエール=ミュトリーが加わり、ロゼ用にはヴェルジィ、ヴェルズネイ、ヴィレ=マルムリーのぶどうも用います。ここにコート・ド・セザンヌのモンジェノスト、ベトン、バルボンヌ=ファイエル、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・リヴ・ゴーシュのフェスティニー、コート・デ・バールのレ・リセ、そしてコート・デ・ブランのプルミエ・クリュ、ヴェルテュが続きます。

こうした産地の選び方は、当主が掲げる構想に直結しています。ヴィクトル・ダンツェは自らの狙いを「シャンパーニュの各地区から出発して、それぞれのキュヴェに『テロワール』のプロフィールを引き出すこと」と説明します。地区ごとに選んだ栽培家とは醸造の段階から一緒に働き、ともにテイスティングし、ともにアッサンブラージュするのが実際の進め方です。

生産データ
初代メゾンの創業1913年
現法人の設立2010年
メゾンの再興2013年
年間生産量約50,000本(2018年時点)
使用コミューン数16村
リザーヴワイン比率5〜50%(キュヴェによる)

醸造方針

産地をまたぐブレンドを行わないという選択が、このメゾンの醸造をかたちづくっています。各地区にひとつのキュヴェを対応させるため、醸造では果実と産地の性格を損なわないことが最優先され、余分なものは加えません。熟成と瓶詰めはランスの拠点で行われます。

造りは2つのレンジに分かれます。伝統に根ざした均衡と時代を超える普遍性を目指すレジェンド(Légende)と、品種と土壌の組み合わせの高貴さに向き合い、個性の際立つ精緻な酒質を狙うグラン・テロワール(Grands Terroirs)です。

熟成では、澱と長く触れ合わせるシュール・リーの期間を十分にとり、これがきめの細かさと香りの複雑さを生むとしています。リザーヴワインの使い方もキュヴェごとに設計され、比率は5%程度から50%まで幅があります。ロゼには2017年から2020年の赤ワインを継ぎ足しながら使うソレラを用い、年ごとのばらつきをならしつつ厚みを与えています。

もうひとつの要が、澱抜きのあとに補うエクスペディション・リキュール(liqueur d'expédition)です。ダンツェはこれをキュヴェごとに専用に開発し、単なる甘みの補正ではなくテロワールの本質を引き出すための研究の成果と位置づけています。当主はこれを「メゾンの秘訣」と表現します。

評価

メゾンが世に知られるきっかけのひとつは、2018年12月のル・モンド紙 M Gastronomie の記事でした。ブラインド・テイスティングを踏まえた同記事は、そのワインを「調和がとれ、まっすぐで、本物らしさを感じさせる」と評し、余分なものを一切加えない適正な醸造がその理由だと説明しています。再興からわずか5年の時点で「有望な滑り出し」と紹介されたことになります。

その後もレンジ全体が国際的な評価誌に取り上げられ続けています。2025年時点で James Suckling はおおむね91〜92点、Decanter は89〜92点を付け、2023年には Jancis Robinson が16〜16.5/20、ゴ・エ・ミヨが15〜15.5/20 と評価しました。当主自身は「1から10の尺度で言えば、目標の5にしか達していない」と語っており、再興のプロジェクトはなお途上にあります。

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