ワイナート / Winart No.31 2005 January
特集「新 シャンパーニュ」
シャンパン総力特集。基本を軽く解説しつつ、数多くのメーカーとシャンパンについておさえているデータブック的な内容となっているが、「オーガニックシャンパーニュの探求」など、読み応えのある内容もあり、もっておきたい一冊。
内容
特集 新 シャンパーニュ
グラン・メゾンの地下深く、眠りという名の錬金術が、ワインに光輝く翼を授ける。まぶしき気泡で目を奪い、出会いと離別を司り、歓喜と悲哀を弄ぶ、冷たい仮面の美の女神と、熱い血潮の恋の神に愛されし、汝の名はシャンパーニュ。今宵その翼の羽音を響かせよ・・・。中世よりフランス屈指の銘醸畑として君臨する、アイ。それら天与のテロワールに生まれしシャンパーニュ、いまや俗塵にまみれし高貴な血よ。約束の日は近い。真実の力を呼び覚まし、己の意味を自覚する時、忘れられた王冠が頭上に輝き、次なる物語の幕が開くのだ。◆◆ グラン・メゾンのスタイル シャンパーニュを味わいなおすために ◆◆
“グラン・メゾンのスタイルを読み解く”
シャンパーニュはシャンパーニュという土地のワインである。だから2年前のシャンパーニュ特集では、土地の味わいを最大限生かそうとする小規模生産者たちを扱い、単一クリュのワインについて考えた。それを踏まえて、やっと分かることがある。土地の味わいを生かしつつ、クリュを素材としてひとつのドラマを仕立てた、それがグラン・メゾンのスタイルである。
ドメーヌとネゴシアン ~ RMとNM ~ 単一クリュとブレンド ~ スタイルとはクリュの織りなすドラマである
◇ルイ・ロデレール / テロワールに裏付けられた精緻を極める構成美と余裕の味わい
◇アンリオ / 若き当主に率いられた由緒ある家族経営メゾンの新しい時代
◇ランソン / MLFを行なわない独自の造りが爽快な酸と溌剌とした味わいを生む
◇デュヴァル・ルロワ / 知られざるシャンパーニュの本質を求めるメゾンの新しい姿
◇アヤラ / アイの調和と美徳を伝える通のための愛すべき佳品
◇シャルル・エドシック / 華麗な豊満さと親密な寛ぎを両立する比類なき円熟の味わい
◇ドーツ / 品位とは何かを飲むものに問いかける静謐な調和の世界
◇ビルカール・サルモン / 鮮度と純度を大切にした人に媚びない直線的な力強さで注目のメゾン
◇ローラン・ペリエ / セニエ法による優れたロゼと3つの年をブレンドしたプレステージ
◇ペリエ・ジュエ / 特徴的なクリュ選びに繊細さを求める一貫した意志を見る
◇テタンジェ / 各特級畑の個性がひとつに溶け合うシャルドネの歴史的名品
◇ボランジェ / アイならではの豊かさを強める樽発酵と長期瓶熟成
◆◆ 注目ビオの実力 オーガニック・シャンパーニュの探求 ◆◆
技術のワインではなく、テロワールのワインを望むなら、オーガニック栽培は必定である。地球環境や本物の食品について高い見識をもつ日本の消費者は、すでに承知しているだろう。そこで今回、日本で人気の高いオーガニックの生産者を訪ね、シャンパーニュの理解を深めたいと思う。
◇ベルトラン・ゴーテロ / 元デザイナーのセンスとビオディナミが引き出す土地の個性
◇ラルマンディエ・ベルニエ / ヴェルテュの個性とは何かを考えさせる真面目な味
◇フルーリー / シャンパーニュのビオディナミを率いるリーダーの深い味わい
◇アグラパール / 馬による耕作から混植・混醸まで果敢に挑む骨太の生産者
◇オリヴィエ・コラン / セロスの思想を正しく引き継ぐ2004年が初ヴィンテージの新しい生産者
◇ブノワ・ライエ / グランクリュ、ブジーのもてる力を引き出すオーガニック
◇イヴ・エ・テイエリー・ラファン / 1971年にオーガニックを始めた父親を息子が発展的に継承
◇ジャン・エ・ヴァンサン・ブリアール / 自然体で滋味深い味わいを生むオーガニックの老舗ワイナリー
◇ジョルジュ・ラヴァル / マルヌ地区でブリアールと並ぶ老舗。キュミエールのピノに注目
◇フランク・パスカル / オーガニックの産地の未来を求めた苦悩する若い生産者
◇テイエリー・ド・マルヌ / 協同組合でオーガニックの可能性を探るブドウ農園
◇シャンパーニュノ理想像を考える
意識の高い生産者たちとの会話を通し、理想のシャンパーニュとは何か、何をすべきか、自分なりのイメージが見えてきた。ワイン造りのプロセスをいくつか取上げ、現状の問題を踏まえた上で、具体的な方法を考えてみたい
生産組織 ~ 作付け品種 ~ クリュの格付け ~ 収量 ~ 熟度 ~ 醸造 ~ シャンパーニュ製法
◆◆ ノン・ヴィンテージで好みのシャンパーニュを知る講座 ◆◆
ひとくちにシャンパーニュと言ってもさまざまなスタイルがあり、そのパースペクティブを把握することが好みのシャンパーニュを探しだす近道になります。そこで、そのなかでも最も一般的な対立軸である重厚感と軽快感を基にして、比較的親しみやすいグラン・メゾンのノン・ヴィンテージの銘柄が、どのようなスタイルかを探ってみましょう。
◇まずはシャンパーニュの味わいを知りましょう
A ノーマルなタイプ / B 重厚感のあるタイプ / C 軽快感のあるタイプ / D 個性的なタイプ
◇タイプ別シャンパーニュ一覧 24本
◇楽しみ方 特徴 / 料理との相性 / おすすめ料理
◇シャンパーニュの造り方 収穫 ~ 圧搾 ~ 一次発酵 ~ 調合 ~ 瓶詰め ~ リキュール添加 ~ 瓶内二次発酵 ~ 瓶内熟成 ~ 動瓶 ~ 滓抜き ~ 補酒 ~ 打栓 ~ ラベル貼り
◇知っておきたい用語解説
1.種類 /“プレステージ・シャンパーニュ” “ヴィンテージ・シャンパーニュ” “ノン・ヴィンテージ・シャンパーニュ” “ブラン・ド・ブラン” “ブラン・ド・ノワール”
2.味わい /“エクストラ・ブリュット” “セック” “ドゥー”
3.格付け /“特級” “一級”
4.メーカーの業態 /“ネゴシアン・マニピュラン” “レコルタン・マニピュラン” “ソシエテ・ド・レコルタン” “コーペラティヴ・ド・マニピュラン”
◆◆ グラン・メゾン シャンパーニュ カタログ 2006 ◆◆
日本に輸入されているグラン・メゾンのシャンパーニュ 161本
アルフレッド・グラシアン / アヤラ / ビルカール・サルモン / ボワゼル / ボランジェ / ブルーノ・パイヤール / ドーツ / ドン ペリニヨン / デュヴァル・ルロワ / ゴッセ / アンリオ / ジャクソン / ジョセフ・ペリエ / クリュッグ / ランソン / ローラン・ペリエ / ルイ・ロデレール / モエ・エ・シャンドン / G.H.マム / ニコラ・フィアット / ペリエ・ジュエ / フィリポナ / パイパー・エドシック / ポル・ロジェ / ポメリー / ルイナール / サロン / テタンジェ / ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン
◆ 世界各国泡めぐり 第二回 バリュー編 2 フランス、イタリア以外のヨーロッパ ◆
今回の泡めぐりは、フランスとイタリアを除いたヨーロッパに焦点をあててみた。ドイツは、代表的な品種であるリースリングを使用している2大産地を比較。スペインは、伝統品種を主体にしている銘柄で中から小規模の造り手を選んだ。そして、補糖せず、ピュアなカバともいえる「ブルット・ナチュレ」を別枠で取上げた。オーストリアとハンガリーは輸入アイテムが少ないため、1銘柄ずつとした。各国の差、地域の差、造り方の差などが反映された味わいの違いを、実際に楽しんでみていただきたい。
◇ドイツ / ゼクト
◇スペイン / カバ、カバ ブルット・ナチュレ
◇オーストリア・ハンガリー / シャウムヴァイン、ペジュグー
◇マリアージュのヒント & 比較試飲のヒント
◆ 食事とワインのマリアージュ研究会 ベストマッチを探せ! 9 ◆
“新定番はシャンパーニュ・ドゥミ・セック”
今回のお題ワインは、シャンパーニュの甘口として知られる「ドゥミ・セック」。お料理とドゥミ・セック?と思うかもしれませんが、今回のワイン、これがなかなかどうして、食前から食後まで通して飲める優れモノなのです。今回も相性のよいお料理4品を選出。果たしてベストの組合せは?
手長エビのグリル / エビとホタテの蒸し餃子 / スティックパイ、フルーツクリーム添え / ウニの軍艦巻き
◆◆ ワインガイド 296本 ! ◆◆
◆シャンパーニュ 160本
◇現地テイスティング ヴィンテージ・シャンパーニュ
◇現地テイスティング ノン・ヴィンテージ・シャンパーニュ
◇現地テイスティング ロゼ・シャンパーニュ
◇国内ブラインド・テイスティング ヴィンテージ・シャンパーニュ
◇国内ブラインド・テイスティング ノン・ヴィンテージ・シャンパーニュ
◇国内ブラインド・テイスティング ロゼ・シャンパーニュ
◇オレゴン ピノ・ノワール 57本
◇バローロ 2001年ヴィンテージ 36本
◇リヴェラ“プエール・アプリアーエ”“イル・ファルコーネ”ヴァーティカル 16本
◇ドクター・ローゼン 12本
◇バリュー・ワイン 37本