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シャンパン歴史物語―その栄光と受難
ドン・クラドストラップ (著), ペティ・クラドストラップ (著), 平田 紀之 (翻訳)
概要
単行本: 275ページ
出版社: 白水社 (2007/07)
ISBN-10: 456002765X
ISBN-13: 978-4560027653
発売日: 2007/07
内容
シャンパンは飲む人を幸福な気分にする、特別なワイン。恋人との食卓、結婚式、はては船の進水式まで、それは祝祭の象徴である。
もともとワインの生産には必ずしも適していない北フランスのシャンパーニュ地方の地酒であったシャンパンは、いまでは世界中の人々に生きる喜びを与えている。本書はシャンパンとシャンパーニュ地方をめぐる歴史物語である。
第一の読みどころは、シャンパンに関わる並はずれて個性的な人物をめぐる興味深い逸話の数々だ。「シャンパンの父」と呼ばれるが、実はワインから泡を取り除くことに腐心したドン・ペリニョン、ほとんどシャンパンしか飲まなかったルイ14世、遠征先に大量のボトルを輸送したナポレオンなど、歴史上の人物がいきいきと描かれる。
第二の読みどころは、シャンパンを生んだ土地、シャンパーニュ地方の苦難にみちた歴史である。フン族のアッティラとの戦いにはじまり、イギリスとの百年戦争、そしてなんといっても国境を接したドイツの侵入がシャンパーニュを苦した。普仏戦争、第一次大戦、そして第二次大戦。そのたびに人々は、自らの生命とシャンパンを守るために必死の努力をしたのである。
シャンパンおよびシャンパーニュ地方の歴史は、フランス史はもとより、ヨーロッパさらに世界の歴史と密接に結びついている。本書はワイン愛好家のみならず歴史好きの読者にとってもかっこうの読み物となっている。
目次
序章 この神聖な土地
第1章 君主と修道僧
第2章 鉄の面をかぶった男たち
第3章 黄金時代の頂点で
第4章 すべての輝くもの
第5章 マルヌ川がシャンパンを飲んだ日
第6章 血に染まる丘を登って
第7章 地面の下で、砲火の下で
第8章 太鼓もなく、ラッパもなく
第9章 泡がはじけるとき
エピローグ 雄々しいワインたち
著者情報
平田 紀之(ヒラタ ノリユキ)
1946年東京生まれ。横浜市立大学卒。翻訳家・フリー編集者。山岳書を中心に訳書多数