「ブーズ・ド・コルヌ」とは

Bouse de corne / ブーズ・ド・コルヌ

ブーズ・ド・コルヌ(Bouse de corne)は、ビオディナミ農法で使われる調剤の一つで、通称「調剤500番」と呼ばれます。牛の角に新鮮な牛糞を詰め、秋に土中へ埋めて冬を越させ、翌春に掘り出して作ります。オーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナーが1924年に行った農業講座に由来する手法で、動物性の器に有機物を詰めて土中で発酵させることで、土壌の生命力を高めるという考え方に基づきます。 使用する際は、ごく少量を大量の水に溶かし、専用の道具で1時間ほど攪拌(かくはん)してから畑に散布します。この攪拌工程は「ダイナミゼーション」と呼ばれ、ビオディナミ特有の作業として知られています。効果を科学的に実証するのは難しく、懐疑的な見方をするワイン関係者も少なくないが、デメテールやビオディヴァンといったビオディナミの認証を取得する際には、こうした調剤の使用が要件の一つとして組み込まれています。 シャンパーニュ地方は石灰質土壌が広がる産地で、その生命力を保つことが長期的な樹勢管理につながるという考え方から、ビオディナミに取り組むメゾンやレコルタン(自ら栽培・醸造まで行う小規模生産者)が近年増えています。ブーズ・ド・コルヌの散布は、そうした畑仕事の一環としてしばしば語られます。 消費者がラベルからこの調剤の使用を直接読み取ることはできないが、ビオディナミ認証のロゴが表示されていれば、この調剤を含む一連の作業が行われていると理解してよいでしょう。ワインの味わいへの直接的な影響は議論の分かれるところだが、生産者の哲学や畑への向き合い方を知るうえで欠かせない用語です。

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