ワイナート / Winart No.39 2007 July
特集「ワンランク上のシャンパーニュ選び」
シャンパンでもテロワールを味わえるのだということに注目した記事構成、グランクリュ17ヶ村の解説も。現地取材も13のワイナリーに及ぶ。
内容
特集 ワンランク上のシャンパーニュ選び
もう一度確認しなければならない。シャンパーニュとは、単なる発泡アルコール飲料ではなく、シャンパーニュというテロワールの産物なのだということを。土地の味わいを鑑賞すべきワインなのだということを。そうすれば必然的にひとつの答えに行き着く。偉大なワインを生み出すのは偉大なテロワール、すなわちグラン・クリュである。ならば選ぶべきはグラン・クリュ・シャンパーニュであり、味わうべきはそれぞれの美点である。■Chapter1 グラン・クリュで選ぶシャンパーニュ
シャンパーニュにも格付けがある。その頂点に位置するグランクリュは、ブルゴーニュやアルザスなどの産地と同じく、下位のワインとは比較にならない高い品質を示し、偉大なテロワールの力を語る。もちろん、選ぶならグラン・クリュ・シャンパーニュだ。
・消滅した格付け
・理解されないグラン・クリュ
・ワンランク上のワイン選び
■Chapter2 シャンパーニュ・グラン・クリュ解説
シャンパーニュAOCを構成する317の村のうち、グラン・クリュの栄誉は17村だけに与えられる。その内訳は、モンターニュ・ド・ランスに9、ヴァレ・ド・ラ・マルヌに2、コート・デ・ブランに6。この17村の基本的な事柄をまず理解することが、偉大なシャンパーニュの理解へとつながる。
シルリー/マイイ・シャンパーニュ/ピュイジュー/ヴェルズネイ/ヴェルジー/ボーモン・シュール・ヴェール/アンボネイ/ブジー/ルーヴォワ/トゥール・シュール・マルヌ/アイ/シュイイ/オワリー/クラマン/アヴィーズ/オジェ/ル・メニル・シュール・オジェ
■Chapter3 現地取材 13ワイナリー
●フレネ・ボード / 近世フランス最高のワイン、シルリーの名声を今に伝える
●マイイ・グラン・クリュ / ピノ・ノワールの繊細さと上品さを最大限に発揮する北向きの畑
●ペユ・シモネ / モンターニュを代表するグランクリュの超越的な気品
●ラルマン・ドヴィル / 固いミネラルと実直な果実味。質実剛健なピノ・ノワール
●ポール・デテュンヌ / 日照に恵まれた南東斜面ならではのリッチなピノ・ノワール
●ブノワ・ラエ / 南向き斜面らしい凝縮した味わいをオーガニックが優しく引き出す
●ピエルソン・キュヴリエ / ブジーの名声の影にある村、ルーヴォワの知られざる個性
●ドビ / グラン・クリュの王たるアイの威厳と風格の味わいを求めて
●ヴァザール・コカール / 風通しのよさが涼しげな風味を、なだらかな地形が優しさを生む
●ボネール / コート・デ・ブラン最高のクリュの柔和にして伸びやかな個性
●ジャック・セロス / 堅牢、豪壮なアヴィーズのミネラリティを突き詰める
●ミラン / 太陽熱を集める円形劇場型の畑の豊かで柔らかいシャルドネ
●ロベール・モンキュイ / シャンパーニュ中最強となるミネラルと鋭利な酸の魅力
■Chapter4
グラン・メゾン・トピックス
・ドン・ペリニヨン
・モエ・エ・シャンドン
・ポメリー
話題のワインがわかるワインガイド ~ 合計 458本!
◆世界のスパークリング巡り 169本◆ワイン界で近年ずっと上り調子のスパークリングワイン。今回は、日本市場で手に入る、シャンパーニュを除いた各国のスパークリングワインを集めてテイスティングし、味わいチャートを作成した。集めた目安は、小売価格1,800円以上1万円くらいまで。合計169本の中には、白ありロゼあり、赤もあり。フレッシュ感にあふれたものから、熟成感のあるものまで。ぜひシーンや好みに合わせて、使い分けていただきたい。
◆ベスト・ロゼワインを探せ!68本
◆現地取材先シャンパーニュ・テイスティング 45本
◆ボルドー・プリムール・テイスティング2006 140本
◆ニュージーランドのピノ・ノワール 13本
◆シャトー・マレスコ・サンテグジュペリ ヴァーティカル 5本
◆ナルサイ ヴァーティカル 3本
◆ニュージーランド ホークス・ベイ 15本
ネゴシアン・ブルゴーニュの新時代
栽培・醸造ともにむずかしい年が続いた最近のブルゴーニュ。いかに高名なドメーヌの高価なワインであっても、2003年の過熟と補酸風味、2004年の青臭さと薄さに、幻滅させられたことも多かった。しかし発見もあった。優れた技量を持つネゴシアンたちの、着実で安定した品質だった。ドメーヌ全盛の時代におけるネゴシアンについて考えてみたくなった。・ブシャール・ペール・エ・フィス
・ミシェル・クトー
・ドミニク・ローラン
・ジョセフ・ドルーアン
◆時が織りなすアマローネの凝縮美 ベルターニ
イタリア、ヴェネト州の銘酒アマローネ。今年150周年を迎えるベルターニ社のアマローネは、瓶詰めまで7年もの時間をかけて造られ、20年、30年の熟成にも容易に耐え得る。まさに時が紡ぎ出す風格を備えたワインである。
◆ニュージーランドのピノ・ノワール産地
ニュージーランドで栽培される品種は多々あれど、産地ごとの、区画ごとの、そして生産者ごとのディテールをきちんと反映しているのは断然ピノ・ノワールだ。そこで今回は、これまで紹介したことのない、また、今後注目したいピノ・ノワールの産地と造り手を紹介したい。
■カンタベリー ダニエル・シュースター/ペガサス・ベイ/マウント・フォード/マディ・ウォーター/ベル・ヒル
■ネルソン テ・マニア/ノイドルフ
■ホークス・ベイ ヴァイタル/大沢ワイナリー/ライム・ロック・ワインズ
◆オーストリーのビオディナミ論争
世界最古のビオディナミ・ワイナリーは、いかにしてこの農法と出会ったのか。なぜ昨年、突然多くワイナリーがビオディナミに転換したのか。この傾向は続くのか。自然農法大国オーストリーのビオディナミ・ワイン事情に迫る。
◆ワインセラー比較検討マニュアル
ワインが趣味な人にとって、セラーはすでに必需品、と思いきや。読者アンケートの結果、実際に所有している人はそんなに多くありませんでした。が、持っていない人のほとんどが所有希望で、中でも40本前後のセラーを「夏が来る前に欲しいッ!」と熱望する読者が多数でした。ということで、現在、売れ筋のセラー4機種と、国内で入手可能なセラーのデータ一覧を掲載します。新規の人はもちろん、買い換え、買い足しの方も、選択のポイントは性能と容量と価格。これらを比較すると、次に買わなければ成らないセラーが見えてくるはず。