シャンパンに関わるフランスの地方行政区

シャンパンに関わるフランスの地方行政区

フランスの領土は、ヨーロッパに22、ヨーロッパ以外の海外に4ある地域圏 (レジオン / région) に大区分され、地域圏はさらに2~8の県 (デパルトマン / département) に分けられます。現在26の地域圏、100の県が存在し、シャンパーニュのぶどうの産地として認められいる村(以下クリュ)は、3の地域圏、5の県に広がっています。

地域圏には、スティル・ワインで有名なブルゴーニュ(Bourgogne)や、アルザス(Alsace) など、日本でも聞き慣れた名前もありますが、シャンパーニュのクリュは主にシャンパーニュ=アルデンヌ(Champagne-Ardenne)にあり、さらに、パリのあるイル=ド=フランス(Île-de-France) 、アルザスとシャンパーニュ=アルデンヌの間のピカルディ(Picardie) にもあります。

地域圏はさらに県に分けられますが、この県制度はフランス王国時代の地方区分を廃して、革命後に設置されたもので、フランス領の拡大・縮小、および人口の多い県の分割による新県設置に伴い、県の数は増減してきた経緯があります。
シャンパーニュ=アルデンヌは4つの県分けられ、そのうち3つマルヌ県(Marne)、オーブ県(Aube)、オート=マルヌ県(Haute-Marne)にクリュがあります。イル=ド=フランスはパリを含む8つに分けられ、うち1つセーヌ=エ=マルヌ県(Seine-et-Marne)、ピカルディは3つに分けられ、うち1つエーヌ県(Aisne)にそれぞれクリュが存在します。

県はさらに郡 *1 (アロンディスマン / arrondissement)に分けられ、郡は小郡(カントン / canton)に、小郡は市町村 (コミューン / commune)に分けられます。コミューンには日本で言う市町村の区別は基本的になく、人口80万人のマルセイユも、200人程度のカマンベールもコミューンです。そのため、日本の自治体の規模に合わせて「マルセイユ市」、「カマンベール村」のように翻訳されます。

クリュ名はこのコミューンの名前で、現在の認定数は336、白葡萄と黒葡萄で別のクリュとみなされる村が17あるため、村の数としては319になり、そのほとんどがマルヌ県にあります。エーヌ県が5、オーブ県が3、オート=マルヌ県が1、セーヌ=エ=マルヌ県が1、それ以外の309がマルヌ県にあります。
ちなみに、各県の市町村数はマルヌ県が619、オーブ県が433、オート=マルヌ県が432、セーヌ=エ=マルヌ県が514、エーヌ県は816あります。

【クリュの存在する県とクリュ数】
地方圏クリュ数
シャンパーニュ=アルデンヌ
Champagne-Ardenne
マルヌ
Marne
309
オーブ
Aube
3
オート=マルヌ
Haute-Marne
1
イル=ド=フランス
Île-de-France
セーヌ=エ=マルヌ
Seine-et-Marne
1
ピカルディ
Picardie
エーヌ
Aisne
5


この程度、把握していれば、フランスの地図を見てシャンパーニュがどの変なのか、フランス語の地図でも見て取れます。wikipedia (Région française)に地方圏、県の記載された地図があるので、あわせて確認するとよくわかります。

シャンパンに関する記載はクリュ名や地方名が中心で、上述の地域圏名や県名は見かけることは少ないですが、行政区画として要所要所では出てくるので、覚えておくといいでしょう。


余談ですが、フランスの住所は市町村より上の県や地域圏は省略して書く事ができ、非常にシンプルな住所表記ができます。例としてKrugの住所は

5 rue Coquebert - 51100 Reims

左から順に、番地 - 通りの名前 - 郵便番号 - 市町村名。つまり、「郵便番号51100 ランスのコクベール通り5番地」、これにFranceと最後に付けてエアメールを送ればKrugに手紙が送れます。非常に簡単。


*1 パリ市の場合は区と訳